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奪う貧乏人と与える金持ち by キンコン西野

このnoteは2019年11月29日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:田島 美由紀さん

おはようございます。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

自己犠牲型か他者志向型か

今朝はですね、
「奪う貧乏人と与える金持ち」
というちょっと踏み込んだテーマでお話したいと思います。

というのも、昨日の放送の田村プロデューサーの話なんですけど、
昨日は「目先の利益をとっちゃうやつバカだよね」
って話をしたと思うんですけど、
みなさんのまわりにもいると思うんですよね。そういう人って。

これは言語化されていて、
真っ先に自分の利益を優先する人のことを
「テイカー」
っていうんですね。

昨日の話でいうと、
打ち上げの食事をちょっとケチって、自分の懐にお金を入れる。
こういう人のことを「テイカー」って言います。

わかりやすいですよね。

食費これだけ削ったら、ひとり頭これくらいの利益がでて、俺のところにこれくらい入ってくるじゃん
ってことですね。

一方ですね、
惜しみなく与える人っているじゃないですか。

「ここはもうみなさん満足してください」
って言って打ち上げの食費をバンバン使っちゃう。
とにかく豪華にしちゃう人。

こういう人のことを
「ギバー」
と言います。

タモリさんとかは、どちらかと言うと
「ギパー」ですね。

僕もたぶん、
「ギバー」でいうと、日本代表くらいの「ギバー」ですね。

パイを奪い会おうぜっていう人が「テイカー」で、
パイをでかくしようぜって人が「ギバー」ですね。

つまり、田村さんのことでいうと、
打ち上げの食費をとにかく豪華にして、そこにいる人に満足してもらおう、と。

そこにいる人みんなが「田村さんありがとう」って言ったら、
またいつかその人たちが田村さんにお礼をしてくれるかもしれない。

そっちのほうが、お礼量のほうが、
費用ケチって財布の中にいれたお金よりも大きいじゃん、って。

この考え方が「ギバー」の人には体に染み付いてるんですね。
べつに言語化しないまでも、体に染み付いてるんで。
「パイでかくしたほうがいいじゃん」って細胞レベルで反応してる感じですね。

一般的に言われているのは、
お金持ちと、小金持ち、貧乏人
3種類のタイプの結果があったとしてですね、

お金持ちは「ギバー」なんですよ。
で、小金持ちは「テイカー」。
そして、貧乏人はこれまた「ギバー」なんです。

「ギバー」「テイカー」「ギバー」の順番なんですね。

つまり「ギバー」は、
お金持ちにもなれば、貧乏人にもなる。

じゃあ、そのちがいってなんなんだ?

これも答えは出ていて、
「自己犠牲型か、他者志向型か」

自己犠牲型は、
自分が犠牲になってもいいからみなさんに与える
って人ですね。

こういう人は「テイカー」の獲物になってしまう。

とにかく与えてくれるんで、
「テイカー」からしたらそんないい話はないんですね。

基本的に食い物にされて貧乏になっちゃう。

一方ですね、
他者志向型の「ギバー」はですね、

相手が「テイカー」だとわかった瞬間、距離を置くんですよ。

「目先の利益とるやつだな。セコいな」
と思った瞬間に距離を置く。

自分が損する、っていうことを考えるんでしょうね。
パイが小さくなるとわかった瞬間に与えることをやめちゃう。

お金持ちになる「ギバー」と貧乏人になる「ギバー」は、
「自己犠牲型」か「他者志向型」か。

「ギバー」であればいい
ってわけでは決してないわけですよ。

相手が「テイカー」だった場合、
サッと身を引かなければいけない。

世の中のほとんどは「テイカー」だと思うんですけど、
「テイカー」はやめたほうがいいと思いますね。

道徳的にやめろって言うのではなくて、
昨日の話に通ずるんですけど、

そんなに利益がほしいんだったら、
ここを待ってパイをでかくしたほうがコスパがいいから、そっちにいけよ
って話です。

それに、「テイカー」の情報はシェアされてしまう。
「あいつセコいよ」って広まってしまう。

あと、奪うお仕事だから、奪い続けられる人を探し続けなければいけない。
休めないんですよ。「テイカー」って。

加えて、
「お金持ちのギバー」からは距離を取られてしまうので、
「貧乏人のギバー」からしか奪えないんですよ。

つまり、奪える量が少ないところから奪うしかない
っていうサイクルに入っているので、
コスパが悪いからやめたほうがいいと思います
って話です。

この話を聞くとですね、
「他者志向型のギバーになりたいな」
ってみんな思うと思うんですね。
お金持ちになってるんだから。

これは、育ちもあると思いますが、
でも、生まれ持った者では決してない。

「他者志向型のギバー」になるには、経験が必要です。

パイを大きくすれば得をした、という経験が。

それを体が覚えてしまったら、そのあとは
「他者志向型のギバー」として動けるようになるので。

まずは経験ですね。

やってみなくちゃわからない、っていうとこに行き着くと思います。

テイカーの食い扶持って減ってない?

そろそろまとめに入りたいんですけど、

お金持ちは「ギバー」
小金持ちは「テイカー」
貧乏人は「ギバー」

と一般的に言われているんですけど、
今日のタイトルが「奪う貧乏人と与える金持ち」
になっているんですが、「奪う貧乏人」って変だと思うんですよ。

奪ってる人は貧乏人になっていないじゃないですか。今の話だと。

「奪う小金持ちと与える金持ち」プラス「与える貧乏人」
のほうが正しいと思うんですが、

今日はあえて、
「奪う貧乏人と与える金持ち」というタイトルにさせていただいたのはなぜかと言うと。

あらゆるものをみんなでシェアしようって時代に入ってきたじゃないですか。

じゃあ、なんとなくですね、みんなの中で、
「相手がテイカーだった場合、距離を置く人」
の割合が増えて感じするんですよね。

つまり、誰とシェアしたいか?って話になってきている。

昔はSNSなんてなかったからさ、
「テイカー」であることってあんまり広まらなかったけど、
いまはすぐ広まるようになったじゃないですか。

だから「他者志向型」の人が増えた感じはしていて。

そうなると「テイカー」はずいぶん食い扶持を失っているな
と最近思うところで。

なので
「奪う貧乏人」=「テイカーである貧乏人」
ということです。

整理すると、
やっぱり持っておかなきゃいけないのは
「他者志向型」である、ということですね。

相手が「テイカー」だった場合、距離をとることが非常に重要で、
これが成功するためのひとつの要因である、と。

ただ、与えるということに関しては、
先天的なものではなくて、後天的なものである。

与えて、与えて、与えて、得をした。
という経験をしているか否かで大きく変わってくる。
だからまずは、与えてみるっていうことを重要ですね。

その上でどうなった?
を検証するのが大事だ、と思いました。

というわけで
「奪う貧乏人と与える金持ち」
というお話でした。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

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