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ビジネス書を読んで、行動しない人の気持ちが分かった byキンコン西野

このnoteは2021年4月5日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供: 産前産後ケアを当たり前の文化にしたい『整形外科医 ナカガワショウコ さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。


本題に入る前にお知らせをさせてください。

このお知らせをする度に、「同じお知らせを繰り返すことって大切だなぁ」と毎度思うのですが、4月19日に開催するオンライン講演会『【教えて西野先生!】親子で学ぶ!とっても大切なお金の話』の受講者数が【4800名】を突破しました。

本当にありがとうございます。

こちらの講演会は「学校では教えてもらえないけど、生きていく上では絶対に知っておかなくちゃいけないお金の超超超基礎知識」について、キングコング西野が、ものすごく分かりやすくお話しします。

お金リテラシーが高い人からすると「そんなの知ってるよ。もっと、新しい情報をくれよ」と思ってしまうような内容だと思うので、そういう方は誤まって受講しないでください。

今、なんとなく、『映画 えんとつ町のプペル』の広告戦略で学んだことを1本にまとめた講演会(テーマ「マーケティングの今」)をやろうかなぁと思っておりまして、もしアレだったら、経営者さんや個人事業主さん達はそっちを選んでください。

今回は小学校高学年〜お爺ちゃん&お婆ちゃんなどを対象にした「お金の基礎知識」についての講演会です。

チケットは800円。視聴にはFacebookアカウントが必要です。

チケットをお求めの方は、『CHIMNEY TOWN BASE』で検索してみてください。


(※こちら↓)

そして、もう一点。

5月に発売する絵本最新作『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』のご予約がAmazonさん、楽天さん等で始まっております。

『映画 えんとつ町のプペル』から3年後の世界が舞台となっておりますが、ストーリー自体は繋がっているわけでもないので、映画を観ていない方もお楽しみいただけると思います。

今、97%ぐらい完成しているのですが、とってもイイ感じになっているので、大人の方にもオススメです。

そして、『キンコン西野のサイン本屋さん』というオンラインショップでは、サイン本のご予約も承っております。

サイン本をお求めの方は、こちらのショップをご利用ください。

よろしくお願いします。


そんなこんなで本題です。

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1年ほど前に、「鬱(うつ)を潰す方法」というテーマでお話しさせていただいて、そこそこ話題になったんですね。

ザックリ言うと、「気持ちの持ちよう」とか、そういうもので解決しようとするのではなく、ダイエットでもいいし、万歩計でもいいし、イラストでも、畑仕事でもいいから、とかく、「前に進んでいることが目で確認できるモノを一つ持とう」という話です。

そこに生産性があるかどうかはこの際どうでもよくて、「昨日よりも前に進んでいる」という確認が取れるだけで、精神が安定するんですね。経営者が筋トレにハマる理由って、これが大きいと思います。


これは僕自身も実践していて……僕の仕事というのは、主に「手を働かせる仕事」と「脳を働かせる仕事」があるのですが、ぶっちゃけ「手を働かせる仕事」は体力的には大変でも、気持ち的にはラクなんですよ。

進んでいることが分かるから。

なので絵を描いている時は、精神的には結構穏やかなんですね。

一方で「脳を働かせる仕事」が本当に厄介で、仕事が進んでいるのか、止まっているのか、後退しているのかが、目で確認できないんですね。

たとえば絵本や映画の「ストーリー」を考える仕事が僕にはあるわけですが、丸一日かけて1行も書けない日なんてザラにあるんです。

頭の中では、いろんなパターンを試して、結果、1行も書けていないだけだから、前には進んでいるのかもしれません。

「失敗パターンを潰す」というのは前進なので。

ですが、どこかで「これは前進である」と自分に言い聞かせている部分があって、現実問題、目の前にある文字列は増えていないわけで、やっぱり丸一日書けて1行も書けなかった日とかって死にたくなるんです。死なないですよ。
そういう気持ちになる、という話です。

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その時に、「前に進んでいることが目で確認できるモノ」を持っていると、「今日は、ストーリーの執筆は進まなかったけど、でも、ココは進んだ」と思えるので、メチャクチャ救われるんです。

それが僕の場合は「サイン本屋さん」だったりするのですが、毎朝、注文を受けて、サインを入れて、梱包して、郵便ポストに投函する…という作業に救われているんです。「ああ、今日は絵本が13冊売れた」と思えることが、すっごい支えになっているんですね。

頭の良い人から言わせれば、キンコン西野の時給を考えた時に、「今日は絵本が13冊売れた」は絶対にマイナスなんです。

そんなことは分かっているんですけど、それに救われているんですね。

「これ、何かに似ているなぁ」と思って探った結果、「ビジネス書を読んで、行動しない人」の精神状態に近いのかなぁと思いました。

ほら、ビジネス書って、だいたい「今すぐ行動しろ」と書かれているじゃないですか?

でも、ほとんどの人が行動しない。

行動した方が成功確度が高くなることは分かっているのですが、行動しないですよね。

「じゃあ、何の為にビジネス書なんて読んでるの?」となるわけですが、きっと、ココだなぁと腹落ちしました。

皆、毎日不安で仕方なくて、精神が常に揺れていて、だから、「昨日よりも進んでいることが目で確認できるモノ」が欲しい。

「読書」がそれで、「俺は、これを読んだ」と思えることで、ちょっと安定するんだろうなぁと思いました。

なので、「読んだのに、行動に移さない」というのは、まったく意味のない行為ではなくて、その瞬間の生産性はないかもしれないけれど、生産する為の基盤は安定させているのだと思います。

「銀行預金」とかも、基本的にはそういう役目なんだろうな、と思います。

「金利0.001%、引き出し手数料は数百円」という今の条件だと、銀行にお金を預けるとお金が減っていくことぐらい、流石に皆、分かっていると思うんですね。

理屈は分かっているんだけど、それよりも、「通帳の数字が目に見えて増えていくことで得られる精神の安定」を選んでいる。

エナジードリンクを買っているようなモノなのかなぁと。

最近、僕、YouTubeの生配信にハマっているんです。

仕事から逃げてダラダラやっちゃうから、「1時間」と決めて、スパチャをやって、相談に応えて、で、その利益は全額絵本の寄付にまわしているんですね。

でも、実際、1時間やって、寄付できる絵本の数って、だいたい20冊ぐらいなんです。

それだったら、その時間を使って、講演会をしたり、仕事のオファーを受けて、その売り上げをまわした方が、たくさん寄付できるのに、「スパチャで相談に応えて、その利益を絵本寄付にまわす」という〝コスパの悪い方法〟を選んでしまっている。


でも、そこで「今の3回分の相談で、絵本を一冊贈れたな」と思えることで、前に進んでいることが目で確認できることで、「今日1日、筆は進まなかったけど、絵本は20冊贈ることができた」とメチャクチャ気持ちが安定している。


以前は、ビジネス書を読んで行動を起こさない人に対して「それだったら本を読んだ意味がないじゃん」と思っていましたが、どう考えたって僕は人のことは言えないし、ビジネス書で「落ち着き」を買っていたことが理解できたので、ちょっと反省しました。

視聴者さんからの相談に応えていくYouTubeの生配信で一番救われているのは僕ですよ、という話でございました。



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