仕事ができない人の「返信」が遅い理由 by キンコン西野
このnoteは2020年7月4日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:生まれ変わったらスーパーマンになりたい みしまひろし さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「仕事ができない人の「返信」が遅い理由」
というテーマでお話しします。
当たり前ですが、仕事のパートナー選びはドチャクソ大事です。
どれだけ素晴らしいプロジェクトであろうと、パートナーに恵まれなかったら上手くいきません。
これは、もう言うまでもないですね。
ちなみに僕がパートナーを選ぶ時の基準は一つで、「この人となら、苦労も面白がれそう」と思わせてくれる人です。
浮き沈みの激しい世界な上、とくにウチの会社は事業がハチャメチャですので、四六時中苦労することが決定しています(笑)
その時、ずっとタメ息をこぼす人と、ギャグ漫画的に「ピーンチ!」と捉える人とだったら、一緒に働きたいのは後者で、なんなら「能力」なんて二の次でいいです。
「能力」なんて、極端な環境がいくらでも作ってくれるので、極端な環境に面白がって一緒に飛び込んでくれる人の方が、どのみちいいんです。
つまり、「能力を取るか?人柄を取るか?」という二者択一じゃなくて、「人柄を取れば、能力も取れる」という話です。
なので、僕は迷わず「人柄」を取ります。
そんな僕が「こういう人とだけは絶対に仕事をしない」という人がいます。
それは、
「返信が遅い人」
です。
もしかすると、キングコング西野は「人を切り捨てない」というイメージを持たれているかもしれないのですが、「返信が遅い人」だけは秒速で仕事の縁を切ります。
くれぐれも「仕事の縁」です。
「人として嫌いになる」とか、そういったことではないです。
「なぜ、西野は返信が遅い人を秒速で切るのか?」ということについて、お話しします。
よく「仕事の連絡の返信が遅い人は仕事ができない」と言うじゃないですか?
あれは実際にそうで、たしかに「返信が遅い人」って、ことごとく仕事ができないんです。
ただ、「返信が遅い=仕事ができない」という整理は少し乱暴すぎると思っていて……「返信が遅い人が何故仕事ができないのか?」という【理由】まで掘り下げた方がいいと思っています。
この答えはもう出ていて…
たとえば、好きな子からLINEが来たら、すぐに返すじゃないですか?
一方、どうでもいい人からのLINEの返信は後回しにする。
要するに優先度の問題で、「仕事の返信が遅い人」というのは、そのプロジェクトのことを、そこまで好きじゃない。
もちろん、口では「やる気があります」的なことを言いますよ。
だって、食っていかなくちゃいけないから。
しかし実際のところは、その人にとって、そのプロジェクトは「やりたくてやりたくてたまらないプロジェクト」になっていない。
だから返信に遅れが出るし、だから結果が出せない。
なので「返信が遅いヤツは仕事ができない」という結果になる。
やりたくてやりたくてたまらないプロジェクトに就いているヤツは、労働基準法なんて1ミリも守ってないんです(笑)
家に帰ってからも、ずっとやってる。
そりゃ、結果に差が出るに決まっています。
これが現実で、「給料を貰う為に働いている人」とは【飢え方】が全然違うんです。
なので、
仕事の返信が遅い人に「もっと早くしろよ」っていうのは本質的な改善になっていない。
それは、ムチで叩いて走らせる作業なので。
ムチで叩くコストもかかるし、ムチで叩いて走らせたところで、本人の熱が乗っていないから、どのみち遅い。
こんなのお互い幸せにならないんだから、とっとと別れた方がいいんです。
ムチで叩かれているその人も、好きなことをやった方がいいのだから。
なので、「無能なのでクビ」というニュアンスじゃなくて、「あなたは、あなたの好きなことをやって」というニュアンスで、プロジェクトから離れてもらうようにお願いすることは時々あります。
「もっと、やる気を出せよ」と言わなきゃいけないチームは、やっぱり弱い。
有名な話で、ピラミッドの奴隷の話があります。
ピラミッドって何万人もの奴隷がムチで叩かれながら重たい石を運んで作ったことが通説となってるじゃないですか?
あれら大嘘も大嘘で、ピラミッドの建造には奴隷なんかいなかったんです。
ピラミッドを作ったのは一般庶民で、しかも、めちゃくちゃ喜んで作ってたんですって(笑)
理由は、「ピラミッドを作ると、毎日ビールが飲めるから」です。
なので、「ピラミッド作りた〜い!」という人の集まりだったんです。
そりゃ、そうなんですよ。
そっちの方がムチで叩き続けることより、よっぽどコスパがいいんです。
ときどき、吉本興業のマネージメントを見ていて「難しいなぁ」と思うことがあります。
本来なら、マネージャーは「自分が担当したくてしたくてたまらないタレント」を担当した方が、パフォーマンスも上がるじゃないですか?
だって、休日も、そのタレントのことを考えるんだもん。
だけど、それOKにしてしまうと、一部の人気タレントにマネージャーが集中してしまう。
だから「あなたは、このタレント、あなたは、あのタレントを」といった感じで、会社が担当タレントを割り当てなきゃいけない。
しかし、そうすると、多くのマネージャーにとっては、やりたくてやりたくてたまらないプロジェクトじゃなくなってしまうので、どうしても弱くなる。
僕は、それが嫌なので、自分で会社を作って、僕の手掛けているプロジェクトをやりたくてやりたくてたまらないスタッフさんだけを集めてやっています。
プロジェクトと両想いの関係なので、当然、スピードもパフォーマンスも段違いです。
もし、チームの中に返信が遅いスタッフがいたのなら、本当の問題(責任)はそのスタッフにはなくて、そもそもの「配置」に問題があると思うので、そこから改善してみるといいかもしれません。
というわけで、
「仕事ができない人の「返信」が遅い理由」
というテーマでお話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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