アイデアの生み出し方 byキンコン西野
このnoteは2020年9月9日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:愛媛の草食系で装飾系の僧職系男子 しゅうはん さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「アイデアの生み出し方」
というテーマでお話しします。
今日は、アイデアの生み方についてお話ししたいと思います。
僕はよく「アイデアマン」のように紹介されることがあります。
「皆が諦めていた無理難題を、斬新なアイデアでもって突破していく人」というイメージを持たれているようです。
自分で言うのもアレですが、たしかにこれまでの自分の活動を振り返ると、そういった場面が何度かあったかもしれません。
昨日のオンラインサロンの記事で書かせていただいたのですが、僕の中で(というか絵本業界の中で!)「天動説」から「地動説」にひっくり返るぐらいの大きな大きな発見が最近ありまして(※サロン内のコメントも1000件超え!)、さっそく準備に入ったのですが、これがハマれば大変なことになるのは間違いなくて、「アイデア」と呼ぶに相応しいものだと思います。
まぁ、近々、発表します。
そのアイデアの生まれ方が、すっごく分かりやすくてですね…いきなりパッと降ってきたものじゃなくて、結論を言っちゃうと「合わせ技」なんです。
(※サロンメンバーさんは生まれる瞬間に立ち会っていました)
僕は実験が好きなので、「これをやるとどうなるのかな?」という実験を毎日やっているのですが、今回のアイデアは、3つ4つの実験結果を整理して、ガッチャンコしたものであって、一つたしかなことは、「実験を繰り返していないと生まれてこなかった」ということです。
たとえば、僕のオンラインサロンって「現在進行形のメイキング」なんですね。
同じく月額課金制のNetflixとかamazonプライムとかって、お金を払って完成品を見るじゃないですか?
実は僕も一時期は「オンラインサロンでしか見れない作品」を出していこうと思っていたのですが、「いやいや、ちょっと違うぞ」となり、今は、完成品を世の中にほぼ無料で提供して、完成するまでの過程を有料で見せています。
この元となっているのは、数年前におこなった、絵本「えんとつ町のプペル」の無料公開という実験です。
あの実験によって、いろんなデータが取れたのですが、そのうちの一つに、「『サブコンテンツ=無料、メインコンテンツ=有料』よりも、『メインコンテンツ=無料、サブコンテンツ=有料』の方が収益が大きくなる」というのがありました。
作品が認知されたことによって、様々なイベントが生まれ、VRとかミュージカルとか映画とか美術館とか、いろんな展開を見せた。
くわえて、「えんとつ町のプペルの無料公開」を解説した「革命のファンファーレ」というビジネス書(サブコンテンツ)が20万部売れて、それに伴い、全国各地で講演会が開催されました。
メインコンテンツを有料にしていたら、これらのアクションは生まれなかったんです。
そのあたりから、「そっか〜、メインコンテンツは無料の方がいいのかな」というのが、頭の中にボンヤリと残っていて、それがオンラインサロンという文化とガッチャンコした時に、「メイキングを販売しよう」となったわけです。
分かりやすいのが、去年、エッフェル塔でやった個展です。
あれは入場無料だったのですが、制作費は3000万円。そのお金というのは、オンラインサロンという「メイキングの販売」で捻出したんです。
今、美術館を作ろうとしていて、これが20億円か30億円かかるらしいのですが、チケット代は500円ぐらいにしようと思っています。
500円って、100万人動員しても大赤字で、しかも僕は美術館の満足度を優先したいので、人数制限をかけます。
そうなってくると、「20億円や30億円をどうやって回収するんだよ」という話になってくると思うのですが、美術館を作るまでの過程を販売して、メイキングで回収しようとしています。
チケット代はむしろ「無料」でもいいです。
これも「えんとつ町のプペルの無料公開の実験結果」×「美術館」という組み合わせですね。
振り返ってみると、これまでに生まれてきたアイデアは、全て「実験結果の合わせ技」で、突然、発生したものではないんです。
ポイントは「何と何の合わせ技であるか?」という素材の部分で、多くの場合それは「実験結果」なんですね。
つまり、「昨日まで答えを知らなかったこと」が素材となっています。
ここが非常に大事で「皆が答えを知っていること」と「皆が答えを知っていること」を組み合わせたところで、そんなものはもう世の中に溢れ返っているんですね。
多くの人はアイデアというものと向き合う時に、「組み合わせ」に目を向けてしまうのですが、同じ素材を使ったら、同じような料理が出来上がってしまいます。
なので、誰も見たことが無いアイデアを生み出そうと思ったら、本当に目を向けなきゃいけないのは「素材」だと思います。
よく「いいアイデアが思いつかない」みたいな声を聞きますが、そりゃそうです。
貴方が持っている素材は、皆が持っているんだもん。違いを生み出せるわけがない。
「実験(分からないこと)をする」というのがアイデアを生み出す時のドレスコードで、「答えが見えていること」ばかりをやる生活は、アイデアからは遠退いてしまいます。
もし何か面白いことをしたいのであれば、結果がどちらに転んでもいいので、「積極的に分からないことをやる」という生活してみることをオススメします。
というわけで、
「アイデアの生み出し方」
というテーマでお話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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