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キンコン西野が著作権を放棄する理由

このnoteは2019年11月9日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:櫻田 ジュンさん

おはようございます。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、
国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

いいぞ!梶原!

先日からちょこちょこお話させていただいております『吉本男前ランキング』、投票がずっと続いていて、きのう中間発表があって、僕ずっと5位だったんですけど、4位にあがりました。
みなさんのおかげです。どうもありがとうございます。

加えてですね、その裏で『吉本ブサイクランキング』っていうのをやってまして。

僕の順位に引っ張られるようにですね、11位にうちの相方の梶原さんが躍り出まして、これはほんとに感謝しております。ほんとにみなさんに感謝しかなくて。

たぶん「西野に票入れたついでに梶原にも入れとこか」みたいな人がいらっしゃったんでしょうけど、これはもう感謝しかなくて、コンビでちゃんと格差が生まれるっていうのは最高でしかなくて、やりとりが増えるわけですから、そのぶん。

梶原くんと喋ってる時に「お前ブスやからね」「おい!」みたいなやりとりがひとつ増えるので、これはほんとにありがたい。

正直ね、梶原くんがブサイクじゃないことはわかってるんですよ。そんなことはもうわかってるんですけど、そういう『ブサイクランキング』にランクインしたっていうその既成事実さえあれば、それをオカズにいろいろやれますんで、ほんと感謝しております。引き続きよろしくお願いします。

というわけでですね、
『キンコン西野が著作権を放棄する理由』
というテーマでお話したいと思います。

走る絵本展

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、僕、絵本の著作権っていうのをフリーにしているんですよ。

フリーにしているっていうと言い過ぎかな。著作権自体は著作者である僕が持っているんですけど、二次利用、三時利用、勝手にしてもらっていいっすよ、みたいな感じにしてるんですね。

当然、道徳的にどうなんだ?っていうものが世に出てしまった時には「それちょっと出すのやめて」っていうことはあるんですけど、基本的には、好きに使ってくださいと。

なので、『プペルクッキー』みたいなのが勝手に売られてたりとか、アマゾン開けば『プペル靴下』みたいなのが売られてたりとか。

ついには『プペル保育園』だとか。タイムラインで流れてきたのだと『プペル電車』とか。
そう、僕タイムラインで知ったんですよ。「あ、電車走ってんじゃん」って。

果てはですね、『チンとつ町のアナル』っていうAVの企画が立ち上がっていたりするらしいんですけど、そういうのも全然あり。

一方でですね。企業さんからガッツリ組みたいって声もあるので、線引きはどうしてるかっていうと、

年間の売り上げが100万円以上になるならキッチリ契約しましょう。
それ以下であれば好きにしてください。

バザーで『プペルクッキー』売ってもらうぶんには全然オッケーです。
『プペルポストカード』全然やってください。

そんな感じにしています。

これはなんでこういうことをしたかっていうと、
時代の流れを見て、そうしたんですけれど。

自分はイベントを仕掛けたりするんですね。

チケットを売る時にですね、
安い順から、

B席、A席、S席、スタッフになれる券

って売ったら、一番最初に売り切れたのは

スタッフになれる券

だった。

これは何かっていうと、いまのお客さんは
受信することよりも発信したがっている、と。

発信の満足度のほうが高くなってる
ってことですね。

明らかにSNSの影響だと思います。

いいねほしいし、フォロワー増やしたいし。

そうなってきた時に、

「サクラダファミリア行ってきました」より、
「サクラダファミリア作ってます」のほうが、

いいねもらえるし、フォロワー増えるんで。


このことを、僕はスタッフに、
レストラン型からバーベキュー型になってきてる
って言い方をするんですね。

レストラン型っていうのは何かっていうと、
プロが集まって、プロだけで作り上げて、それをお客さんに召し上がれっていう。

バーベキュー型は、
お客さんが食べたいものをお客さんが作るっていう。

エンターテイメントおよび、すべてのサービスは、
レストラン型からバーベキュー型に、いま移動し始めてるっていうことですね。

時代の流れがそうなってる。発信したがってるっていう。
言ってしまったら、作りたい人が増えた、ってことですね。

お客さんは作りたがってるし、お客さんは発信したがってるってことですね。

自分は個展とかをするんですけど、
『光る絵本展』
国内外でずっとやってるんですね。

この個展を作る時、時代にニーズに答えようと思った時にですね、
作った個展を届けるのではなくて、個展を作らせてあげよう
と思ったんですね。

自分は『西野亮廣「光る」絵本展』っていうのを国内外でずっとやってるんですけど、
エッフェル塔だとか、東京タワーだとか、満願寺だとか、
ゴリゴリのオラオラの、やるぞ!みたいな個展に関しては西野がやっていて、
イオンモールとかでやっているのは吉本興業が運営している。

で、それ以外の地方でやってる『西野亮廣「光る」絵本展』は、あれ実はお客さんが個展できる権利を買って、お客さんをよんでいる、っていう風になってるんですね。

個展の運営者、開催できる権利を買ってくださった方に、くれぐれも言っているのは

「僕が目指している未来は、僕の作品で食っていく人がでてくることだ。なので、慈善事業でやるのではなくて、キッチリ利益をだしていただけるとうれしいです」と。

もちろんこっちに利益はいらないですよ。

あなたや、あなたのご家族が、『光る絵本展』を運営することで食っていけることの方が未来を感じるし、うれしい、ってことを言っているんですね。

だから、利益ぜんぜんだしてもらっていいし、それに対して、
「入場料とるのはどうだ?」とか、そういうことあんまり考えてほしくない。

『えんとつ町のプペル』を受け取ることよりも、『えんとつ町のプペル』で食っていける人が10億人いたほうがおもしろいじゃん。

なので、利益だすことを恐れないでください。
っていうことを言うようにしているんですね。

そんな中、
個展会場に足を運べない子供達に個展を届けたい
っていうサロンメンバーのひとりが言い出してですね、

なんと、『えんとつ町のプペル』の光る絵を、全点買ってですね、バスに積んで、移動式の『光る絵本展』を企画した人がいて。

『走る絵本展』ですね。

要は、病院に入院してる子供とか、なかなか外に出れない人たちに、個展のほうから病院に行っちゃおう!みたいな。

移動式の個展を企画してる人がいて、僕はこれを当然応援したいし、そういう未来がきたほうが明るいな、と思うので、この場を借りて案内させていただいてるんですけど、

今朝のブログでもこのことは書こうと思っていて。
リンクを貼っておくので、ぜひ覗いてみてください。

https://ameblo.jp/nishino-akihiro/entry-12543600310.html

きのうバスのラッピングが終わったらしいんですけど、
ツイッターのタイムラインで見たんですけど、すごく素敵で。


話まとめますと、
キンコン西野が著作権を放棄する理由は何かと言うと、結論、お客さんが作りたがっていると。時代が発信したがっている。

なので、著作権っていうものがいちばん弊害になっている。
著作権っていうのは、著作者とそれ以外をわけるっていう、線を引くっていう権利であるから。著作権は放棄しよう。

「70億人に作品を届ける」のではなくて、
「70億人で作っちゃえばいいじゃん」っていう発想ですね。

そんなことをやっております。
ブログのほうにですね、『走る絵本展』の、ラッピングがすんだバスのデザインをですね、貼っておきますので、よかったら覗いてみてください。

というわけで、
「キンコン西野が著作権を放棄する理由」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


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