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ホリエモンが言っていた「格安居酒屋モデルは終了」の答え合わせbyキンコン西野

このnoteは2020年1月2日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:上田 梓 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
ホリエモンが言っていた「格安居酒屋モデルは終了」の答え合わせ
というテーマでお話したいと思います。

コンビニ居酒屋の驚異

4、5年前くらいにホリエさんが「安くお酒を買って家飲みするっていう文化があるけど、これからはお酒を買ってそのままコンビニで飲み会をする『コンビニ飲み』が一般化する」みたいなことを言ってたんですね。

これに対して「そんなことあるわけない」って当時は炎上していた気がするんですが。

ホリエさんの言い分としては、「コンビニの惣菜のレベルが格安居酒屋よりも高いのに値段は格安居酒屋より安いから、格安居酒屋に勝ち目なくね?」っていうところなんですね。

「コンビニの横に持ち込みOKの飲食スペースがあったらそれでいいじゃん」って。

これはもう2020年現在、イートインという形で実現していて、当時はイートインが少なかったように思いますが、最近は解禁されてきた。

いっとき、おととしくらいですかね。
セブンイレブンが生ビールを100円でテスト販売していた時期もありましたよね。

いずれにせよコンビニのイートインがぐいぐい幅をきかせてきて、現在、格安居酒屋の脅威になっていることは間違いない。

これに対して個人的には、この考えには肯定的で。

僕自信がコンビニの近くに持ち込みOKのスナック『キャンディ』をやっているし。

まぁ、やっていると言っても会社と店だけ作って、ソッコー後輩のホームレス小谷くんにあげたんですが。いまもクオリティチェックみたいなことはやっております。

で、ホリエモンの「格安居酒屋モデルは終了」って話について、それでも格安居酒屋に行く人はなにを求めて行っているのか?ってところを考えたんですね。

正直、いまのコンビニと格安居酒屋の味対決は、格安居酒屋は部が悪すぎると思うんですね。コンビニの企業努力はんぱないから。

やきとりもおいしいし、おでんもうまいし。
向かうところ敵なしみたいになってますよね。

当然、価格も数の勝負で負けてしまう。
量産体制がとれるコンビニのほうが価格も安くなる。

それでも、居酒屋に行く人はいる。
それがまぁ、僕なんですけど。

ここまで言っておいて、僕ね、コンビニのイートインで飲む気になれないんですよね。

理由はふたつです。

ひとつめは、照明が明るいから。
ふたつめは、シラフの人が混じっているから。

これ、どっちも非常に大きな理由で。

僕クラスの酒飲みなら共感してもらえると思うんですけど、ときどき「飲まなくても飲んでる人にぜんぜん着いていけるんです」みたいなこと言う方いるじゃないですか。

酒飲みから言わせると、そういうことじゃないんですよ。
テンションあわせてくれたらOKですよってことじゃないんですよ。

酒飲みというのは、自分が酔い潰れていく姿を冷静にみられるのがツライんですね。

酒飲みが「お前も飲めよ」ってすすめてくるのは、同じように堕落してほしいんですよ。言ってしまったら自己防衛です。

イートインだとそれがないんですね。
飲んでる横でホッチキス使ってる人とかいるんで。

ホッチキス使ってる人に自分の真っ赤っかになった顔とか見られたくないんですよねー。

酔っ払いは赤い顔を隠したいから、コンビニの白い電気って都合悪いんですよね。赤提灯のほうが助かるんですよ。暖色系の照明じゃなきゃ嫌なんですよ。もしくは暗い。

だから飲み屋って、赤いか、暗いじゃないと、酒飲みからするとちょっと都合悪いんですね。コンビニでお酒飲める人は相当ハート強いと思う。「まわりなんか関係ねぇ」って言えちゃう人。

でも、多くの人はそこまでいけないと思うな。
少なくとも僕はちょっと無理ですね。

つまり、僕みたいなヘタレは居酒屋でお酒を買ってるわけでも、つまみを買ってるわけでもなくて、雰囲気だとか、冷静な人間の監視の目がないっていう安心感を買っていたりする。

そこですね。僕らが居酒屋に足を運ぶ理由は。

そこから僕は『スナックキャンディ』を設計したわけですが、コンビニの横に持ち込みOKの飲食スペースがあったらいいじゃんっていうのは、僕も大賛成なんですね。そのほうが助かるんですよ。

そのときに、持ち込みOKの飲食スペースの設計に組み込んでおかなきゃいけないのは、照明。暖色系か暗いか。あとは、シラフの人がいないっていう問題ですね。

スナックキャンディはそこを意識して作ってみました。

加えて言うと、コンセプトを『えんとつ町のなかのスナック』としたことで同じ空間にいるお客さんの共通言語を作ったんですね。

なので、ちがうテーブルの人は他人だけど、なんとなく『えんとつ町のプペル』が好きで、西野に興味があったり、ホームレス小谷に興味があったり

あとは、挑戦する人を肯定するとか、挑戦する人を鼻で笑うようなことはしない。っていうなんとなくのルールがある。

だから、スナックキャンディにきた人たちって一気に仲よくなるんです。

店もそんなに大きくないので、みんな大体なかよくなって帰っていく。

言ってしまえば、安心感を売っているってかんじですね。

全国に2、30店舗くらいあります。
最終目標は全国に1000店舗つくるってことになっております。

スナックキャンディっていうのはそういうかんじで作っちゃいましたよってことですね。

まとめると、ホリエモンが言っていた「格安居酒屋モデル終了」の答え合わせとしては、たぶん、そのとおりになるんだろうなって思うのと、その横につくる飲食スペースは雰囲気とか安心感が非常に重要になってくるなっていうのが僕の答えです。


それではまた。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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