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絵本を「贈り物」にしたことで見えてきた現実byキンコン西野

このnoteは2019年12月25日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供: 飯沼 寛量 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
絵本を「贈り物」にしたことで見えてきた現実
というテーマでお話したいと思います。

こんな気持ちは初めてだな

いま、実はフィリピンにいましてですね。

今朝4時半にホテルをでて、だいぶ田舎の方の町に行って、絵本3000冊をプレゼントで届けてきました。企画の一環で行ってきたんですけどね。

絵本を届け終わって、今ホテルに戻ってきて夕方の6時半です。

このあともう飛行機乗って帰国するんですけど、今回の「絵本3000冊をフィリピンの子どもたちにプレゼントする」っていうのはクラウドファンディングの企画なんですね。

「フィリピンの子どもたちに、絵本を3000冊プレゼントしたいです」って支援を募ったんですよ。

2000円支援してくださった方は、1人の子供に絵本を贈れる。
1万円支援してくださった方は5人の子供に絵本を贈れる。

支援のリターンは、自分に返ってくるっていうよりは子供達に本を贈れる権利ですね。

つまり、本当に純粋な意味での支援。

そのクラウドファンディングを立ち上げて、無事に3000冊分が集まって、今日、その3000冊を届けてまいりました。

ブログの方に詳細が書いているのでよかったらのぞいてみてください。

まず最初にお話ししたいのは、ビジネス的な話と、人間的な話。

まず、ビジネス的な話からお話しすると、
最近よく、僕はモノを売るときに意味を変えるっていうことを説いてるんですね。

たとえば、AKBのCDは握手券に意味を変えて価値を生んだし、
ビックリマンチョコはチョコからシールに変えて価値を生んだ。

意味を移動させた時に生まれる価値があるっていうことですね。

今回、絵本を絵本として届けるのではなくて「贈り物」にしてみようという実験だったんです。

それでおもしろいと思ったのが、
本って普通は1人1冊しか買わないじゃないですか。
だって、読み込むものは情報なんだから、べつに2冊以上いらないですよね。同じ本が何冊もあっても仕方がないし。

だけど、本を贈り物にした瞬間に、1人が5冊、10冊、買ってくださる。

今回のクラウドファンディングでは、100冊買ってくださった方もいました。

これ、ほんとにおもしろい。
本を贈り物にするのは、ひとつの可能性としてあるなと思いました。

もうひとつビジネスの話になってくるんですけど、
贈り物として成立するようにデザインしておくっていうことが大事だなと思いました。

たとえば、ソフトカバーとハードカバー、どっちの方が贈り物として機能するかっていうと、やっぱりハードカバーですよね。

贈り物っていうのは差し入れだから、ある程度、重厚感みたいなものが必要だなっていうのを思いました。

ソフトカバーの漫画とかビジネス書ってなかなか贈り物になりえないと思うんですね。内容がどうであれ。

贈り物として似合うか似合わへんかというとあまり似合わない。

その点、絵本は贈り物と相性がいいなぁというのは今回改めて思って、ここはもうちょっと強化していったほうがいいなと。

つまり、贈りものとして、もっと贈り物映えするように本の設計ををしていくといいかもなぁって。

それが、今回、絵本3000冊を贈ってみた収穫ですね。

そして、ここからはビジネスマンからはあまりおもしろみのない話かもしれませんが、今回の活動で結構胸を撃たれていて。

今回、本当にたくさんの方にご支援いただいて、たくさんの方に送り出していただいて、本当にこの場を使って感謝申し上げたいです。

子どもたちに「日本のみんなからプレゼントだよ」って絵本を渡して、もう、僕のインスタのストーリー見ていただきたいですが、本当、人がごった返してるんですね。田舎の街に3000人が来るわけですから。

みんな「ありがとう!ありがとう!」ってすっごいよろこんで受け取ってくださって、なんなら取り合いになるぐらいの列ができて。

8時ぐらいにスタートして、夕方の4時5時ぐらいまでずっとやってたんですかね。途中、昼休憩もしつつですけど、ぶっ通してずっとやって、ずっと「ありがとう!」と思って言われ続けて。

帰りの車の中でそのことをまず写真を添えてインスタで報告したら、支援してくださった方がコメントくださって「プレゼントを渡してきてくれて本当にありがとうございました」って言ってくださったんですよ。一人や二人でなく、本当たくさんの方から。

お礼を言わなきゃいけないのは僕の方なのに、なんか僕、支援もしてもらっている上に、お礼まで言ってもらえて、なんだこれ?と思ったんですよね。

えっと、うまく言葉が整理できていないんですが、
ただひとつ言えることは、傷ついた人がひとりもいなかった。

今回のプロジェクトは損をした人、嫌な思いをした人、悲しい思いをした人、涙した人がひとりもいなくて。

登場人物全員が「ありがとう」って気持ちで溢れていた。

僕は支援者の方とかスタッフさんに「ありがとう」って言ってるし、
支援者の方は「渡して来てくれてありがとう」って言ってる。

なんだこのやさしい世界!と思ったんですね。

やっぱり改めて、こういう世界を作りたいって本当に強く思いました。

誰かが意地悪したり、せこい人が抜けがけしてひとり勝ちする世界ってあんまり好きじゃない。

なんか、みんながウィンウィンどころかオールウィンになるような、
みんなの幸せの総量が増える設計をしていかなきゃいけないなって改めて思いました。それでグッときたっていう話です。

支援してくださった方には、また改めて、なにかしらの形でお礼したいと思います。

本当に、今回は本当に、ご支援頂きましてどうもありがとうございました。

今から日本に帰って、そして天才万博のほうに流れたいと思います。

というわけで、
絵本を「贈り物」にしたことで見えてきた現実
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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