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こんな大変な時にキンコン西野は何だか楽しそう

このnoteは2020年4月21日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:福元 健 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「こんな大変な時にキンコン西野は何だか楽しそう」
というテーマでお話したいと思います。

おい、西野。お前は、どうして笑っている?

最近、オンラインサロンメンバーの皆さんから「楽しそうですね」というコメントをよくいただくんですね。

これに関して、「はい」というところなのですが、今日は新型コロナウイルスにまつわる話をさせていただくのですが、

先にお伝えしておきますと、今日の話は、話しの途中を切り取ったらいくらでも「不謹慎」と言えてしまうので、それだけは控えていただきたかったりします。

今日の話は、今回被害に遭われた方や、今起こっているあらゆる事柄を軽んじているわけでもなんでもなく、シンプルに脳味噌の運動の話、思考回路の話です。

この辺の話、そっちのほうに軸をずらしてますよ、ということをご理解いただけると嬉しいです。

最近いいなぁと思うのは、いま僕たちは「会えない」ということを前提に、生き方とかお仕事を再設計してるじゃないですか。

前までなら、オンラインでいくか、オフラインでいくかという2択があったのですが、今は基本、オンライン一択であると。

オンラインで何ができるかということを考えますね。

「芸人×オンライン」は何かとか「飲食×オンライン」は何かとか、僕らは今、この計算式の答えを探っていると。

「飲み会×オンライン」の答えが「zoom 飲み会」だったり。
「美容室×オンライン」の答えが「前売券の販売」だったり。

そういった感じですよね。

それで、僕も少し時間ができたし、この時間を使って何かできないかなぁと考えた時に、そういえば、オンラインサロンのコンテンツとしてトップクリエイターさんたちと対談しようと思いました。

「国内のトップクリエイターさん×西野亮廣」で、僕がインタビュアーになって、その対談記事をオンラインサロンに投稿しようと。

じっくりと話を聞いてみたい人もいたので、これは前々からじっくりと考えていたんです。

ただ、今は会えないですよね。
インタビューって言ったところで、会えないじゃないですか。

となると、「インタビュー×オンライン」になって、zoomでインタビューして文字起こしするかな、とか考えるわけですが、それも少しありきたりだなぁと思って。

あと、zoomって、ちょっと恥ずかしいんですよね。
面と向かってしゃべるから。正面にいるの恥ずかしいじゃないですか。

それで、なんかないかなと考えて、昨夜、LINEの文章のやりとりでインタビューをしたんです。

インタビュー相手は蜷川実花さんだったのですが、僕と、蜷川実花さんと、スタッフの田村さんの3人の LINE グループを組んで、そのライン上でとやりとりするんですね。

会話と同時に文字おこしはできているので、それを田村さんがまとめる形ですね。

LINEインタビューのいいところは「ながらインタビュー」ができること。

絵をかきながらとか、料理をしながらとか、お掃除をしながらとか、途中ゴミ捨てに行ったりとか。

実際の対談みたいにずっとベタ付きではなくてもよくて、お互い時間の空いてる時に、返信できる時に、返信すればいいので。

実際、蜷川実花さんはご飯を作りながらインタビューに答えてくれていたみたいです。

LINEでの対談なんて、大したアイデアでも、面白いアイディアでもないのですが、ただ、これも「インタビュー×オンライン」というところから思考が始まって着地したわけです。

オフラインの選択肢が残っていたら、きっとこの方法にはたどり着いていませんでした。

それで、この話の流れでもう一件。

最近、蜷川実花さんが始められた試みが面白くて、zoomでリモート撮影をしているそうです。

最近の彼女のインスタにアップされているので、ぜひ見ていただきたいのですが、モデルさんが自宅で自分の方にzoomのカメラを、スマホのカメラをむけて、別の場所にいる蜷川実花が、カメラとポーズをモデルさんに指示して、zoomの画面をスクショするんです。

伝わりますかね。

カメラのレンズはモデルさんの自宅にあって、カメラのシャッターは蜷川実花の自宅にあるという状態です。

遠隔での撮影なのですが、これが最高で。

すでにこの形でのリモート撮影の依頼が舞い込んで来ているそうです。

これにしたって、「撮影×オンライン」「撮影×会えない」というところから始まり、この答えにたどり着いていると。

モデルさんに会えていたら、あまり何も考えずに「会って撮影する」という選択をしていたと思うんですね。

何が言いたいかというと、「制限がアイデアのヒントをくれる」ということです。引っ張り出してくれる。

例えば、このラジオ聴きのあなたに「今からトイレに行ってください。ただし、床を一歩も踏まずに」という制限をかけたら、どうにかこうにかしてトイレに向かう過程で床を踏まないようにしますよね。

そのなかで「そんな壁の使い方合ったん」みたいなアイディアが出てくると思うんですね。「えっ椅子をそう使うの」みたいな。

これまでトイレに行くのに、壁やイスを使おうとは思わなかったわけじゃないですか。そういうことですね。

椅子ってこれまで座るものだったし、壁ってそこにあるものだったけど、椅子って使えるんだ、壁って使えるんだ、みたいな新しいことが生まれる。そういう話です。

今回のコロナの場合だと「オンライン×会えない」という制限が新しいアイディアを普段よりも近くに持ってきてくれています。

僕はそこに興奮しています。

サロンメンバーさんは知っていますが、実際、ここ2週間ほどサロンの投稿には、ほぼ毎日、新しい具体的なアイデアや解決策を投下しています。

今、毎日順番に思考しています。

「自分が花屋さんだったらどうしようかな」とか「自分が飲食店をやっていたらどうしようかな」とか「自分が美容室を経営していたらどうしようかな」とか。

具体的に言うと、どうしようかなっていうのは、オフラインでの活動が期待できない中、どこで収益化するかという最適解を探っているという感じです。

その作業が、楽しいんです。
これまで通ったことのない道を、半ば強制的に通らされるので。

「おっ、こんな所にこんなのが落ちてたんだ」という発見があるのです。

ちなみにここ2、3日で「芸人×オンライン」の答えも出しました。

言ってしまえば、芸人って劇場やテレビのスタジオなんかが活動の場所になっているので、「場所」と紐づいた活動をしているのですが、いまは場所で活動するのって不可能じゃないですか。

劇場に人を呼べないし、テレビの収録も難しくなってきているという。

「芸人×オンライン」の答えも出したので、今夜にでも吉本興業を通じて発表します。

けっこうな数の芸人さんの活動のご協力ができるかな、と思っております。

精神的にも、体力的にも、経済的にも、大変な時期であることは間違いないのですが、一方でアイデアが生まれる環境としては、ここまで恵まれた環境がないなぁというのが、今ですね。

ただ一つ、非常に重要なポイントなのですが、アイデアというのはゼロイチの作業ではなくて、掛け合わせ作業ですから、掛け合わせる素材を知っていないと始まりません。

例えば、飲食店をクラウドファンディングを使って助けるとしたところで、
クラウドファンディングのことをよく知らない人は、ただただお金を集める装置としての使い方しかできないわけで、ちょっともう難しいですよね。

クラウドファンディングも飽和状態というかレッドオーシャンなので、お金を集める装置としてのクラウドファンディングは難しい状況です。

でもこのとき、ちゃんと知っていたら「クラウドファンディングのこの一部分の仕組みを使えば永続的に収益を生み出せるじゃん」みたいなところまでたどり着けるので、思いつくには知識が必要ということですね。

なので、勉強をした方がいいと思います。

というわけで、
「こんな大変な時にキンコン西野は何だか楽しそう」
というテーマでお話させていただきました。

長々とお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。



※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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