見出し画像

夢を叶える為に最も必要な「逆算力」byキングコング西野

このnoteは2019年12月14日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:森本 直人さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

さて、今日のテーマはですね、
夢を叶えるために最も必要な「逆算力」
というテーマでお話ししたいと思います。

voicyのコメント欄に届いたご相談に、本気で答えていきたいと思います。

生活コストを見直せ

たつふみさんからのご相談です。どうもありがとうございます。

西野さん、いつもありがとうございます。
お時間いただけるようなら相談に乗っていただきたいです。

舞台女優を目指して、演劇専攻の短大に通っている僕の娘(20歳)。
この春卒業します。

卒業後の具体的な進路は決まっておらず、舞台出演のためにオーディションを受けている状況です。若手芸人さんのように舞台出演の機会を求めながらアルバイトで生計を立てていくしかないのでしょうか?

娘に何かアドバイスをしたいのですが全く演劇業界のことが分からず悩んでいます。もし西野さんからアドバイス頂けると嬉しいです。

というご相談です。


僕がですね、もともと劇場生まれで。
大阪の地下の『BASEよしもと』っていう今はもうない劇場生まれ、劇場育ちの人間ですので、スタートが娘さんの状況に近いと思いますね。

なので、けっこう得意な質問かもしれないです。
早速、答えさせていただきます。

この場合、解かなきゃいけない問題は大きくふたつあってですね。
そのふたつを同時進行で解いていかなくちゃいけないと思ってます。

ひとつ目はですね、オーディションを受けている状況とありましたが、娘さんが舞台出演を果たすにはどうすればいいかという問題ですね。

まずはオーディションの面接官とか、役者さんをキャスティングする側の目線で考えた方がいい。

これに関しては、すでに多くのファンを抱えていて、集客に困っていない劇団と、ゼロからお客さんを集めなきゃいけない集客に困っている劇団。ふたパターンがあります。

集客に困っていない人気劇団が無名の新人を大抜擢するという話はかなりレアケースだと思うので、今日ここでは、集客に困っている劇団にキャスティングされる方法を考えて、娘さんにかけるアドバイスの言葉を割り出したいと思います。

まずはその劇団からステップアップしていくっていう感じですかね。

たとえばですね、たつふみさんが集客に困っている劇団のキャスティング担当だったとしたら、どういう人選びますか?

集客力がある人。もしくは、集客力がありそうな人を選ぶと思うんですね。

娘さんの場合は、まだ実戦経験も少ないと思うので、キャスティング担当者は集客力があるか否かの判断ができない。いまの段階では。
いまの段階でできる判断は、集客力がありそうか否か、ですね。

ここで、集客力がありそうと思わせなきゃいけないと。

そうなってくると、参考になる数字がSNSのフォロワー数しかないんですよ。

ぶっちゃけ、フォロワー数と集客力が必ずしも比例関係にないことはみんな分かってるんです。だけど、キャスティングの後押し材料がそれぐらいしかないんですね。

最近はとにかく作品でお客さん呼ぶっていう風にしているからあんまりないんだけど、昔はやっぱりキャスティング会議のときに「SNSのフォロワー何人なの?」みたいな議論は普通に起きていたので、やっぱりSNSのフォロワー数は、多少、キャスティングの後押しにはなっているんです。

以上のことを伝えた上で、プラスα、娘さんにかける言葉は、SNSのフォロワー数を増やしておくといいかもねっていうことだと思います。

これは甘く見ないほうがいいと思います。絶対ではないと思っているんだけど、Twitterのフォロワーが別に300万人いてもコメント全然ないし、リツイートぜんぜんされないファッションでフォローされてるような人もいるじゃないですか。

なので、 SNSのフォロワーって本質的には広さより深さの方が大事なんです。だけど、キャスティング会議の場では深さはあまり議論されずに、広さ、つまりフォロワー数みたいなところが取り沙汰されるので甘く見ない方がいいと思います。

