音声SNS『Clubhouse』大失速の理由【キンコン西野】

このnoteは2021年2月16日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:西野さんのvoicyをワクワクしながら正座し聴いています北摂の黒騎士 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。


本題に入る前に近況報告からさせてください。

昨日、僕の絵本の担当編集者である幻冬社の袖山さんが、『映画 えんとつ町のプペル』の副音声上映の第二弾を観に行かれたそうで、その感想をFacebookに書かれていました。

まず、大前提として、副音声の第二弾は、ほぼほぼ次回作について語っているのですが、それは、袖山さんに直接話すじゃないですか?

だから、「なんで、わざわざ担当編集者が副音声を聴きに行ってるの?」というツッコミはありつつ、その袖山さんをして、副音声の感想が「西野さん、今、いいところだから黙って」らしくて(笑)

とにかく、副音声の西野はメチャクチャ喋っています。

 
なので、くれぐれも言っておきますが、これから副音声の第二弾を体験される方は、そのことを覚悟した上で、お越しください。
クレームは一切受け付けません。だって、もう録っちゃったんだもん(笑)

副音声のご利用方法につきましては、『映画 えんとつ町のプペル』の公式ホームページから、ご確認ください。

(※こちら↓)


さて。今日の本題です。


昨日、ツイッターのタイムラインを見ていたら、やけに気になるタイトルの記事が流れてきたんです。

それが「報酬わずか19円…キンコン西野『プペル』の感想記事〝バイト募集〟の闇」というタイトルの記事です。


ぶっちゃけ、映画が「ヒット」という扱いになってから、そういった類のネガ記事は山ほどあるんです。

「キンコン西野が一般女性を30分公開説教した」というのもありました。

YouTube上に動画が残っているので全然見ていただきたいのですが、とてもそんなタイトルが付くようなものじゃないんですね。1月14日に僕の公式YouTubeチャンネルにアップされている僕の動画です。

(※こちら↓)

あとは何があったかな。

「キンコン西野が怪しい弁当屋を始めた」みたいなのも。
これに関しては、もう、何のことか分からないです(笑)

一つ言えることは、僕はお弁当屋さんを始めていません。

そんな中、今回の記事です。

そもそも東スポさんの記事なので、こうして相手にするのもいかがなものなのかと思うのですが……今日の本題は、そこじゃないので、ササッと内容を紹介させていただくと、

・『映画 えんとつ町のプペル』は大ヒットを記録していて、連日、多くの感想がインターネット上に綴られている。

・しかし、その中には「サクラ」と呼ばれるものもあるみたい。

・なんと、大手クラウドソーシングサービスが「えんとつ町のプペルの感想を募集しています」という感想記事作成の業務委託を複数掲載。

・その報酬は「1850文字以上の記事で19円」という厳しい条件!!

…といった感じです。

で、「これは何のことかな?」と思ったんです。
感想記事の作成の依頼を、僕がするハズもないし、吉本興業がするハズもないし、TOHOさんがするハズもない。

 
さすがに気になったので、大手クラウドソーシングサービスである「クラウドワークス」で検索してみたところ……『シネマワーカーさん』という(おそらく)映画レビューサイトさんが、公開中の映画の感想記事を募集していたんですね。

同じ並びには、他には「ワンダーウーマン」とか「スターウィーズ」などがありました。

たしかに、一件20円ぐらいでした。

僕も今回知ったのですが、そういった映画レビューサイトがあって、「レビューを書く」というバイトがあるんですね。

それ自体は「へ〜」というところなのですが、今回のニュースというのは、そのレビューサイトの『映画 えんとつ町のプペル』だけを切り取って、「キンコン西野が金を払って、格安で記事を書かせている!」と読み取れてしまう内容です。

実際、僕のところに、非難がたくさん届いたんですね。

心の底から、「知らねえよ」なんです。

 
しかし、こういった扇動記事に扇動されてしまう人って一定数いて、今は、テレビも、こういったニュースを取り上げたりする。

そうすると、事実はどうでもいいから、とにかく「捏造であろうと、ネガティブニュースを書いたもの勝ち」の世界になってきている。
つらいですよね。

しかし!

最後の最後の救いは……こういった形で「無実を証明できる」というところだと思うんです。

「30分公開説教」にしても、YouTube上に動画が残っているから、「これを『30分公開説教』というのは流石に…」となるし、今回の件にしても、クラウドワークスの中に依頼内容が残っている。

お弁当屋さんに関しては、ちょっと本当に分からないんですけども(笑)

つまり、ネットがネタ元になっているものは「アーカイブが証明してくれる」という部分があるのですが……これが、「clubhouse」はそうはいかないんですね。

アーカイブが残っていないから、どれだけ捏造記事をあげられても、無実が証明できない。

で、原則として、clubhouseは「録音・メモ・口外禁止」じゃないですか。
これが厄介で、「録音・メモ・口外禁止」のルールを破った人が面白おかしく記事にしてお金を稼いで、
「録音・メモ・口外禁止」を守る人は、それが捏造であることを、アーカイブで証明できない上に、ルール上も証明できない。


「録音・メモ・口外禁止」を破られて、記事化されてしまうことが許されてしまうのならば、有名人がclubhouseに参加するのはデメリットだらけなんです。

参加をしたら最期、あとは、会話の中で一言でも「おっぱい」でも言おうものなら、「タレントの○○が、招待制のSNS内でセクハラ発言、やりたい放題!」という記事にされてしまう。

 
タレントの普段の会話が盗み聞きできることが一つの価値だったと思うのですが、いちいちネット記事にされて、そのネット記事をテレビで取り上げられて、そこで無実が証明できない。

タレントからすると参加することのデメリットが大きすぎるので、まぁ、多くのタレントは撤退すると思います。

当然、それを期待していたユーザーは離れると思います。

で、今、一番危ないのが経営者ですね。

たとえば、僕と、経営者のAさんでclubhouseで喋っていて……僕が「女子って、こういうところあるよね」と言おうものなら、「株式会社○○代表のAらが招待制SNS内で女性蔑視発言!」という記事を書かれてしまう。

そして、「それは違う」ということを証明できずに、会社にメチャクチャ迷惑がかかってしまいます。

「女性蔑視発言をする経営者のサービスはどうなんだ?」となってしまう。

今、世の中のストレスが溜まりに溜まっていて、とにかく誰かを叩きたくて叩きたくて仕方がない状態になっていて、そんな中、捏造記事が書かれたい放題で、捏造だということを証明できないclubhouseに名の知れた経営者が参加するリスクって半端ないんです。

たぶん、何日か前に、メディアの人達がclubhouseの内容の「口外禁止」を破った瞬間に、

「あ、もうこのSNSを使うのは辞めよう」

と思ったのは、タレントだけじゃなくて、経営者さんも結構いると思っています。

ここ最近のclubhouseの失速を生んだ原因は、「飽き」とか「時間の奪いすぎ」という問題の他に、まず間違いなく、ここの「リスク回避」があるだろうなぁと見ています。


過去、リリース後に大失速して、そこから伸びたSNSはいくつかあるのですが、今回は、それとはちょっと性質が違います。


すっごい良いサービスなのに、一部メディアのルール違反によって、こうして文化が殺されてしまうのは、あまりにも悲しいですよね。

こんなことじゃ、いつまでたっても話が前に進まないので、昨日、オンラインサロン内で、一つの解決方法を提案させていただきました。世の中にリリースするのは少し先になりますが、結構前向きな提案です。

お楽しみに。


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