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「動機」を重く捉えている人が大成しない理由 byキンコン西野

このnoteは2021年1月28日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:まずは孤独死をなくします 生前整理士のほんごうかずひこ さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。


本題に入る前に近況報告をさせてください。
「キンコン西野と一緒に『映画 えんとつ町のプペル』を見る会」の全国行脚が続いております。

スケジュールは以下のとおり↓


【28日】

・MOVIXさいたま(大宮)
(16:15~)
→https://www.smt-cinema.com/sp/site/saitama/index.html

【29日】
・シネマ太陽函館
(9:00~)
→http://www.taiyogroup.jp/movie/hakodate/

・札幌シネマフロンティア
(17:25~)
→https://www.cinemafrontier.net/cgi-bin/sp/schd/ttl_list.cgi?tsc=1&ymd=2021-01-29

・ユナイテッドシネマ札幌
(22時~)
→https://www.unitedcinemas.jp/sp/sapporo/index.html

【30日】
・チネチッタ川崎
(15:05~)
→https://cinecitta.co.jp/

・TOHOシネマズ日比谷
(18:05〜)
→https://hlo.tohotheater.jp/net/schedule/081/TNPI2000J01.do

【31日】
・TOHOシネマズ梅田
①9:40~
②12:00~
③14:20~
→https://hlo.tohotheater.jp/net/schedule/037/TNPI2000J01.do

#大阪は三回連続で観ます


…とにかく今日も売れたくて必死です。

ちなみに、1月25日〜1月31日までの映画のチケットの半券が、オンライン講演会『教えて!西野先生!モノづくりと、とっても大切な「お金」と「集客」の話』の参加チケットとなりますので、捨てずに持っておいてください。

参加方法など、詳しくは『映画 えんとつ町のプペル』のホームページまで。

(※こちら↓)

こうして作品を世の中に発表すると、いろんな意見を頂戴するんです。

で、これはくれぐれも言っておきますが、作品の評価というものは、それが自分の意に反してようが、どこまでいっても個人の感想だから、制作者は「ああ、そういう感想もあるんだなぁ」と受け入れるべきだと思うんですね。

たとえば、僕、『パラサイト 半地下の家族』の後半がチョット苦手なんです。
でも、それって仕方ないじゃないですか。「苦手」と思ってしまったのは事実なので。

勿論、だからと言って、『パラサイト 半地下の家族』を高く評価している人のことは否定しません。
そこに対しても「そういう感想があるんだなぁ」といった感じです。


今回、岡田斗司夫さんが『プペルはここがダメ!』というサムネイルで動画をアップされていたので、見てみたら、なんてことはない「プペルを観ない理由」だったんですね。

「僕は、こうで、こうで、こうだから、プペルは観ません」という。
それはそれで、人それぞれ考えがあるでしょうから、別にいいなぁと思いました。

ただ、一点。

「面白いアニメは必ずオタクに見つかって2次創作(パロディ)されるんですよ。プペルは無いでしょ?」みたいなこと言っておられたのですが、さすが雑すぎると思いました。

おそらく岡田さん的には、「あのアニメも、このアニメも、そのアニメも、2次創作されるじゃん。ほら、面白いアニメは2次創作されるんだよ」といった感じで展開したいと思うのですが、それは「面白くて2次創作されているアニメ」だけを抽出しているだけの話で、「面白くて2次創作されていないアニメ」を除外して数えてしまっているから、統計の取り方を大幅に間違っちゃってるんです。

「売れるコンビ名には『ン』が入っている」的な。
「ダウンタウン、ナインティンナインティ、ウッチャンナンチャン……ほらね!」的な。

……『ン』は、売れてないコンビ名にもたくさん入っています。

そもそも岡田さんの二次創作が「どこからどこまで」を指されているのかよく分からないのですが、たとえば『トイ・ストーリー』のグッズはたくさん出ますが、同人誌は出ません。

フィギュア一つとっても、秋葉原に並ぶフィギュアと、トイザラスに並ぶフィギュアは違うわけで、2次創作の有無には、「面白い・面白くない」という軸の他に、「2次創作しやすい・しにくい」という軸と、「どの領域で2次創作されるか?」という軸が複雑に絡みあっているんです。

たとえば、岡田さんの生活圏にはプペルの二次創作がないかもしれないけれど、プペルの二次創作なんて大量にあるわけじゃないですか?

