数値化されない「仕入れ」を安く見積もるな byキンコン西野
このnoteは2020年8月30日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:ヤタでもハチタでもない石川県金沢市ハッタマコト さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「数値化されない「仕入れ」を安く見積もるな」
というテーマでお話しします。
毎度、Voicyという音声メディアで配信した音源をYouTubeにコピペさせていただいているのですが、Voicyの方はだいたい朝7時に配信しているんですね。
「だいたい」というのがポイントで、時々、7時に配信できない日もある。
そんな時は、仕事でバタついているフリをしているのですが、まさかそんな早い時間から仕事があるわけがなくて、配信が遅れている理由というのは、シンプルに二日酔いです。
そして、今日がそれです(笑)
昨夜は、僕がYouTubeのメンバーシップで毎月(ほぼ)2回配信させてもらっている「スナック西野」の収録があって、それこそ音声メディアVoicy代表の緒方さんに起こしいただきました。
そこでの話が本当に面白くて、詳細は本編の配信をご覧いただきたいのですが、途中、一部分だけピックアップして、二日酔いなので、かなり解像度粗めにお話ししたいと思います。
今日の話に無理矢理テーマをつけるとしたら「仕入れ」というところになると思うのですが……これは僕自身、普段からメチャクチャ心掛けていることです。
今って、発信することで食っている人が増えましたよね。
それこそ、 YouTuberさんなんてまさに。
僕は相方が YouTuberなので、その大変さを近くで見ているから、「とても僕にはできない」と思って、本当に尊敬しかないのですが…たとえばYouTube一つとっても「YouTubeのアルゴリズム」というものがある。
こういうのは大体、YouTubeの運営側に立って考えるのが基本なのですが、それこそYouTubeだったら「YouTube上でのユーサーの滞在時間を長くしたい」という運営サイドの下心がある。
だから、それをしてくれる動画を優先的にオススメしたりするので、 YouTuberさんは「なるべく長く見られるような動画を撮ろう」という発想になる。
かなり雑な説明をしちゃっている感はありますが、ザックリ言うと、その逆算の連続が再生回数やチャンネル登録者数に繋がるわけですね。
この時に本当に気をつけなきゃいけないのは「アルゴリズムの奴隷にならないこと」です。
「こうすれば再生回数が増える」「こうすればチャンネル登録者数が増える」という方程式は確かにあって、そこを踏襲すれば、個人差はありますが、結果は出る。
この結果は結構中毒性があって、いつからか自分の中で「再生回数を増やすこと」や「チャンネル登録者数を増やすこと」が最優先事項になってくる。
動画を出したら、数時間おきに再生回数をチェックしてしまうような生活になる。
当然、仕事としてやる以上は、数字で結果を出すというのは非常に重要なのですが、それより何より重要なのが「そのアプローチが持続可能か否か」という部分です。
これ、オンラインサロン運営でも全く同じなのですが、すでに自分が持っているものを切り売りしてしまうと、いつか終わりが来る。
緒方さんが昨日言っていたのは、「配信サービスは『毎日配信すること』が大切なんだけど、視聴者が配信者に直接課金する系のサービスなんかは、半年もすれば『〇〇さん、ありがと〜』しか言っていない配信者が多い」と。
確かに思い当たるところがあります(笑)
要するに「発信」ばかりに気をとられて、自分の中に新しい情報を仕入れてないんですね。
僕、オンラインサロンに毎日2000〜3000文字の記事を投稿しているのですが、ネタが切れない理由は一つ、一日の大半の時間を「仕入れ」に割いているからです。
「仕入れ」と「発信」の割合は、だいたい9:1ぐらいで、僕、ずっと仕入れています。
いろんなところに出て行って、知らない人にたくさんあって、知らない情報をたくさん食べて、咀嚼し、翌日に発信する。
その為に、「レギュラー仕事」は、なるべくやらない。
そして、「できるようになった仕事」も、なるべくやらない。
どちらも、発見(新ネタ)が少ないからです。
で、ここが一番大きなポイントなのですが、「仕入れ」って数値化されないんです。
発信だったら「再生回数」だとか「チャンネル登録者数」だとか「いいね数」だとか「リツイート数」だとかで、結果が数値化されるのですが、仕入れは数値化されないので、どれだけ仕入れたのかが分からない。
前に進んでいることが確認できない。
これ、アルゴリズムの奴隷になってしまっている人(数字で安心する身体になってしまった人)には辛すぎる環境なんですね。
ただ、先ほども申し上げたとおり、発信を続けようと思ったら、当然、息切れしない体制は必要で、その為には「仕入れ」が大事になる。
ここを怠った発信の行く末は「過激さ」を足していくしかなくなるので、いつかインフレを起こす。
相方のことをいうのも恥ずかしいですが、カジサックが見事なのは、「子供が成長し続ける」という点です。
入園式、お遊戯会、初めてのおつかい、入学式、遠足、はじめての海外旅行…子供がいる限り、ずっと行事があり続けて、その都度、ネタが生まれるので、そこを持っているのは本当に強い。
僕、お世辞抜きに、YouTuberで一番凄いと思っているのはカジサックなんで(笑)
数値化されないから、後回しにしがちですが、発信する時代だからこそ、この「仕入れに時間を割く」というのは非常に重要だと思います。
というわけで、
「数値化されない「仕入れ」を安く見積もるな」
というテーマでお話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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