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コンプレックスに頼る人は負けるbyキンコン西野

このnoteは2020年3月26日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供: 谷角 大悟 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
「コンプレックスに頼る人は負ける」
というテーマでお話したいと思います。

「50年戦争」という前提で、人生を設計しろ

連日、新型コロナウイルスのニュースが続いておりますが、僕のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』でも、コロナの影響を受けたサロンメンバーさんのフォローを進めています。

今、特に被害の大きいヨーロッパ組とニューヨーク組の経済的な支援に当たらせてもらっています。

お客さんが世界から消えたわけじゃなくて、外出できないからお店に行けないっていうことで、

要するに、この時間帯を耐え忍ぶことさえできれば、また活動再開できるわけで。

今は耐え忍ぶことが大切だなぁと思います。

そして、耐え忍ぶには体力が必要であると。

そこで、サロンメンバーの飲食店などはクラウドファンディングを立ち上げて、

そのリターンで、コロナが過ぎ去った時に、お店でご馳走します券を出して、お客さんがいつか支払う飲食代をこのタイミングで前払いできるようにして、当面の資金確保をするようにしています。

これは、うちの新入社員が旗振ってやっているのですが、昨日もドイツで飲食店を経営されているサロンメンバーさんをバックアップするクラウドファンディングを立ち上げて、1日で50万円近くが集まりました。

そもそも、店の飲食代であるし、その付属するリターンの売り上げを含めて、もちろん全額を寄付させていただこうと思っています。

で、今日のサロンの記事では、甚大な被害を受けたニューヨークのサロンメンバーのお花屋さんの助け方をご紹介して、その直後、実際にやってみせたいと思います。

うちはエンタメを届ける会社なので、そのためにはまず、お客さんの生活を守ることが重要なんですね。

僕のサロンの会員数は4万2000人(2020年6月現在6万人超)なんですけれども、まあ4万2000人くらいだったら、全員守ることができそうなので。

これはもう片っ端から守ろうということを決めました。

少しでも早く、皆様が日常を取り戻す生ますよう、心から祈り、引き続き行動していきたいと思っております。

近況報告はこれくらいにして、冒頭の話とは内容が変わってくるんですけれども、

「コンプレックスに頼る人は負ける」というテーマでお話ししたいと思います。

何かおっきいアクションを起こす時の動機に、コンプレックスを持ってきている人って少なくないと思うんですね。

コンプレックスをバネに頑張るとかいうアレです。

もはやコンプレックスがなきゃダメみたいな感じすらありますよね。

「コンプレックスがない奴は薄っぺらい」みたいな、そういうきらいがありますよね。

これすげーわかるんですよ。

「貧乏をバネに」とか「自分をいじめてきた人を見返したい」とか、そういうのって立ち上がる時のスタートするときのエネルギーとして圧倒的に強いし、同じような目に遭っている人たちからの賛同も得やすいので、ファンを作りやすいと。

で、そのコンプレックスをエネルギーにして頑張ることは、何も間違っていないと思うんですけれども、ただその時絶対に、押さえておかなくちゃいけないことがあります。

それは、コンプレックスは解消される危険性を秘めているということですね。

コンプレックスをバネに頑張るっていうのは、ある種の矛盾を孕んでいて。

例えば、モテないということをバネに、モテるやつを見返してやろうと頑張っているうちに、賛同者も増えて結果が出始めたら、当然モテ始めるんですね。

問題が解決するということです。

エネルギー量がその時下がってしまうのと、「お前モテてんじゃん」っていう多くの賛同者からのツッコミが生まれちゃうんですね。

これ非常に皮肉な展開なんですけれども、童貞パンクバンドは人気を得てしまうと、童貞たちの代弁者にはなれなくなるし、尾崎豊は自分が大人になると、歌うことがなくなってしまうんですね。

くれぐれもこれは傾向の話であって、ここに童貞パンクバンドや尾崎豊さんの活動を否定する意図はありません。

で、コンプレックスというエネルギーや、同じコンプレックスを抱く者たちの代弁者となることによって生まれるエネルギーっていうのは、いつか枯れるという前提で活動された方がいいと思います。

僕自身、「かくかくしかじかこういうコンプレックスがあってそれをバネに頑張ってるんです」っていう表現者の方とお仕事をご一緒させて頂く機会がありますが、

まあね、普通の人だなっていう感想です。

言葉は悪いですが、その辺によくいる人です。

もちろん応援をさせていただくんですけど、「よく見かけるパターンの人だなぁ」と思って見ています。

そんな中、時々「この人やばいなあ」っていうゾクゾクする人が現れるんですけれども、そういう人達にはコンプレックスなんてないんですよ

ビジュアルが完璧とかそういう話じゃないですよ。

貧乏していたかもしれないし、チビでブスでハゲかもしれないんですけども、そんなことには興味がないんです。

ただ淡々と、息をするように、四六時中頑張るんです。

彼らは、仮説と検証を激しく好んでいて、仮説を立てて行動し、「あー違った」とか、「やっぱりそうだ」っていう答え合わせの都度、脳内アドレナリンが分泌されていて、もうまるでジャンキーのように延々それをやり続けるんです。

どれだけ成功しても終わりがないんですね。
彼らの問題は一生解消されないんです。

ここには、最初からコンプレックスをバネに頑張っていなかった人と、最初はコンプレックスがあったけれども途中から変異した人の2種類がありますね。

僕はどちらかというと前者です。

「面白いことが好き」っていうだけの理由で、小学校2年生から今に至るので。

だから、途中で変異した方の気持ちっていうのはちょっとわからないんですけど、おそらく僕の見立てでは、武井壮さんとか、ショールームの前田さんとかがそうですね。

きっと彼らはコンプレックスの短命さをどこかで見抜いたか、もしくは仮説検証の麻薬に体が侵されたか。

いずれにしても、強いですねこういう人。
エネルギーが切れないんです。

「モチベーションは何ですか」っていう質問がよくあるんですけれど、そのよくある質問に対して、彼らはそれなりの回答を出すと思いますが、それはあくまでも、ひねり出した答えであって、親身になって答えられてはいないと思います。

彼らにはモチベーションなんて存在しないんで。

カエルに「ジャンプを繰り返すモチベーションなんですか」って質問してるようなものですね。

「カエルだから」としか答えられないみたいな。

モチベーションがなきゃジャンプできない人が、カエルに勝てるわけがなくて。

結論、コンプレックスをモチベーションにして動いているうちは話にならねえっていう話です。

もし、今君がコンプレックスをバネに頑張っているのならば、それはそれで素晴らしいことではあるんだけれども、そのエネルギーは必ず枯れるっていうことは把握して人生設計した方が良いと思います。

ひとつ確かなことは、僕たちは50年戦争に挑んでるっていうことですね。

枯れるエネルギーをもとにしちゃダメなんですよ。

20代でしか使えないエネルギーで乗り物を設計しちゃったダメだっていう話です。

50年60年70年活動し続けないといけないんで。

コンプレックスをバネにってのは、そのコンプレックスを成功させると必ずエネルギーが弱まってしまうから。

それをもとに、人生を設計するのはちょっと危ないどころか、だいぶ危ないと思うので、早々に切り替えたほうがいいと思います。

というわけで、
「コンプレックスに頼る人は負ける」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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