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「お金がないから自分でやる」という人がハマる落とし穴 byキンコン西野

このnoteは2020年9月26日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:よしむらみき さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「「お金がないから自分でやる」という人がハマる落とし穴 」
というテーマでお話しします。


映画『えんとつ町のプペル』の制作が佳境に差し掛かっておりまして…昨日も今日も朝から晩までアフレコ収録に立ち会っています。
ダルマに目が入るような感じで、それは、何年も何年もかけて作ったキャラクターに命が宿る瞬間で、感動の連続です。

アフレコ収録を進めていて、あらためて思うのは、「一流の俳優さん・声優さんって凄い!」ということ。

「今のが100%だとしたら、75%ぐらいのを下さい」と発注したら、「こんな感じですかね?」と、一発で75%を当ててくるんです。

それだけにこちらも確固たる答えを持っておかなくちゃいけなくて、その緊張感がとても心地良い。

 
そんな中、誰も答えを持っていない問題に挑む瞬間があったりします。

たとえば、「頼りになる姉ちゃん」とか、
「頼りない弟」とか、
「イケメン」だとか…
そういった声のイメージって、何となく皆の中で相場が決まっていたりしますが、「ゴミ人間の声の正解」なんて無いじゃないですか?


その場合って、現場で探っていくしかないんですね。

ヒントとなるものは「キャラクターのバックボーン」と「西野は、どういう気持ちでこのセリフを書いたのか?」ぐらいで、それを頼りに声を探っていくのですが、そこで「こんなのはどうでしょう?」と提案してくださるのが、「あ〜、それだ!」と皆が唸るものだったりする。

正解なんて無いハズなのに、その豊富な経験・引き出しの中から、最適解を出してくださる。

これはやっぱり、昨日・今日始めた人には絶対にできないことで、プロとして、この弱肉強食の世界で生き抜いてこられた方にしか出せない。

自分に置き換えて考えてみたら、やっぱりそうです。

僕にはいくつか「得意」というか、「ここなら誰にも負けない」という領域がありまして、僕以外の人がそこに関しての答えを出すのに半年かかっちゃうことでも、僕は3秒で最適解を出せます。

というのも、その力は生まれ持ったものでも何でもなくて、「この場合、こう」とか「この場合、ここに手を打つと自爆する」という、これまでの経験に由来しているからです。

もう「トライ&エラー」は済んでいるんです。

「プロに仕事をお願いする」というのは、この「トライ&エラーの時間を買う」ということです。

ここを見誤っちゃダメだと思っています。

自分が何かプロジェクトを起こす時に、元手となるものって、基本的には「お金」と「時間」ぐらいしかない。

この二つを上手に使って、なるべく効率良く進めるのが「良い仕事」ですね。

そんな中、「お金が無いから、自分でやります」という答えを出す人いるじゃないですか?

その判断は、一概に間違いとは言い切れないのですが、ただ、その元手の使い方はキチンと疑った方がいい。


「お金が無いから自分がやる」と言っても、たとえば、それが、これまで一度も手をつけたことのないような「自分が全く得意では無い領域」の仕事だったりする場合がある。

そうすると「トライ&エラー」の回数が増えますよね。
「ああ、これはダメなんだ」とか、「畜生、全然うまくいかない」という時間帯がある。

 
忘れちゃいけないのが、その果てしないトライ&エラーに、元手となる「自分の時間」を使っちゃってるんです。

決して、「無料」じゃないんです。

その時間があれば、自分はお金を生み出せるんです。

たとえば、僕がデザインが苦手だったら、「お金が無いから、デザインは自分でやります」なんて、絶対にやりません。

僕なら、その時間を使ってマクドナルドでアルバイトをしてお金を稼いで、そのお金でプロにデザインを依頼します。

「トライ&エラー」は買った方が安いので、お金が無いなら尚更、そっちを選びます。

僕のクラウドファンディングをよくよく見ていただくと分かると思うのですが、時々、リターンで「西野亮廣講演会」や「西野亮廣講演会を開催できる権」みたいなのが入っているのですが、僕、モノ作りの合間に講演会をやっているんです。

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(こちら↓)

もちろん、自分の財布を潤わせる為にやっているわけではありません。

講演会の売り上げで、プロの「トライ&エラー」を買っているんです。
そっちの方が圧倒的に安くつくからです。

もちろん「プロ」と言ってもピンキリで、「自称デザイナー」なんて星の数ほどいるので、頼む人を間違ってしまうと、高くついちゃうので、そこは「審美眼」が必要ですね。

審美眼はセンスがもたらしてくれるものではなく、「これまで意識的に見てきた量」です。もっというと「良いものを見てきた量」ですね。

なので、尚のこと、プロの時間を買って、プロの仕事の近くに身を置いておいた方がいい。

そういうことを何も考えずに、「お金がないから自分でやる人」というのは、そこの無駄遣いが激しい。

そこ見直さない限り、周りとドンドン差が空いていってしまうのですが、あなたはどうですか?

多分、心当たりあるんじゃないかな?

「プロ」って、やっぱ「プロ」で、彼らがこれまで失敗に要してきた時間は安く見積もらない方が良くて、買えるチャンスがあれば、買った方がいいと思います。


今日は【「お金がないから自分でやる」という人がハマる落とし穴 】について、お話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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