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キンコン西野が人生をかけてやりたいコト

このnoteは2019年11月15日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:Zabu(ザブ)さん

おはようございます。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

学生メンバー限定の講義を始めたよ

近況をお話するとですね、昨日、僕のアトリエにオンラインサロンの大学生15人を招待して、講義みたいなことをやってみました。

すごい楽しくて、だいたい自分が講演会とかする時っていうのは1000人とか、場合によっちゃもっと大きいところでやったりとか、すごい広いところでやる企画が多いんですけど、

今回は15人で、アトリエのサロンの会議室でですね、15人入ればいっぱいになるようなところで、今の広告戦略のことを話しました。

どの活動を今後していくにしても広告のことっていうのは外せないと思うので、大学生のうちから知っておいたほうがいいだろうなぁ、と思って。昨日と、今日の夜もあるんですけど、大学生を15人招待して、広告に関する講義をしてみました。

講義終わりで質問が飛んでくるんですけど、その質問が学生さんっぽくて初々しくてよかったなぁ。楽しかったので、こういうのは続けていこうかなぁと思っています。

西野 学生

ほんとはね、小学生とかもアトリエに招待してそんなことしたい。
小学生のうちからお金の勉強とかしておいたほうがいいと思うから。

いまはお仕事が立て込んでいて、やらなくちゃいけないことがたくさんあるので、時間の様子見てそういったことも今後やっていこうかなぁと思います。

僕のとこのアトリエけっこう楽しいんで。
えんとつ町の雰囲気なので、そこに入るだけでも楽しいと思うんで、
こういうとこに招待して講義みたいなことをやっていきたいです。

というわけで、今朝は、
「キンコン西野が人生をかけてやりたいコト」
というテーマでお話したいと思います。

感情は筋肉に引っ張られる

いろいろあるんですよ、やりたいことっていうのは。
楽しい作品たくさん生みたいし、戦争とか貧困みたいなのも終わらせたいし、楽しい空間作りたいし、美術館作りたいし、町作りたいし、図書館作りたいし、キッズパーク作りたいし、学校作りたいし、みたいな。
言ってたらキリがないんですけど。

もうちょっとキュッと自分がやりたいことを一言で説明できるといいなぁ、と常日頃思っておりまして、

そんな矢先ですね、個展なんかをやっているとお客さんのリアクションをずっと見ちゃうんですね。あのお客さんニヤニヤしてくれてるなぁ、とか。

そこでやっぱり、ハッと気づいたんですけど、
ちょっと話がググッと飛ぶんですけど、

吉本興業ってお笑いの劇場が全国に10個くらいあるのかな。
自分もその劇場出身で、大阪の地下の劇場でうまれた人間なんですけど、

いろんな劇場をまわっていると、よくウケる劇場と、お客さんが重いな、って劇場があるんですね。

キングコングが、ってことじゃなくて芸人全員が「この劇場ではすごくウケるのに、この劇場ではウケないよね」って。劇場によってウケる劇場とウケにくい劇場っていうのは実際問題あってですね。

この問題をずっと知りたかったんですよ。デビュー当時から先輩方が「あの劇場、お客さんいっつも重いなぁ。悪い気が流れてんのかなぁ」みたいなことを言っていて、僕は「気」みたいなものをあんまりアテにしていない人間なので、もうちょっと明確な理由がほしかったんですね。

つまり「ウケにくい劇場」と「ウケる劇場」の差はなんなんだ、と。
それを「運気」みたいなことで片付けはなくて、なにかあるぞ、と原因理由が。

で、通ったんですよ。いろんな劇場を。
出る側からやっていても見えてこないので、お客さん側から、客席からずっとお笑いを見て。

なんでこの劇場はウケるんだ、なんでこの劇場はいつも重いんだ、ってことを見比べてるうちに見えてきたんですけど、答えが。自分なりの答えですよ。

これは何かっていうと、
よくウケる劇場っていうのは、ステージが客席より上でにあるんですよ。
吉本の劇場の話ですけど、「あの劇場ウケるよね」って言われてる劇場はステージが上にある。
「あの劇場重いよね」っていう劇場はすり鉢型で、ステージが客席より下にあるんですよ。
客席がひな壇型になっていて、1番下にステージがある。

今はなくなってしまったんですけど、梅田花月っていう劇場がその形でですね、客席がすっごい急勾配で、下のほうにステージがあるんですね。

梅田花月はほんっとに重かったんですよ。いつも。

これはなんなんだって考えた時に、梅田花月の劇場でお笑いを見ている時に気づいたんですけど、ステージが客席より上にあると、上を向くから口が開く。そうすると、口角があがる。

つまり、笑うまでの距離が近いっていうことですね。

で、下を見ちゃうと、首の角が顎引く形になるじゃないですか。みなさん顎を引きながら試していただきたいんですけど、顎を限界まで引いて笑うって、めっちゃ体力使うんですよ。コストがかかるってことです。

そこでわかったんだけれど、人の感情っていうものは、筋肉に引っ張られることがあるな、っていうことです。

笑ってると楽しくなるし、悲しい顔してると悲しくなる。

たとえば、高い建物とか星空とか見た時に、自然とニヤニヤしちゃうじゃないですか。
東京タワーみたらなんかニヤニヤしちゃうじゃないですか。
あれはシンプルに、その時点で口角が上がっている、っていう。

笑うまでの距離が近い。笑うまでに費やすコストが安い。ってことですね。

で、ここだ!と思って。

シンプルに人を笑わせたかったら、単純明快、上を向かせてしまえばいいんだってことです。

その時からですね、実は、個展の絵の展示方法とかも大きく変わってですね。
どこかで画像を取り寄せてみていただきたいんですけど、それこそ、

先日のエッフェル塔の個展とかって、「光る絵」をバーって積んでるんですけど、入り口から1番奥にかけて「光る絵」の高さがどんどん上がっていくんですよ。

最初は3段くらいだったのに、途中から「光る絵」が4段になり、5段になり、ついには6段になり、みたいな。
1番奥のほうはだいぶ見上げないといけないんですよ。

結局それでずっとお客さんの表情の変化をみていたんだけど、最初から最後に向けて、笑顔の量が増えた。
つまり、シンプルに上を向けせてしまえばいい。

結論ですね、僕が人生かけてやりたいコトはというと、
お客さんを上向かせる

なので、上の方に見たくなるものを配置する、っていうことですね。

ポイントは、みたくなるようなものじゃないといけない。っていう。

上の方に対しておもしろくないものを配置したところで、お客さんは上を向かないので、非常にみたくなるものを、ビジュアルとして強いものを、上の方に配置する、っていう。

ここに尽きるな、と思いました。

なので、空間作る時も、見上げるように設計するし、
最終的にそれをしてしまえば、笑顔の総量が増えるなぁ、と思ったので。

それこそ、星空に関する物語をたくさん書いて、ファンが増えれば増えるほど、星空を見た時にみんなが思いを馳せてくれるわけじゃないですか。

「西野の書いた星の話」みたいなことと、実際の頭の上にある星空を照らし合わせていったら、星空をみる時間を増やしてしまえば、笑顔の総量が増えるなぁ、と思ったんで、

たとえば、ひとつ星空の話書くとか。
たとえば、背の高い建物を作るだとか。

そういうことで上を見させてしまおうっていうことを、最近、結論しました。

キンコン西野が人生かけてやりたいコト
っていうのはすごいシンプルで、

上を見させる。
それによって、笑顔の総量を増やす。

そういうとこです。

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というわけで、今朝は、
「キンコン西野が人生をかけてやりたいコト」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

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