早い段階から定石を打つリスク【キンコン西野】
【本日最終日!】『ファミリー応援シート』クラウドファンディング
2025年8月9日~30日にあるファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』(KAAT神奈川芸術劇場)では、「ファミリー応援シート」と称して、シングルファミリーの子供達と子だくさんファミリーの子供達を(3,300名ほど)無料招待させていただくのですが、このお金の出所はクラウドファンディングなんです。
※ファミリー応援シートはコチラ↓
https://chimneytown.net/collections/musical-family-support
「子供達に『えんとつ町のプペル』を見せてあげたい」「シングルファミリー、子だくさんファミリーを応援したい」という人が、今日の時点で1,288名もいらっしゃって、支援総額は1,938万6,000円となっています。
このクラウドファンディングの手数料を抜いた全額を今回のファミリー支援に充てさせていただくわけで、そもそも御支援がなければ、このようなチャレンジはできなかったわけで…支援してくださった皆様、そして、このクラウドファンディングをSNSで何度もシェアしてくださった皆様に、あらためて御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
このクラウドファンディングは本日が最終日となっておりますので、「今からでも支援する!」という方がいらっしゃいましたら、是非、クラウドファンディング「ピクチャーブック」を覗いてみてください。
宜しくお願いいたします。
※コチラ↓
受け取れる機会があるのに、「助成金」を受け取らないメリット
さて。
今回の「ファミリー支援(子供支援)」ですが、採択されるかどうかはさておき『助成金でやる』という選択肢もあったんです。
「文化庁・子供舞台芸術鑑賞体験支援事業」というのがあって、それこそ『ピーターパン』とか、今だと『ビリー・エリオット』もこの「文化庁・子供舞台芸術鑑賞体験支援事業」を使って、子供を招待していると思います。
以前もお伝えしましたが、僕は「使える制度は使った方がいい」という考えなので、助成金に対しても前向きではあるのですが、一方で、「助成金に体重を乗せてしまう経営のリスク」も確実にあって、「助成金が打ち切られたら回らない」という経営はあまりにも危険だし、助成金でなんとかできたことによって、現場スタッフの「なんとかしなきゃ、俺ら終わるぞ」という危機感が消えてしまうのもチームとしてかなり大きな痛手だったりするので、今回は「助成金」という選択肢をとりませんでした。
これはくれぐれも「助成金」を受け取っているカンパニーに対する批判ではないので、くれぐれも。
「僕は、こういう考えで辞退しました」という話です。
…という話を以前もさせていただいたのですが、その時に「助成金を受け取れる機会があるのに、助成金を受け取らないメリットって何なんですか?」という質問を結構いただいたのですが、たしかに、これって一歩目から「助成金を貰いに行くぞ」と考えているチームは結構気がつきにくいところなのかもしれません。
コロナ禍の飲食店とかが一番イメージしやすいと思うのですが、あの時、「店を閉めたら、1日いくら貰える」みたいな助成金ありましたよね?
スナックとか、小さな店なら、なんなら「店を閉めた方が、いつもより多くのお金が貰える」みたいな状況になり、嬉々として店を閉めたオーナーさんも結構いらっしゃいました。
が、「店を閉めたリスク」は数ヵ月後にやってきて…数ヵ月間店を閉めて「コロナが落ち着いたので再開します」とした時に、コロナ禍で離れたお客さんが帰って来なかった。
助成金を断って、コロナ禍で苦しいながら開けていた店の常連さんになっちゃっていたんですね。
こんな感じで、助成金って一長一短なんです。
今回の僕らの場合で言うと、「ファミリー支援(子供支援)」をクラウドファンディングではなく、助成金からおこなっていたら、まず、「『えんとつ町のプペル』を子供達に見せてあげよう」「ファミリーを応援しよう!」という文化が構築されないのが一つ。
そしてもう一つは(生々しい話ですが)、今回のこのプロジェクトだけで1,288名の方が支援してくださったわけですが、肌感だと、このうち、200名ぐらい方が、今回のプロジェクトに支援するためにクラウドファンディングにログインしてくださったと思います。
これは本当に大きくて、「ログイン」というクソ面倒な壁を越えて、支援のハードルが下がっているので、次にまた困っている人や、弱っている人を助ける為のクラウドファンディングをする時に確実にプラスに働く。
「助成金をとるか、クラウドファンディングの200人のログインをとるか?」という話で、長期的に見れば、僕は後者の方がメリットが大きいと判断しました。
早い段階から定石を打つと、もしかしたら「もっと良い手」を潰してしまう
最後に皆様に共有しておきたいことがあります。
さっきから、ついつい「分かってる風」に喋ってしまいますが(ごめんなさい!)、ぶっちゃけ僕は、ほぼ何も分かっていなくて、調べれば調べるほど知らないことが増えていって、自分の無知に嫌になるほどなのですが、ただ、そんなことを言ったところで何も始まらないので、毎日一つずつ一つずつ仮説検証実験を繰り返しています。
時々、ミュージカルのお客さんの集め方や、お金の集め方に対して「こうすれば上手くいくよ」とアドバイスをいただくのですが、やっていないからといって知らないわけではなくて、これがまさに今日の話に繋がるのですが、早い段階から定石を打っちゃうと、もしかしたらまだ誰も見つけていない「もっと良い手」を潰してしまうんです。
いや、そんなものは無いことがほとんどなのですが、でも「この球は打てることは分かってるけど、まだワンストライクだし、ここは見送って、別のコースの球に手を出してみよう」をやってみたら、時々、「え? この球、打てんじゃん!」に出会えるんですね。
ミュージカルのチケットの販売を1年前からやっているのにはそういった理由がありまして、「まだ実験が許されている時間帯なので実験している」といったところです。
初日の幕が近づいてきたら、ビックリするぐらい勝ちパターンしか選ばないので、そのへんは御安心ください。
必ず成功させるので、引き続き応援宜しくお願いいたします。
▼西野亮廣の最新のエンタメビジネスに関する記事(1記事=2000~3000文字)が毎朝読めるオンラインサロン(ほぼメルマガ)はコチラ↓
\メールアドレスのみで利用できるようになりました/ https://salon.jp/nishino
※サロンメンバーさん同士交流される場合は今まで通りFacebookアカウントが必要です
\公式LINEができました/
▼西野亮廣 公式LINEはコチラ↓
https://lstep.app/GEhq1k4
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?