SNSのフォロワー数を今のうちから増やしておけば、一歩前に進むための方法になると思います。


で、ふたつの目の問題にいきたいと思います。

アルバイトで生計を立てていくしかないのでしょうか?という、役者業が軌道に乗るまで別の仕事で食いつないで行かなくちゃいけない問題ですね。

これに関しては、舞台出演が決まったとしても、よっぽどのところまで行かないと舞台だけで食っていける世界ではないので。初期は何かしら別の収入源が必要だと思います。

ただ踏まえておかなくちゃいけないのが、役者業だけで生きている売れっ子さんは、娘さんがアルバイトしてる間もずっと役者業をやっているので、どんどん実力差が開いてしまうのが現実ですね。

最近はなくなりましたが、僕が絵本を書き始めた頃、イラストレーターを名乗る方から「芸人のくせに絵本書きやがって!」的な批判をたくさん頂戴したんです。

たぶん、アルバイトで生計を立てているイラストレーターさんよりも僕の方が筆を握っている時間が長かったと思いますね。他の仕事もやりつつですが、それでも僕は1日に12、3時間ぐらいは筆を握っていたので。

その裏で引っ越しのアルバイトをしているイラストレーターさんがいたりする。

僕はズブの素人として始めたんですけども、その間に画力を追い抜いたイラストレーターさんはたくさんいたと思います。

アルバイトというか、生活費を捻出するためにかける時間っていうのは、現実問題というデメリットがあると。

まず整理すべきは、どうしたらアルバイトの時間を短くできるか?ってところですね。

ひとつは、親が仕送りするという方法がありますね。
この場合、リスクとしては娘さんが仕送り慣れしてしまうことですね。
仕送りにあわせて生活レベルを上げてしまう可能性がある。

なので、もし仕送りされるのであれば、まずは自分ひとりで稼いで食っていくことの大変さを味あわせてから、その後に仕送りを開始したほうがいいと思います。

いずれにせよシンプルに生活レベル上げちゃダメですね。

くれぐれも役者業が軌道に乗るまでにかかるお金を作るためにアルバイトするわけで、無駄に引き上げた家賃を払うためにアルバイトするわけじゃないと。ここを徹底しなきゃいけないですね。

ちなみに僕は、いまでも生活レベルって19、20歳の頃から変わってないはずなんですよ。1か月、6万か7万円ぐらいあったら生活できるんで。

正直、40手前ですから生活に困るってことはないんですけれど、生活費がなくなっても問題ないっていうぐらいの生活レベルにしているから、けっこう大勝負が出来る。美術館つくるのに何億円もバーンって張ったりできるっていう事ですね。

だから、生活レベルは意識した方がいいかもしれないですね。

で、一人暮らしされるのであれば、駅から離れた場所で部屋を借りるのがいいと思います。家賃は下がりますし、毎日駅まで歩かなきゃいけないので強制的に痩せると。

女優さんであれば、太った分だけ仕事が減るって考えた方がいいと思います。これシビアですが、現実ですね。

見た目で人を選ぶなんて!って思われるかもしれませんが、役者さんの場合は見た目も実力のうちなんで。太らない努力をしなきゃいけないし、太らずに済む環境を作ってあげることがいいかなと思います。

特にストレスで食べてしまうっていうことは往々にしてあるので、物理的に歩かなきゃいけないようにする、と。

毎朝、駅まで歩いている中で「自分はいつまで歩かなくちゃいけないんだ?」と自問自答する時間があるだろうけど、これはプラスに働くと思うので。

駅から遠くに住むっていうのはバカみたいな作戦ですが、けっこう有効的だと思います。そんなとこですかね。

というわけで、
夢を叶えるために最も必要な「逆算力」
というテーマでお話しさせていただきました。

応援してます。頑張ってください。

それでは、みなさま素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
興味がある方はコチラ↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?