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キンコン西野が唸る「超一流の分析屋」

このnoteは2019年10月27日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:東京から香川まで走ったべぇくん

どうもこんにちは。
キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をやったり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」の運営をしたりしております。

今日もパリなんですが、お風呂の中からお届けしております。

世界戦は腕力

『西野亮廣「光る」絵本展inエッフェル塔』、もう朝から大盛況でですね、プペルのARとかVRとかも一緒にパリにきてるわけですけど、それがもう。すっごい人気で。

いろんな方に協力してもらってARだとかVRだとか作っていただいているので、まあほんとに、ちょっと、ホッとしたなっていうのが正直なところですね。

で、今日の夜、もし時間があれば、ボランティアスタッフのみなさんとご飯でも行けたらいいな〜なんて思っておるところでございます。

海外であれやこれやと勝負しているわけですけど、やっぱ世界戦に入ると思うのは、国内戦だと、人間関係で差別化をはかれたりしたんですけど、やっぱり海外にでると、もちろん西野のことなんて知りませんし、こいつにどういう物語があって、どういう歴史がある、みたいなことは海外のお客さんは知らないのでね。

そういったアドバンテージが使えないんですね。

キングコングの西野は国民のみなさんからバッシングされた過去があって、それをいまひっくり返して、みたいな物語っていうのは、海外ではまったく使い物にならないわけですね

つまり、外にでると、シンプルに作品の腕力勝負になる。

ここに尽きるなと思って。やっぱり最後の最後にそうなんですよね。

序盤の競争っていうのは、けっこう人間関係だとか物語で差別化がはかれたりするんですけど、やっぱり一番最後の最終戦に入ると、けっきょく腕力勝負だっていう。

でも、よく言ってますけど、物語とかそういうったものがいらないかっていうわけではなくて、そこも必要なんですけど、

シンプルに作品のクオリティ、品質、みたいなものは、無視できないんだなって思いました。

『えんとつ町のプペル「光る」絵本』っていうのは、きっちり、海外の方にも通用していますので、ご安心ください。

というわけで、今日は、
「キンコン西野が唸る『超一流の分析屋』」というテーマで、
お話ししたいと思います。

「情報には価値がない」をどう説明するか?

たぶんですね、僕は、マーケティングみたいなのが得意なほうだと思うんですよ。
だいぶ得意なほうだと思います。

ものを売る。広める。巻き込む。
みたいなことに関しては、だいぶ得意。

で、それにまつわる本みたいなものもだしているし。

それこそ、『革命のファンファーレ』っていう本は、完全にマーケティングの本だって言い切れるんですね。

副タイトルが『現代のお金と広告』って言っているので。
現代の広告はこれって言い切っているので。

大前提として、モノはこうやったら売れますよっていうのを言っているから、その本が売れないと説得力がないじゃないですか。

だから、この本で数字と結果だしてやろうと思って、『革命のファンファーレ』を売りに行ったんですけど。

17万部とか、それくらいですかね。
マーケティングの本だと売れているほうだと思います。
けっこう本売れてるんですよ。

いちばん売れなかったのは、もしかしたら『新世界』って本で、それでも13万部くらいは売れてるんで。

いちばん数字的には苦戦してる。
でもおもしろさで言ったら『新世界』がいちばんなんですけど。

でも数字的には、苦戦してる。
まあ、それでも売れてるほうではあると思うんですけど。

で、得意だと思うんですよ。
時代を読んで、これはこういうことでしょ、っていうマーケティングっていう作業ですね。
非常に得意だとは思うんですけど。

最近YouTubeとか、ほかの書籍とかみても、マーケティングのことをやたらみんな言ってて、もう古いんすよ、ほんとに。

「俺が3年前に言ってたこと、お前それみただろ」みたいな。
つまり、「『革命のファンファーレ』読んで喋ってるだろ」みたいな。

古いんだよっていうのが多くてですね。

結論、マーケティングって、ちょっと出遅れたマーケティングって、もう意味ないんですよ。みんながそれをするから。

こうしたら売れますよっていう方法を、一斉にみんながやってしまうと、参加者が増えてしまうから、ひとりあたりの取り分が少なくなる。価値が下がっちゃう。

そのやり方、2年前は効果あったけど、いまは効果ないよっていうようなことを、平気でマーケターと名乗る人たちがドヤ顔で言ってて、
「バカだなぁ」「そんなの意味ねぇよ」って思っちゃうんですよね。
朝から口悪いですけど。