グッズだけじゃなくて、ついには、プペルのバスとか、プペルの幼稚園とかができてますが、あれは僕ら(公式)が仕掛けているわけじゃなくて、ファンの方がやっているやつです。

さらには、YouTubeで『えんとつ町のプペル』で検索したら、もう、何百…下手すりゃ千を超える動画がアップされている。
そして皮肉なことに、岡田さんの動画もその中の一つにカウントされている。

そして僕は、「グッズが多いから良いアニメ」とは思わないです。
「グッズにしやすかったんだな」と思います。

「動画が上がっているから良いアニメ」とは思わないです。
「動画にしやすかったんだな」と思います。

僕は松本大洋さんの漫画や、それがアニメ化された先品が好きなのですが、松本大洋さんの作品って、そこまで二次創作はされていないんです。
難しいんですよ、あの絵を描くのって。

「面白いアニメは二次創作がある」というのは、「僕が好きなアニメは、僕の生活圏で2次創作が起きている」だったら言い分として分かるんですけど、そういう個人の話ではなく、業界全体を見渡した感じの言い方だったので、「どうした岡田さん。今回はずいぶん雑ですね」とは思いました。

サムネのデザインから始まって、今回の岡田さんのお仕事はヘイトを集めて再生回数を稼ぐ売れないYouTuberの仕事で評論に値しない。

あのポジションを守りたいのであれば、もう少しだけ視野を広げて、勉強された方がいいと思います。

まぁ、岡田さんはチョット雑でしたが……ただ、「ああ、なるほどなぁ、そういう考えもあるのかぁ」と思うような意見を出されている方もいました。

面白かったのは、「主人公のルビッチが星を見る為の行動の動機が弱い」という意見です。

要するに、「たった、それしきの動機で、あんな大それたことを起こすハズがない」ということですね。
「星を知らない町で星を見るというのはよっぽどのことなので、相応の覚悟を持ち合わせていないとおかしい」と。

この指摘はメチャクチャ面白いと思いました。
そう考える人がいて当然だなと思います。

ルビッチが星を見る理由って、「父ちゃんが言っていたことを確かめたい」なので。

それにしては、大それたことをやっている(笑)。

この指摘って結構、共感を生むと思うんですよ。

「企画立ち上げの時の覚悟と、行動の規模というのは、比例関係にある」という考え方ですね。

その言い分って超分かるんけど……僕は、それを幻想だと思っています。

たとえば!

僕でいうと、今、エンタメを中心に事業を横展開して、果ては「世界を獲る」とか言って、行動していますが、今のような覚悟を持ち合わせてスタートしたわけじゃないんです。

酒場でタモリさんから、「お前、絵を描け」と言われて、なんか面白そうだから、次の日からノリで始めて、コロコロ転がっているうちに、少し結果が出て、その後、欲が出て、それがモチベーションとなり……徐々に徐々に膨れ上がっていて、今に至ります。

今はもう強大な覚悟と欲を持ち合わせておりますが、走り始めた頃は、こんなものは持ってませんでした。

今回のご意見を頂戴した時、多くの人は「動機や覚悟の後に行動がある」と思い込んでいるから、いつまで経っても行動できないんじゃないのかなぁ?と思いました。

「腹が減ったから飯を食う」みたいな順番で、「立派な動機があるから、大きな行動ができる」と思っている方って、結構多そうです。

が、実際問題、「立派な動機」なんて、成功した時に皆を納得させる為の「後付け」であることがほとんどです。


僕の友達には、国を代表する各界のトップランナーがたくさんいますけど、皆、最初は「なんか面白そう」ぐらいで走り出しています。
全員、そこそこバカです。

立ち上げの段階で、圧倒的な動機があって、今、大きな活躍をしている人って、僕はあまりお見かけしたことがないんですね。

是非、皆さんの周りで大きな結果を出した人に「立ち上げ時の動機・覚悟は、ぶっちゃけ、いかほどのものだったのか?」を聞いてみてください。
おそらく、ほとんどの方が「なんとなく」で始めていて、そんな立派な動機は持ち合わせていないと思います。

「主人公のルビッチが星を見る為の行動の動機が弱い」という意見を出された方は、「酷評」という感じでお話されていましたが、いやいや、作品から、こういう議論が生まれるのはメチャクチャ面白いなぁと思います。


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