インスタで絵本を無料公開した結果…byキンコン西野
このnoteは2020年7月28日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:月結びおにぎりこと ながのゆうだいさん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「インスタで絵本を無料公開した結果…」
というテーマでお話しします。
僕は、「知らないことを知りたい」という欲が止まらない実験体質でして、日々、あれやこれやと実験を繰り返しています。
「知らないことを知る」ということが目的なので、当然、「なるほど、こうやったら上手くいかないんだ」といったことが知れるのも僕の中では目的を達成しています。
この辺は、今年6月に飛ばしたホリエモンロケットの時にも感じましたが、世間一般の方との捉え方が若干ズレているかもしれません。
飛ばしたロケットが宇宙空間に到達しなかった時に「失敗」という声が並びましたが、ロケットを打ち上げたことによって「宇宙空間に到達できない方法」が一つ知れたので、失敗とは思っていない。
これは「強がり」でも何でもなくて、本当にその感覚なんです。
逆に言うと、この実験体質を持っていないと、確実にヒットが打てることが確認できた球にしか手を出せない身体になるので、長期的に見たら「失敗」です。
確実にヒットが打てることが確認できた球には、皆が手を出すので、いわゆる「レッドオーシャン」になります。
なので、人生の限られた時間を使って、わざわざ打てることが分かりきっている球に手を出し続ける人を見ると、「なんで、わざわざそんなことをするの?」と思っちゃう(笑)
そんなこんなで、新たな実験として、インスタグラムに絵本を全ページ無料公開してみました。
https://www.instagram.com/japanesehandsome/?hl=ja
実験は「仮説」と「結果」でワンセットだと思うので、今日は駆け足で、あらためて「仮説」をお伝えして、「結果」をご報告したいと思います。
これは、これまでも方々で言ってきたことですが、大前提として、絵本というものは「ランドセルビジネス」であるということ。
ここから始まっています。
「ランドセルビジネス」というのは、僕が僕のオンラインサロン内で多様している造語で、要するに「利用者と購入者が別のビジネスモデル」のことを指します。
絵本の場合、「利用者」は子供で、「購入者」はお母さんだったりします。
なので、そもそも、お母さんの事情に寄り添わないことには、子供に届けることができません。
という訳で、お母さんの事情を調べてみると……基本的には「自由に使える時間とお金に余裕がない」なんです。
そりゃそうですよね。
毎日毎日、朝からやらなきゃいけないことが山積みで、家族を守っていく為に買わなきゃいけないものが決まっている。
学生の頃のように、なんでもかんでも自分の為に使えるわけじゃない。
お金に余裕があるわけではないので、絵本を買うときは、絶対にハズせない。
ただ、当たりの絵本に出会える出会えるまで、本屋で5時間も6時間も立ち読みするほどの時間の余裕はない。
そこで、お母さんが打つ一手は、「自分が子供の頃に読んでもらった面白い絵本を、自分の子供に買い与える」です。
数十年前に出た絵本が、いまだに本屋さんに平積みされている理由がコレです。
皆、ネタバレを恐れていますが、こと絵本に関しては、ネタバレしてからがスタートで、「だったら一人でも多くのお母さんにネタバレした方がいいじゃないか」ということで、忙しいお母さんが家の中で立ち読みできるように、絵本をネットで無料公開してみました。
思いつきでやっているわけでも、炎上させるためにやっているわけでもなく、こういった感じで理屈に基づいて「無料公開」をしています。
で、今回はInstagramで絵本を無料公開をしてみたのですが、「その結果どうなったか?」というと…絵本の売り上げが1.3倍ぐらいに伸びました。
この数字はInstagramのプロフィール欄にリンクを貼っている「直筆サイン本の販売サイト」の数字なのですが、「Instagramから入ってきた人数」というのが出るんですね。
で、勿論、公開初日がインパクトが一番大きくて、無料公開の初日は普段の5倍ぐらい売れて、そこからしばらく経って、1.3倍ぐらいで落ち着いた感じです。
ピンとこないかもしれませんが、「1.3倍で落ち着いた」というのは本当に凄いことで、たとえば1日10冊売れていたところが、13冊になるわけですから、年間でいうと、チリツモで大変なことになる。
内訳を見ると、無料公開した「チックタック ~約束の時計台~」が「ちょっと売れて」、それ以外の作品が「もっと売れた」という感じです。
直筆サイン本の販売ページに飛んで、「おお、他の作品も読んでみよう」と思ってもらったわけですね。
これを続けておけば、「チックタック ~約束の時計台~」がちょっと売れ続けて、それ以外の作品がもっと売れ続ける。
これが、いわゆる「勝ちパターン」というやつだと思うのですが、たとえそれが「勝ちパターン」であろうが、僕は結果が出てしまったものには、もう用がありません。
これはこれで終わりにして、次は「残りの作品も全てInstagramで無料公開したらどうなるか?」をやってみます。
やってみた結果、「売り上げが落ちました」ということが分かれば、それは僕にとっては成功です。
んでもって、世間の皆様も、出版業界の皆様も、僕がInstagramで絵本を無料公開している本当の理由については、ご存知無いし、予想したところで絶対に辿り着けないので、興味がある方は、僕のオンラインサロンを覗いてみてください。
2〜3日前に投稿した記事で、その真意を書いています。
というわけで今日はInstagramに絵本を無料公開してみた結果について、お話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
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