AIが作れないモノを探せ【キンコン西野】
「今、人間の在り方(役割)を問われている」という話を掘り下げたいと思います
昨日の放送の中で、「ChatGPTを知らない日本の経営者、やばい」という話の流れから、「今、人間の在り方(役割)を問われている」という話をさせていただいたのですが、今日はそのあたりを掘り下げたいと思います。
自分も分からないなりに色々と探っていて、「ああ、こういうことだよなぁ」と思ったことがあったので、その共有です。
まずは、ちょっと昨日の「おさらい」なんですけども…少し苦手な表現なんですけども「ブルーカラー」と「ホワイトカラー」と呼ばれる仕事があります。
いわゆる「肉体労働系仕事(現場仕事)」と「頭脳労働系仕事(事務職)」ですね。
便宜上、こういう分け方をしているだけで、肉体労働系仕事の方が頭を使っていないとは1ミリも思っていません。くれぐれも。
で、前までは、このブルーカラーのお仕事が「ロボットに取って代わられる」と思われていましたが、意外と「人がやらないといけない部分(ロボットが代替できない部分)」が多くて、「AIに仕事を奪われる」みたいなことは、そこまで起きていない。
一方で、「これは人間にしかできない」と思われていたホワイトカラーのお仕事は特に去年の夏あたりからAIにガンガン攻め込まれていて、たとえば僕まわりだと、「ビジュアル開発」「コンセプトデザイン」といったお仕事はAIの得意領域で、そこを生業とされていた方は今、結構、大変だと思います。
データが多ければ多いほど、AIの得意領域になるので、「萌え系」のキャラクターのデザインなんかも焼け野原状態です。
「アイデアを販売する仕事はロボットには代替できない」と思っていたんですけども、アイデアというのは「自分が過去に見てきたものの編集作業」なんで、AIと仕事がモロかぶりだったんですね。
「服のデザイン」「作曲」、このあたりもAIに取って代わられると思います。
というか、「AIに大量にプロトタイプを作らせて、それをヒントに人間が作っていく」というのが現実的だなぁと思います。
「ゼロ→1の作業をAIが担当して、味付けを人間がやる」みたいな世界線です。
「ゼロ→1」の作業こそが人間の仕事だと信じて疑っていなかった僕らからすると、まさかの展開なのですが、かなり面白い展開でもあります。
「この時代に僕らはどう生きるか?」「どこに人間の役割(人間じゃないとできない仕事)を見出すか?」というのが大きなテーマです。
バンドザウルスのNFT、「生みの親」の名前が出るようになってから...
そんな中、最近、個人的に面白がっていることがありまして、本当にちょっとしたことなんですけども、皆さん大好き「バンドザウルス」のNFTオークションページって、日々、アップデートを続けておりまして、数日前から、NFTとして出されるミニザウルスの生みの親の名前がサイトに出るようになったんですね。
昨夜、さらにアップデートされまして、サイト内にあるTwitterのシェアボタンを押すと、Twitterの方にも「生みの親」の名前が出るようになったんです。
なので、オークションで入札される方、オークションを見守っている方は、「誰が産んだミニザウルスか?」が分かるんですね。
ちなみに昨日は1.2ETHで落札された『RAINBOW』という名前のミニザウルスは、フルネームが「RAINBOW Kuria Jr.」となってまして、「くりあ」サンという方がAIで作られたミニザウルスなんですね。
この「くりあ」サンの昨夜(オークション終了後)のツイートが素敵で、ちょっと読み上げると「本日オークションが無事に終了しました。我が子が誉められている感じで、めちゃくちゃ嬉しいです。サカモトさん、ありがとうございます。次回のオークションは『DOMISO』」とツイートされていたんです。
「サカモトさん」というのは、「RAINBOW Kuria Jr.」を落札された方。つまり、「育ての親」ですね。
そして、『DOMISO』というのは、今日、オークションにかけられているミニザウルスの名前です。
オークション中、「生みの親」はドキドキしていて、落札されたら「生みの親」はホッとして、そして、「育ての親」にお礼を伝えて、そして、次に出されるミニザウルが無事に迎えてもらえるように宣伝をする…ということをやっている。
この感情を創造することは、まだAIにはできない
「生みの親」の名前を開示するようになってから、この動きが加速したんですけども、この「ヒヤヒヤする」とか「ホッとする」とか「感謝を伝える」とか「次の子のことを想う」とかって、まるで合理性の無い感情ですが、僕らはこの感情には心当たりがあるじゃ無いですか?
この感情を創造することは、まだAIにはできないんですね。
「親の名前を開示したら、人間がドキドキして、そこにコミュニケーションが生まれ、そのコミュニケーションは価値になる」というところまでは考えられない。
そういう「AIの隙間」を探すのは凄く大切なんだろうなぁと思います。
偉そうに語っていますが、僕もまだまだ分からないことだらけなので、また発見があれば、共有させていただきます。
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