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働けない時代 〜雇用形態の正解を探す〜【キンコン西野】

このnoteは2024年5月4日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。


 
 

働きたくても働けない世界を作ったのはキミ達だよ

 
隙間時間を見つけて、CHIMNEY TOWNの若手と「ぶっちゃけ、仕事、どんな感じっすか?」という話をすることがよくあるのですが、先日、CHIMNEY TOWNの山崎が面白いことを言っていて、曰く「若くて、体力があるうちに、もっと働きたいのに、労働基準法があるので働けない」と。
 
それに関しては詳しくは言えませんが「上手く(いい感じに)やれよ」と思っているのが一点、そしてもう一点は「その世界を作ったのはオマエの世代だから、矢印を向けるならオマエの世代に向けろよ」というのが一点。
 
今はタレントさんの労働時間もある程度は守られてるんですかね?
 
僕が20代の時は少なくともそんなものはなくて、梶原さんに聞いていただければ分かると思いますが、1日平均20時間ぐらいは働いていました。
 
会社としては「いやいや、そこまでスケジュールを詰めてないでしょ?」という逃げ道を用意していたのかもしれませんが、「いやいや、ここに新ネタの番組が入っているってことは、この移動中にネタ作りとネタ合わせをしないといけないわけで…」ということだらけで、とにかく長時間働いたんです。
 
ところが、僕の下の世代になると、「パワハラだー」「モラハラだー」という感じで、やたら権利を主張するようになり、当然、その中には「労働時間を見直せー」という主張もあり、見事にその主張を通し、「働きたい子が働けない世界」を勝ち取ったわけですが、それは、くれぐれもオッサン連中から求めた世界ではありませんでした。
 
オッサン連中は口にしないだけで(口にできないだけで)、今でも内心「もっとやれよ。その量で勝てるわけねーだろ。実際、勝ってねーし」と思っています。
 
なので、ここはハッキリさせておきたいのですが、「『労働量』で逆転できない世界を作ったのはオマエ達だぞ」ということと、「『効率化』『効率化』と言いますが、量をこなさないと『効率化』できませんから。残念」というギター侍だけお届けしておきます。
#懐かしい
 
これは、結構由々しき問題だと思っていて、僕は友人に30代や40代の友達が多いんですけども、その多くは「下の世代からの突き上げ」にまったくビビってないんです。
 
むしろ、彼らの悩みは「下の世代の育児なのか、若年性老害の介護」で、まさか自分の身が脅かされるなんて思っていない。
 
逆に、今「量をこなすヤツ」は昔よりも取り分が大きい…とも言えるので、チャンスっちゃあチャンスですが、「働きたくても働けない世界を作ったのはキミ達だよ」ということは、繰り返しお伝えしておきます。
 
 

クリエイティブの現場は、世間一般の時計を基準に動いていない

  
さて。
 
会社として動かす以上は泣いても笑ってもルールは守らなきゃいけないわけで、我々、CHIMNEY TOWNも色々と工夫しています。
 
というのも、クリエイティブの現場においては「長時間労働」というよりも、「営業時間」の問題があって、僕らは世間一般の時計を基準に動いていないんです。
 
それこそ分かりやすいところでいうと、イベントは土日(祝)がメインだし、会場の設営は、お客さんが会場を利用しない夜中にあります。
 
これに加えて、脚本(漫画家さんの場合ならネーム)は時間通りには仕上がらないし、僕らのように毎回新しいチャレンジをするチームだと、ほぼ毎日のようにトラブルは起きるし、あと、決定打は、僕ら海外でも仕事をしてるんです。
 
ちなみに、日本の朝7時はニューヨークの夕方6時なので、日本の皆さんが寝ている時間が、ニューヨークの働き時なんです。
 
日本時間の朝4時とか5時にミーティングが入っていたりするんです。
 
ニューヨークで「今日の17時までに契約を結ばないと、この話はナシ」みたいな場面がリアルにあって、「いや、日本時間の朝6時。皆、寝てまーす(涙)」という八方塞がりです。
 
これは本当に今の時代なかなか言えないんですけとも、クリエイティブの現場では、「予定時間をオーバーしようとも、ここまでやりきった方がラクだ」と、ほぼ全員が思っている場面があるのですが、労働基準法をキッチリ守ると、それが叶いません。
 
それを突破するには、「役員になる」か、「別の会社の人になって『業務委託』という形をとる」ぐらい。
 
吉本興業に所属していた時に一番難しかったのがココで、担当マネージャーに対して「吉本の役員になってくれない?」とは言えないし、「吉本を抜けて、吉本と業務委託契約を結んでくれない?」とも言えないので、結構、クリエイティブよりの活動に制限がかかっていたんです。
 
 

CHIMNEY TOWNインターン生から『業務委託』がかなりいい

 
そんな中、CHIMNEY TOWNで僕の下でクリエイティブの現場に入っていたタケダというインターン生が、この春から、西野亮廣にベタ付きのAD的な立ち位置で『業務委託』になったんです。
 
CHIMNEY TOWNでインターン生から社員にならずに『業務委託』になったのは今回が初めてなのですが、これが、今のところ結構(というか、かなり)いいんです。
 
時間の制限を取っ払えるので、クリエイティブにブレーキがかからないし、ゴールデンウィーク中も次のプロジェクトの準備をグイグイと進められています。
 
もちろんタケダがCHIMNEY TOWNのスタッフに指示を出すのは、CHIMNEY TOWNの社員の営業時間が始まってからになるわけですが、(タケダがしばらく球を持っていようとも)僕としては今やっておきたいことをバッと吐き出せたらそれでよかったりするので、その類いのストレスが消えました。
 
まぁ、これはあくまで西野亮廣用のフォーメーションではありますが、雇用形態の最適解を探り続けないと勝ちきれない時代だなぁと感じています。
 
皆さんの会社はどんな感じですか?
 
 

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