見出し画像

【キンコン西野】南の島の小さな映画館の話

このnoteは2021年3月4日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:好きです 宮城県サロンメンバー有志一同 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

本題に入る前にお知らせをさせてください。
YouTuberのラファエルさんとの対談動画が、昨日、ラファエルさんのチャンネルでアップされました。

開口一番、「なんで吉本を辞めたんですか?」とツッコまれています(笑)。

べつに隠すことは一つも無いので、正直にお話しして、後半は更に踏み込んだ話になっておりますので、是非、ご覧ください。

そして、もう一点。

これはコツコツ告知を続けていこうかなあと思っている案件なのですが、僕の絵本最新作『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』の発売が5月に決定しました。

スクリーンショット 2021-03-07 20.41.07

こちらは『映画 えんとつ町のプペル』から3年後の「えんとつ町」が舞台となっております。

映画をご覧になられた方はご存知だと思いますが、映画のラストシーンで「えんとつ町」は次の時代に向かう決断をしたのですが、それによって、職を失ってしまう人達も出てきて、そこで職を失っちゃったのが今回の主人公の「マルコ」です。

マルコが新しい仕事に就いて、そこでの出会いがまた新しいトラブルに発展してしまうのですが、この話の続きは絵本でお楽しみください。

書店さんやAmazonさん等での予約はまだ始まっておりませんが、「キンコン西野のサイン本屋さん」というオンラインショップで「サイン本」のご予約はスタートしておりますので、興味がある方は是非そちらをチェックしてみてください。
宜しくお願いします。


そんなこんなで、今日の本題です。

今日は「ためになる話」とか、そういうのじゃなくて、個人的に、皆さんに知っていただきたい話をしたいと思います。

……昨日、少し用事があって沖縄の宮古島に行ってまいりました。
#実は今日もいます

以前、少しお話させていただきましたが、沖縄・宮古島には島に一つだけ映画館があるんです。

「よしもと南の島パニパニシネマ」という座席数100席チョットの映画館です。

今はソーシャルディスタンスを保つ為に、稼働している座席数はその半分です。

実は、この映画館を知るキッカケをくれたのが宮古島在住のウチのサロンメンバーさんなんですけども……『映画 えんとつ町のプペル』の公開前から、ず〜っと「宮古島でもプペルを上映したい」と声をあげ続けてくださっていて、吉本興業や、東宝さんに何度も何度もかけあってくださっていたんですね。

それで、気になって、宮古島の映画館のことを調べたら、島には映画館が一つしかないことを知りました。

ここは元々は「国営館」という名前の映画館だったのですが、今から18〜19年前に閉館しちゃったんです。

それで宮古島から映画館は一旦無くなっちゃったのですが、それから3年後。。下地さんという男性が、この場を使って、映画館をあらためて立ち上げて、島に映画が復活したんです。

映画館を続けていくのってそんなに簡単じゃないのですが、下地さんは「映画の灯を消すまい」とず〜っと頑張って来られて、そんな中、コロナがやってきて、休館を余儀無くされわけですが、そのコロナの影響で休館中に館長の下地さんが亡くなられたんです。

それで、宮古島から映画の灯が消えかかったのですが、下地さんの奥さんが「いやいや、もう一回頑張ろう」と声を上げられて、『よしもと南の島 パニパニシネマ』が再開しました。

『映画 えんとつ町のプペル』の公開は、そのタイミングだったんです。

映画館や、コロナで暗く沈んでしまった島を盛り上がる為に、『えんとつ町のプペル』を選んでくださったわけですから、そんな話を聞いて、「へ〜、そうなんだ」で終われるわけないじゃないですか。

すぐに、「えんとつ町のプペル『こどもギフト』」という、毎月絵本の支援をしているグループにこのことを投げて、宮古島の子供達に映画をプレゼントさせていただくことになりました。

それを受けて、宮古島の実行委員の方も、館長である奥さんも、すっごい頑張ってくださって、これは直接キチンと御礼をお伝えしなきゃいけないなぁと思って、昨日、「よしもと南の島 パニパニシネマ」に行って来ました。

スクリーンショット 2021-03-07 20.43.54

仕事の様子を伺っていると、もう、いちいち手作りなんです。

開演前に奥さんがスクリーンの前に立たれて、この映画館がたくさんの方の支援のおかげで成り立っていることをお客さんに説明するんですね。

僕が来たから特別にしているわけじゃなくて、この挨拶は、お客さんが多い時も少ない時も、毎回されているそうです。
聞けば、先代がずっとやっていたのだそう。
先代というのは「旦那さん」のことです。

一回の上映が終わる度に、家族で、客席を拭いてまわって、除菌して、次の上映に備えます。
旦那さんが残した映画館を、家族で守っているんです。
旦那さんが抱いていた「島の子供達に映画を」という想いを、家族で守っているんです。

なんか僕、泣けてくちゃって…まるで映画みたいじゃないですか。

すっごい当たり前の話なんですが、どれだけ立派な映画を作っても、映画は映画館がないと届けられないんですね。

宮古島に『映画 えんとつ町のプペル』を届けることができたのは、下地さんのご家族や、島の皆様が、ギリギリのところでこの映画館を守り続けてきてくれたからで、今回、その様子を間近で見させていただいて、直接お話しさせていただいて、また、いてもたってもいられなくなって、引き続き応援させていただくことを誓いました。

今日の記事は、一応、僕なりの応援の一つで、沖縄・宮古島にこういう映画館があることを知っていただきたくて、この話をさせていただいております。

この話は島にいる皆さんが知っているわけじゃありません。
宮古島にご家族、お友達、お知り合いがいらっしゃる方は、是非、このことを伝えていただけると嬉しいです。

そして、「よしもと南の島 パニパニシネマ」に限らず、今、全国の映画館は、決められたルールを守って、その中で頑張っています。

『映画 えんとつ町のプペル』に限らず、今、面白い作品がたくさん上映されているので、映画館に足を運んでいただけると嬉しいです。

『映画 えんとつ町のプペル』の上映もまもなく終わります。
もしかすると、上映を続けてくださる映画館もあるかもしれません。
あったら、教えてください。僕、その映画館の宣伝を頑張るので(笑)

映画公開から2ヶ月が過ぎて、たくさんの人と、たくさんのピンチを共有してきました。

決してラクな道ではありませでしたし、こらからまだまだデコボコ道が続くとは思いますが、しかしまぁ、ピンチを共有して、「どうやって乗り越えていこうか?」と手を繋ぐのも悪くないなぁと思いました。

長く続いた「個人で生きられる時代」がコロナによって強制的に終わらされて、手を取り合わないと生きていけない時代になったわけですが、これはこれで人間らしくていいなぁ、と。

自分ができることを探して、困っている人に還元していきたいと思います。



▼西野亮廣の最新のエンタメビジネスに関する記事(1記事=2000~3000文字)が毎朝読めるのはオンラインサロン(ほぼメルマガ)はコチラ↓

▼Instagram版はコチラ↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?