【6万7000人】キンコン西野のサロンメンバーが増えた理由
このnoteは2020年7月8日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:かさいゆきみち さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「【6万7000人】キンコン西野のサロンメンバーが増えた理由」
というテーマでお話しします。
7月4日の大雨特別警報発令直後に立ち上げた「熊本・鹿児島豪雨水害支援」のクラウドファンディングが昨夜終わりました。
500円(ワンコイン)のみの支援だったにも関わらず、支援総額が【578万9500円】。
そして、【1万1579名】の方から御支援いただきました。
本当にありがとうございました。完全に好きです。
この支援の中から、一昨日のうちに高圧洗浄機を購入&寄付させていただき、そして、ボランティアスタッフの拠点となる宿のお金をここから出させてもらっています。
昨日は、多くの土砂が流れ込んだ地域で事業を営まれていたサロンメンバーさんの商店で、生き残った商品を全て購入させていただきました。
購入させていただいたのは、以下のとおりです。
長靴90足。
スリッパ130足。
スポーツサンダル200足。
ヤッケ50着。
傘84本。
作業靴200足。
被災されたサロンメンバーさんの店の支援を兼ねて、こちらは全て定価で購入させていただきました。
商品の合計金額は約117万円です。
購入した商品は、昨日1日で、全て地域の方へ無料で提供させていただきました。
サロンメンバーさんの店は今後も続いていくわけですから、地域の方から感謝されたらいいなぁと思って、サロンメンバーさんの店から地域の方に提供する形をとらせてていただきました。
お金を集めるのも大事ですが、集めたお金を上手に使うことはもっと大事で、ここを雑にしてしまうと、支援してくださった方の想いを裏切ることになりますので、丁寧かつ迅速に進めていきたいと思います。
この後のお金の使い道に関しても、随時、オンラインサロンの方で共有していきたいと思います。
オンラインサロンの方は僕を含めスタッフが24時間体制で張り付いておりますので、困ったことがあれば、すぐにご連絡いただけると嬉しいです。なんとかするのは得意なので、なんとかします。
まだまだ予断を許さない状況が続きますが、どうぞお体ご自愛いただき、1日でも早く日常が戻るようお祈り致します。
さて、今日は、「キンコン西野のオンラインサロンメンバーが増えた理由」についてお話したいのですが……もう、前半で喋ったことが全てなんです(笑)
下心も全て包み隠さずお話ししますが、そりゃね、月額制ですから、サロンメンバーが増えた方が、やれることが増えるんですよ。
僕はサロンの収益をエンタメの制作費か、社会支援にまわしているので、サロンメンバーが増えれば増えるほど、僕の制作欲は満たされるし、助けられる人も増える。
ということもあって、最初の頃はサロンメンバーを増やそうと思っていたんです。
顧客獲得の際の手段には、いくつかのパターンがあります。
たとえば「仮想敵を作る」とか。
共通の敵を作ってしまって、こちら側に巻き込んでしまう。…これはまぁ常套手段ですね。
あと、ありがちなのが「不安を煽る」。
不安を煽って、「そんな貴方を助けてくれるのが弊社のサービスです」的な。
あとは「スキルアップ」。
「ウチのサロンに入れば、稼げるようになりますよ」的な。
もともとウチは「エンタメを一緒に作ろう」とか「エンタメ制作の裏側をお見せします」というサロンなので、スキルアップを売りにしたことは過去に一度もないのですが、たとえば「仮想敵を作ったことがないか?」と訊かれたら、そこは怪しいところです。
「他所のサロンと違ってウチは…」みたいなことを打ち出していたことはあったと思います。
一つ確かなことは、サロンメンバーを増やそうと働きかけたことは、あります。
もちろん今もそれはゼロではないのですが、その割合は大きく変わっていて、今は「サロンメンバーを増やそう」というよりも、「今、サロンの中にいる人を徹底的に楽しませる。そして守る」という方がかなりの割合を占めていて、要するに、「集客」と「コンテンツ」に割くコストが3:7ぐらいだったのが、今は、0.5:9.5ぐらいになりました。
サロンメンバーを増やすことは一旦置いておいて、それより何より、「コロナで経済的に苦しんでいるサロンメンバーを、豪雨被害で店が土砂に埋もれて絶望しているサロンメンバーを具体的に助けるには、何をすべきか?」といった。
あとは「たしかな成果物を出す」ということとも、本格的に向き合っています。
ターゲットが国内であれば、「やっぱ、今はコミュニティーの時代だよね〜」と言って、サロンオーナーとサロンメンバーが双方向の発信をしあえるコミュニティー作りをして、「和気あいあい」としていたと思うのですが(それはそれで、救われる人がいるので素晴らしいことで、決して否定されるようなものではないのですが)……、やっぱり世界戦になってくると「お客さんと一緒に作った」という文脈(過程)は何の売りにもならない。
シンプルに作品の腕力勝負です。
「誰が一番、喧嘩が強いんだ?」という世界です。
今、年末公開に向けて、せっせと映画「えんとつ町のプペル」を作っています。
これなんて、サロンメンバーさんにたくさん協力してもらっているのですが、「この映画はサロンメンバーと作ったよ」なんて、国内では「へぇ〜、そんなユニークな作り方もあるんだぁ」という一定の評価を受けても、世界では何の評価もされません。
やっぱりハリウッド作品やディズニー作品を、作品のクオリティーでねじ伏せなきゃいけない。
そう考えると「自分が割く時間はどこなんだ?」という話になってきます。
そう考えると「作品制作」なんです。
ここから逃げちゃいけない。
ただ、「作品制作に時間を割くこと」と「サロンの満足度」はトレードオフの関係ではなくて、たとえばエッフェル塔の個展のメイキング記事って、読み物として面白いわけじゃないですか?
「エッフェル塔で個展をする際の苦労」なんて、どこでも読めないので。
今、ブロードウェイミュージカルを作っていますが、このメイキングを追った記事も読み物として面白いわけじゃないですか?
「ブロードウェイミュージカルの作り方」とかいう本、絶対に売ってないでしょ?
今、絵本の版権販売で、海外の出版社を片っ端から落としていっているのですが、国ごとに落とし方は変わってきて…、たとえば、そんなことも、あまり誰も知らないですよね。
つまり作品が強ければ、そのぶん、メイキングの魅力も上がるので、結果、作品の強度を上げる事が、サロンの満足度アップに繋がる。
ここでもやっぱり「集客」というものを、一旦後回しにしているんです。
「集客」をそこそこ後回しにした瞬間に、サロンメンバーが増えました。
特に、コロナ期間中は一気に2万人ほど増えました。
これ、「離脱率が下がった」とか、そういったセコい話じゃなくて、「西野はどれぐらいサロンメンバーと向き合って、どれぐらい本気で世界を獲りにいっているのか?」という『気迫』が透けて見えているんだと思います。
ここは数値化されないですが、でも、分かりますよね?
「オンラインサロンって、サブスクで、美味しい商売なんでしょ?」という気持ちで運営しているオンラインサロンの雰囲気は皆が見抜いている。
結果、全然、人が集まらない。
「オンラインサロンの会員数というのは、決して数値化されることがない、覚悟や気迫といったものが、思っている以上に反映されるなぁ」というのが、ここ最近の感想です。
そして、これ(気迫)はオンラインサロンに限った話じゃなくて、誰もが集客ノウハウをコピーできる(集客ノウハウに価値が無くなった)時代の、次の集客装置なのかもしれません。
というわけで、
「【6万7000人】キンコン西野のサロンメンバーが増えた理由」
というテーマでお話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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