挑戦する人と応援する人に伝えたいコト by キンコン西野
このnoteは2020年6月23日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:まーちゃんが大好きな上野てんきちさん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「挑戦する人と応援する人に伝えたいコト」
というテーマでお話しします。
「やってみなくちゃ分からない」という言葉ってあるじゃないですか?
僕もよく使います。
実際に、世の中には「やってみなくちゃ分からない」ことって、たくさんあると思います。
たとえば、
カジサックしかり、ピースの又吉君しかり、オリラジの中田君しかり、渡辺直美ちゃんしかり…今となっては、そういった生き方もできることが証明されましたが、今から10年以上前は、「お笑い芸人が『ひな壇』に出ない(ひな壇以外で活動していく)」なんて、ありえなくて、その生き方に舵を切った瞬間に、同業者や、日本中から、ずいぶん随分批判されました(笑)
色んな批判がありましたが、一言にまとめると「絶対に無理だ」です。
ただ落ち着いて考えてみると、そこには「絶対に無理である根拠」がないんですね。
前例が無いだけの話で、物理的な問題があるわけでもない。
ただただイメージで批判してしまっている。
こういうのは「やってみなくちゃ分からない案件」だと思います。
実際、やってみたところ、全然いけました。
結果として、日本中が間違っていたわけです。
こういう「やってみなくちゃ分からない」と言って、飛び込んでいく姿って、見栄えがするし、物語性があるし、なんかカッコイイじゃないですか?
でも、その一方で、「やらなくても分かるコト」って確実にあると思うんですね。
たとえば、「2020年にテレフォンカードを普及させる!」という挑戦は、やってみなくても結果が分かります。
「絶対に無理」です。
だって、それをやるには、その前に電話ボックスを再び普及させなきゃいけないし、電話ボックスを再び普及させる為には、人類全員がスマホを無くして、かつ、世界中のスマホ工場を爆破しなきゃいけない。
それでも人類は、またスマホを作ろうとするから、こうなってきたらスマホの使用を法で取り締まるしかない。
そもそも誰一人として求めていないこれらのアクションを2020年中におこなうことは物理的に不可能で、これは「やらなくても分かるコト」です。
このとき、「やらなくても分かるコト」に挑む人と、そこに巻き込まれる人がいるわけじゃないですか?
ぶっちゃけ、一人で飛び込んでいって、一人で爆死する分には「お好きにどうぞ」という話ですが、巻き込まれる人の中には、たとえば守らなきゃいけない家族がいたりする。
失敗した時に、泣くのは、その家族だったりする。
要するに、「突っ込んでいくのはイイけれど、その責任をとれるのか?」という話で、そういった確実に実現不可能な挑戦を「挑戦」と呼んじゃダメだし、責任のとれない挑戦を「挑戦」と呼んじゃダメです。
挑戦する人や、仲間の挑戦を近くでみている人は、ここの線引きをしておかなくちゃいけない。
「挑戦」という言葉の定義を明確にしておかなくちゃいけない。
挑戦の止め方
僕、週に2〜3件ほど、オンラインサロンメンバーの会社のコンサルをしているのですが、一番胸が痛むのは、「引き止める時」なんです。
「より良い、やり方」を一緒に考える時というのはクライアントさんも分かりやすく喜んでくれるのですが、「より良い、やり方」を考えてくれると思って西野に依頼したのに、「やめとけ」と言われるのって、あまり気持ちが良いもんじゃないですよね。
そんなことは痛いほど分かるから、引きとめるのは、本当に胸が痛むのですが、ただ「第3者だから言える」ということもある。
挑戦者の近くにいる人間であればあるほど、その人が、その挑戦にかけた時間や想いを知っているから余計に止めにくい。
「やってみなくちゃ分からない」という勇者モードに入っている人って、止めにくいんですね。
挑戦する人は「自分が止めにくい人間になっている」ということを自覚しなきゃいけないし、そして、止める人間には知識がなきゃいけない。
「前例がないからダメ」は、勇者モードを加速させるだけなので。
「こうで、こうで、こうだから実現不可能」という数式の不成立を見せなきゃいけない。
まとめます。
まずは「挑戦」を明確に定義すること。
・100%実現不可能な挑戦は、挑戦とは呼ばない。
・責任のとれない挑戦は、挑戦とは呼ばない。
そして、挑戦者は「自分が止めにくい人間になっている」ということを自覚すること。
仲間は、「前例がないからダメ」以外の理由で、止めてあげること。
これらを踏まえて挑戦してください。
応援しています。
というわけで、
「挑戦する人と応援する人に伝えたいコト」
というテーマでお話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
興味がある方はコチラ↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?