基本的には、マーケティングみたいなものは、あんまり意味がないし、情報みたいなものも、あんまり価値がない。

みんなどこでも仕入れることが可能だし、コピー可能になってきたから。

あんまり参考になるものって、正直ないんですよね。

だけれど、やっぱり、一流のマーケターとか、一流の分析屋さん、情報屋さんっていうのは、ほんとにごく一部存在してですね、

このvoicyでもチラッとお話させていただいたと思うんですけど、
尾原和啓さんのオンラインサロン。
『尾原のサロンハック』っていうオンラインサロンですね。
めちゃくちゃ勉強になって、めちゃくちゃおもしろいです。

毎日10分動画が月〜金で更新されるんですけど、毎回、神回ですね。

おもんないものを紹介しても仕方ないから、僕の信用が下がるだけなので、おもしろくないものは紹介しないようにしているので。だから、ぜんぜん信用してもらって大丈夫だと思うんですけど。

ほんっとにおもしろいですね、『オンラインサロンハック』。

わかりやすいんですよ。説明がいちいち。

たとえばね、僕が「情報には価値がない」みたいなことをよく言うじゃないですか。

情報のコピーが可能になってきたから、情報で差をつけることは極めてむずかしくなってきている。

じゃあ、ここから価値をもつものはなんなんだ?
そこを考えなきゃいけない。

そのひとつが物語であったり、意味、ブランドであったり、体験である。

みたいなことを、言うんですけど、これをどう切り取って、どう説明するかっていうところが、その人の腕の見せどころだと思うんですけどね。
尾原さんの『オンラインサロンハック』でこのあいだ、これを説明するときに使っていた画像が、秀逸でですね。

言っちゃって大丈夫だと思うんですけど、詳しく喋るわけじゃないんで。基本的にサロンの中身は口外禁止なので、チラッとだけね。言うとですね。

「情報には価値がなくて、体験には価値がある」こと説明するときにですね、尾原さんが持ち出したのがですね、トランプ大統領とヒラリーさんが大統領選をやっていたときなので、2、3年前くらですかね。

2、3年くらい前のヒラリー大統領候補の演説の写真を説明していたんですけど、これが見事で、

演説してるんですね、ヒラリーさんが。
で、お客さんたちがヒラリーさんの演説の観客にいるんですけど、みんなヒラリーさんに背中向けてるんですよ。すごくないですか?

ヒラリーさん喋ってるんですよ?
でも、お客さん背中向けてるんですよ。

どうしてかっていうと、スマホで自撮りして、自分越しのヒラリーさんを撮ってるんですよ。
これはインスタとかツイッターにあげるわけですけど。

つまるところ、ヒラリーさんが喋る情報は、ネットでもテレビでも、あとで仕入れることできるんですよ。ヒラリーさんがそこで喋ったことっていうのは。

だけれど、自分がそこに存在したっていうことは、そこで自撮りして、その瞬間しか無理なわけじゃないですか。

ここに、「情報に価値がなくて、体験に価値がある」っていう、これをですね、たった1枚の写真で説明しているんですけど、

もうこの写真を選ぶあたりが、「ちょっと憎いなぁ」と。
たしかにそれなんですよ。その1枚でわかるんですよ。

「みんな体験を選んでるな」っていう。
だって情報を選んでたら、みんなヒラリーさんのほう向いてるはずだもん。で、ヒラリーさんの話聞いてるはずだもん。

どうだっていいんですよ。ヒラリーさんの話は。
あとで聞こうとか、仕入れようとしているんですよ。

そんなことより、ヒラリーさんと一緒にいる私どう?っていう。
その体験のほうに、時間、意識をさいてるってことですよね。

見事だな、と思いました。

「情報に価値がなくて、体験に価値がでてきましたよ」
を説明するときに、ここをもってくるんだっていうのが、すばらしいなと思いましたね。

まとめ

というわけで、とにかく、尾原さんのオンラインサロンの分析、めちゃくちゃおもしろいですね。

時々、「キンコン西野はどういう狙いでこれをやっているのか?」とかを切り取る回もあるんですけど、その切り取り方とかも見事で、なんせわかりやすいし、古くない。ここに尽きますね。

これもいずれ古くなるからね。
おなじことを半年、1年先、話してても「そんなもん価値がねえよ」っていうところですから、とかく、最新をとらえたほうがいいと思いますね。

半年後、1年後にアーカイブでまとめて読み取ることは可能なんですけど、いまのヒラリーさんの話を1年後に聞いても価値が落ちてると思うんですよね。そんなことはもう当たり前の世界になってきてるから。

もう、そのへんの、なんちゃってマーケターとはわけがちがう。
なんちゃってコメンテーター、分析屋、情報屋、とはレベルがぜんぜんちがうなっていうのが、率直な感想ですね。ほんとにおすすめです。

というわけで、
キンコン西野が唸る「超一流の分析屋」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。
西野亮廣でした。

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