結果は「平等」に、チャンスは「公正」に by キンコン西野
このnoteは2019年11月16日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:まえざとよしと さん
おはようございます。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
大学生って面白い
さて、近況を言うとですね、
昨日のブログでも書かせていただいたんですが、
学校教育とかでお金のこととか広告のことを教えないっていうか、カリキュラムにそういったものを学ぶ時間が組み込まれていないっていうのは、けっこう問題だと思っていて、
社会に出たらお金を扱うことになるし、広告だと、どうやって自分の商品、サービスを広めて売っていくんだっていう作業は全員がやることなので。
やっぱり社会出る前に最低限、道徳として、お金のこと、広告のことはいれておかないと、判断を間違っちゃうことが、多々見受けられるので、なるべく自分ができることがあればやろう、と思っていて。
いまはアトリエにこもって作業することが多いんですが、作業の合間に、大学生を15人お招きして、1時間くらい「お金ってこうだよ、広告ってこうなってるよ」みたいな、
授業と言ったら恐れ多いですが、自分が経験して学んだことをお伝えする時間を、ここ最近設けてるんですね。
それで改めて思うのは、みんな素直だし、勉強家だし、挑戦したいと思っているし、ああいう彼らをみると応援したくなるし、やっぱり大人の変なプライドで彼らの挑戦を潰したくないし、潰されてほしくないなぁ、って。
今日は、そんなことに関するお話をしたいと思います。
というわけで、今朝はですね、
「結果は『平等』に、チャンスは「公正」に』
というお話をしたいと思います。
3万2000人が見守るオーディション
僕が作りたい世界ってなんなんだっていうところになってくるんですけど、
それは昔から一貫して、
挑戦する人が応援される世界
なんです。
僕がつくる絵本も、ビジネス書も、大体、挑戦する人を応援する内容になっているんですね。
どうすれば戦えるか?
どういうストーリーをもっていたら戦場で生き残れるんだ?
っていうようなことをビジネス書で書いていて、
絵本で書いているのは、言うてしまえば、
がんばれ
ですね。
そのメッセージをとにかく書いていると。
やっぱり改めて思うのは、
チャンスっていうのは「公正」にあるべきで、結果っていうのは「平等」であるべきなんです。
ここで「平等」と「公正」についてお話したいと思います。
野球場の客席で説明されている「平等」と「公正」のちがいについてのイラストがあるんですけど、けっこう有名なやつですね。
あれ、客席の柵がけっこう高くてですね、
これに対して、同じ高さの台が用意されているのは「平等」。
つまり、背の高い人であろうが、背が低い人であろうが、30センチくらいの台を用意されているっていう状態。
場合によっちゃ、めちゃくちゃ背が低い人からすると、30センチくらいの台では、柵の向こう側が見えなかったりするのだが、同じ高さの台が用意されているってことが「平等」です。
反対に、身長が低い人には高い台を、身長が高い人には低い台を用意するっていうものが「公正」。
つまり、「平等」っていうのは全員に対して同じ境遇で、「公正」っていうのは、それぞれの境遇に対して待遇を変えるっていうものですね。
おわかりいただけましたかね?
「平等」っていうのは、同じ条件。
「公正」っていうのは、場合によっちゃ、こっちは贔屓して、こっちは贔屓しないっていうのがある、と。
そこで、僕が思うのは、
チャンスは「公正」であるべきだ
ということ。
例えばフォロワーがひとりの人だろうが、フォロワーが100万人の人であろうが、チャンスは「公正」であるべきだと思ってるんですね。
そんなことを前々から思っていて、そこまで深く考えていなかったんですが、昨日ですね、ちょっとおもしろいことがあって、
来年の年明けにですね、けっこう大きめの舞台をするんですよ。
僕が脚本をしてね。
で、脚本を書いたら、演出家さんから「この部分、音楽でいきたいです」と。
つまり、「歌で乗り切りたいです」みたいな提案があったんですね。
「じゃあ、ここ歌にしますね」って手直しするんですよ。
で、歌の歌詞バーって書いて、こんな感じですかね?曲もこんな感じですかね?みたいに書いて、これまでは、それを僕が書いて、僕が弾いて、全スタッフに届けていたんです。が、
詳しくはサロンのほうに書いてるから、あんまり詳しくは話せないんですが、かくかくしかじかありましてですね。
今後、僕が歌い手として生きていこうとも思っていないのに、僕の歌声が各スタッフさんに売れても仕方がないと。
ちなみに、各スタッフさんってさらっと言ってますが、日本のトップクリエイターとか、そういう人たちなんですよ。
この人たちに、まだ無名の新人で才能がある人の歌声、そういう人がトップクリエイターの人たちとか、才能あるアーティストを起用する人たちに見つかったらいいなと思って。
だから、僕が歌った仮歌をサロン内に投稿して「これ、歌い直してください」とメンバーに投げたんですよ。
「いいのがあれば、その動画を僕が作っている舞台の全スタッフさんにお届けします」と、やったんですよ。
要は、サロンメンバーの中からスターが生まれたらいいなと思ったし、彼らにチャンスを与えたいな、と思ったんですね。
なかなかトップクリエイターって呼ばれるような方とかに、自身の作品を見せる機会ってないじゃないですか。
その橋渡しを僕はできるなって思ったので、だから、サロンに投げたんですよ。僕の仮歌を。
そしたらコメント欄が、いろんな方の歌で埋まったんですね。
で、それに対して、3万2000人のサロンメンバーが、「いいねいいね!」とか「これいいっすね!」って反応してて、コメント欄がエンタメとしてすごく機能していたんですよ。
チャンスが公正にあったっていうことですね。
コメント欄をみる3万2000人のサロンメンバーは、コメント欄に投げられた歌ってる動画に対して、いいねとかするわけですけど、じゃあ、その歌い手さんがふだんどんな結果をだしていて、フォロワー何人で、芸歴何年で、みたいなことをふまえて評価しているわけではない。
純粋に「いいね」と思ったら「いいね」だし、過去の功績なんかまったく関係なく判断していて、ここがやっぱりチャンスが公正にあって、結果が平等にあるから、すごいいい世界だなぁってことを思いました。
そこでいちばんよかった、ほんとにステキで気になるなぁってものがいくつかあったんで、ひとつとは限らずですね、いくつかスタッフさんに投げるんですけど、
これは、結果が平等にあるっていう状況ですね。
全員の動画をスタッフさんに投げるわけではなくて、その中からよかった動画をスタッフさんに投げて「この人いいっすよ」みたいなプレゼンをするわけです。
この流れはけっこう健全だなぁと思いました。
今回は音楽っていう形でやらせていただきましたが、これはいろんなところでできる。
3万2000人が見ているところに、自分の才能だとか玉を投げれる環境っていうのはけっこうおもしろいなぁってことを、きのう改めて思いました。
今後もこれは続けていきたいと思うし、こういう世界を広げていきたいですね。
というわけで、『結果は「平等」に、チャンスは「公正」に』というお話でした。
それでは、ステキな1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
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