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バッシングの乗り越え方 by キングコング西野

このnoteは2019年12月5日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:野口 暢子 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
「バッシングの乗り越え方」
というキングコング西野ならではのテーマでお話したいと思います。

ポジティブシンキングを捨てろ!

キングコング西野亮廣は、最近はあまりなくなったけど、
1、2年前まで10年間くらい、日本中からバッシングされ続けた人間なんですね。

してる側は覚えていないと思うけど、

「なんで芸人なのに絵本書くんだ」とか、
「ひな壇でろよ」とか、
「クラウドファンディングしやがって」とか、
「絵本無料公開なんてよくない」とか、

いろいろ言われてずっと炎上してたんですね。

個人的には、終盤はあんまり気にならなかったかな。
半年に1回とか、1年に1回とかだったらあれですけど、
自分は週に4、5回炎上しているので。
燃えてるのが当たり前な暖炉みたいな状態だったから。

逆に火が付いてないとき大丈夫か?って思うくらい燃えていた。
非常にバッシングを浴びていた人間ですね。
国内トップなんじゃないかなぁ。

べつに僕は犯罪したわけじゃないんですけど、
新しいことをするたびにバッシングを浴びていた、と。

これがですね、最初からバッシングに耐えれる体質だったかと言うと、
たぶんそうではなくて。

最後のほうは「またなんか言ってるわ」と思って流してたんですけど、
最初のほうはけっこうダメージくらってたはずなんですね。

わーって言ってくる人に対して目くじら立てて言い返したこともあったし。
まぁ、未熟でしたね。

だけど、どこかのタイミングで「まぁいっか」と思えるようになったんですね。
それは自分が強くなったわけではなくて、バッシングの乗り越え方を覚えたということですね。

今日はその「バッシングの乗り越え方」というお話をしたいと思うんですけど。

まず、いま僕たちが生きている時代がどういう時代なのか?ってことを整理したほうがいいと思うんですね。

シンプルに、日本は人口が減っている、と。
つまり、お客さんの数が減っているってことですね。

20年前、30年前の売り方をしていると、売り上げが落ちる。
だから、僕たちは新しい市場にでていかなきゃいけない。
新しいアクションを起こさなきゃいけないんだけど、

そういうことをすると、だいたい上の世代の人たちが「そういうのよくない」って。
僕の場合だったら「芸人はひな壇をやるべきだ」「芸人が絵本かくなんて不純だ」とかね。
上の世代の人たちがやってきた成功体験で「こうでなきゃいけない」圧力をかけてくる。

むずかしい問題ですよね。
新しいことをしなきゃいけないんだけど、新しいことをしようとすると、
同業者からの村八分にあう、と。

これは避けて通れないと思うんですね。
村八分、四面楚歌、みたいな状態は革命を起こすときの副作用みたいなもので、
これは必ず付いて回ると思うんです。

じゃあ、その状態を乗り切るためにはどうしたらいいのか。

多くの人はここで「強い気持ち」みたいなことで乗り越えようとするんですが、
持ち合わせておかなきゃいけないのは「強い気持ち」じゃない。
そんなの持っていたって結果が出ない時間が長いと「これ大丈夫か?」って思いはじめるんで。

結果が出ない時間って続くんで、
自分がアクション起こして100人が100人「よくない」って時間が半年、1年続いたら
「よくないのかな?」って疑い始めるんで。

つまり「強い気持ち」には寿命があるってことですね。
賞味期限がすぎた瞬間に、立ち上がるエンジンではなくなる。

じゃあ、四面楚歌の状態を乗り切るために持ち合わせておかなきゃいけないのは何かと言うと「ロジック」ですね。

「自分は間違いではない」と思うための数式。説得材料。これが必要である、と。

この説明のために僕は、
『革命のファンファーレ』って本で書かせてもらったと思うんですけど、
四面楚歌の状態にあることがいかに有利か、ってことを数学で問いたんですけど。

東京五輪のエンブレムが例としてわかりやすいと思うんですけど、
東京五輪のエンブレムって、一般公募だったんですよ。

パクリ問題とかいろいろあって、最終的には一般公募で「国民のみなさま考えてください」って公募してね。

最初、4候補残ったんですね。A〜Dまで。
最終的に選ばれたのがAで白黒のオセロみたいな、チャッカーフラッグみたいな、あれですね。
で、B、C、Dがもうちょっとカラフルで動きがあって、それこそスポーツの祭典っぽいエンブレムだったんですね。

その中から、審査員の先生選んでくださいってことで、審査員の先生に選考を投げられたんですけど、
じゃあ、それぞれが選ばれる確率が1/4だったかっていうと、そんなことはなくて。
人があれをみたときにまずは、モノクロかカラフルかでわけるんで。
そうするとAが選ばれる確率は1/2ですね。
BCDが選ばれる確率は1/2 x 1/3 = 1/6になる。

つまり、あの座組で最終選考むかえた段階で、
選ばれる確率は
A: 1/2
B: 1/6
C: 1/6
D: 1/6
になるので、それはAが選ばれますよね、っていう。

八百長なのかなんなのか。
審査員の先生が八百長したわけじゃなくて、あの座組でだしたらそりゃAが選ばれますよねっていう。そんなかんじですね。

これで言えば、Aだけが四面楚歌な状態じゃないですか。
ひとつだけ毛色がちがう。立場としては強くないはずなんですが、勝率でいうと、Aの勝率がグッとあがるって話ですね。

BCDEFGHIJKってあったとしてB〜Kまでカラフルで、Aだけがあの落ち着いた感じだったら、Aが選ばれる確率は1/2で、B〜Kが選ばれる確率は1/2 x 1/10 = 1/20ですね。

A: 1/2
B〜K: 1/20
なので、ほぼ確実にAが選ばれる。

このAのほうをとったほうがいいですよ、って話です。

四面楚歌が強ければ強いほど勝率があがるって話ですね。
このロジックさえもっておけば、四面楚歌にある自分が確率的に有利なんだ
と自分に言い聞かせることができると思うので、
挑戦する際はこのロジックを持ち合わせた上で挑戦してみてはいかがでしょうか。

というわけで今日は
「バッシングの乗り越え方」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


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