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だからキミは負けるんだ byキンコン西野
このnoteは2020年10月2日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:家族やスタッフにも素敵な1日を過ごしてもらいたいと日々願っています そんな素敵なさかいりょうすけ さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「だからキミは負けるんだ」
というテーマでお話しします。
今日は、仕事のノウハウみたいなではなくて、僕が今、一番熱を入れている映画『えんとつ町のプペル』のお話をしたいと思います。
僕は、もともと漫才師としてスタートして、漫才を書いていて、自分を育ててくれた師匠と呼べる人が「後藤ひろひと」という劇作家ですから、舞台の脚本も書いていて……
そこから絵本作家に転職して、絵を描いて、ストーリーを描いて、で、絵本の曲も作るんですね。
あの「♪ハロハロハロハロウィン」って曲を作った人です。
劇場の楽屋に小道具のギターがあるもんですから、空き時間に触っているうちに、ギターが弾けるようになりました。
ちなみに、次々回作の絵本『夢幻鉄道』のテーマソングもいいのが作れたので、YouTubeで検索してみてください。
そんな感じで仕事をしているので、映画『えんとつ町のプペル』における僕の役割は、「原作・脚本・製作総指揮・宣伝・作詞作曲」という忙しいことになっています。
このことを受けて、時々、「ゴーストライターがいるんでしょ!」と時々言われるんです(笑)
これに関しては、「西野がこんなに素晴らしいものを作れるハズがない」という意味なので、褒め言葉でしかないのですが、残念ながら、僕、ゴーストライターなんていないんです。
分業している場合は、「分業しています」と公表しています。
その方がいいんですよ。
いろんなクリエイターさんに「西野の仕事に参加したい」と思ってもらった方が得なので、絶対に、その人の名前を出す。
出さない場合もありますが、それは出すべきではない場合です。
たとえば、三日前にYouTubeチャンネルにアップした『えんとつ町のプペル』の動画の備考欄には、歌詞の他に、「歌、作詞作曲、編曲、振付」のスタッフの名前しか入っていません。
照明さんや美術さんや衣装さんの名前は入っていないんですね。
あくまで、あそこは音楽に関する情報を載せる場所として位置付けているので。
関わったスタッフの名前を全員書いてしまったら、80人ぐらいになっちゃう。
ああいった、いわば「CM」の場合は、基本、スタッフの名前は載せません。
テレビCMに、いちいち「ディレクター=○○」と出ないのと同じです。
ただ、ストーリーを書いたり、音楽を作ったりる場合、そこに「ゴーストライター」と呼ばれる人はいないんです。
珍しいパターンだと思いますが、こと「ビジネス書」においても、僕はライターを雇っていません。
自分で書いた方が圧倒的に早くて、自分の仕事が減るからです。
パフォーマンスでも何でもなくて、5万部売れるビジネス書でよければ、5〜6時間で書けます。
すでに自分の中にある体験と考察を文字起こしするだけなので。
「キー!」となるかもしれませんが、「ゴーストライターだろ!」と言っちゃたり、思っちゃったりする人が、コンパしたり、ナンパしたり、家族旅行に行ったり、ワイドショーを観てタレントの不倫にとやかく言ったり、何も考えずにボケーっと受験勉強している間、僕は、一つでも踏み誤ると死んでしまう戦場でずっと戦ってきました。
かれこれ20年ほど、平均労働時間は19時間です。
でもって、この20年というのは、「勝ちパターンを捨て続けた20年」で、コツを掴んだ職は、どんどん捨てて、新しい領域に挑戦し続けた20年です。
なもんで、能力と知識量に圧倒的な差が生まれるのは当たり前の話で、僕は「努力は報われる」ということを言っていきたいので、ここは隠したくありません。
反則技を使っているわけでも何でもなくて、「キミの1000倍努力してるから、キミの1000倍の結果を出しているんだよ」というだけの話だと思っています。
そして、この現実を受け入れず、「いやいや、ドーピング的な…何か特別な力が働いているに違いない」という思ってしまっているうちは、一生始まらないまま人生が終わっちゃうので、それが嫌なら受け入れてください。
「僕、こんな努力をしてますよ」と自分から言う奴、なかなかいないと思うのですが、いい機会なので言っておきます。
今日も映画『えんとつ町のプペル』のアフレコがあるわけですが、そこでは、声優さんから質問があったり、「ここは、こんな感じでお願いします」と指示を出さなきゃいけない。
なので、家で「指示を出す練習」をしていくんです。
自分も、実際にやれるようにしておく。
たとえば…
「えんとつ町は煙突だらけ。
そこかしこから煙が上がり、頭の上はモックモク、黒い煙でモックモク。
朝から晩までモックモク。
えんとつ町に住む人は黒い煙に閉じ込められて、青い空を知りやしない。輝く星を知りやしない。
見上げることを捨てた街で、一人の男が上を見た。
町を覆った黒い煙に、男が想いを馳せたのは、酒場で出会ったお喋りモグラが聞かせてくれた夢物語。
煙の向こうの世界の話。光り輝く世界の話。
ありやしないと思ったが、全くないとも言い切れない。
なぜなら誰も行っていない。答えは誰も持っていない。
それから男は日ごと夜ごと、煙の向こうの世界の話を、何度も何度も叫んだが、バカだバカだと囃されて、ホラ吹きものだと切り捨てられた。
男が一体、何をした。
男が誰を傷つけた?
そこに理由はありゃしない。
見上げることを捨てた町では、『目立たぬように』の大合唱。
見上げることを捨てた町では、夢を語れば笑われて、行動すれば叩かれる。
黒い煙は町を飲み込み、一縷の光も許さない。
黒い煙は人を飲み込み、あらゆる勇気を認めない。
それでも男は声をあげ、震える膝をひた隠し、船に乗り込み海にでた。
暗くて怖い海にでた。
誰もいない海にでた」
これは主人公の少年の父親が、自作の紙芝居を披露するシーンのセリフなのですが、今、僕は何かを見ながら書いたわけではなくて、これぐらいは暗記してるんです。
指示を出す人間として、これぐらいは。
これって、「何回もやっているうちに覚えた」という類のものなので、才能とかセンスじゃないじゃないですか。
これがプロです。
もし良かったら、一度、僕の会社のインターン生にでもなって、僕の近くで、僕の仕事を見てみてください。
たぶん、絶望すると思います(笑)
先ほども申し上げましたが、「努力がモノを言う」というところを伝えていきたいので、今後も、この部分は包み隠さず、積極的に頑張ったアピールをしていきたいと思います。
そうそう。
映画公開は12月25日なのですが、12月25日の夜に、YouTubeの生配信をして、映画をご覧になられた方に向けて、「あそこのシーン、実は○○なんだよ」という話をしたいので、映画は初日に観に行ってください。
今のうちに、12月25日のスケジュールに印を入れておいてね。
それでは、映画『えんとつ町のプペル』のアフレコに行ってきます。
今日は【だからキミは負けるんだ】について、お話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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