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商品を売るか、物語を売るかbyキンコン西野

このnoteは2020年7月13日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:すだちレンジャーにゃむ  さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「商品を売るか、物語を売るか」
というテーマでお話しします。

もっとも利益率が高い商品は「物語」だ

以前、「負ける人の共通点」という回で、「取り分が確認できてから動く人は絶対に負けちゃうよね」という話をさせていただきました。

行動を起こす前に「それ、どんなメリットがあるの?」とやたらリサーチする人っているじゃないですか?

石橋を叩いて渡る人ですね。

「この橋は安心できる橋なのか? 過去に何人が渡ったのか?」と。

ただ、ここに大きな矛盾がはらんでいて、「この橋は100人が渡っていて、崩れない橋です」という確認できた時点で、橋の向こう側のシェアは取られているから、今さら橋を渡っても手遅れなんです。

今さら、タレントがYouTubeを始めても難しいじゃないですか?

ただ、石橋を叩いて渡って、唯一勝てる人がいます。

それが「大資本」です。

橋の向こう側の土地は取られているというのに、「関係あらへん」といった感じで、4tトラック20台で橋を渡って、資金力に任せて土地を買い上げることができる人ですね。

これが「大資本」の基本的な戦い方なんですけど、僕らの身の回りによくいる「それ、どんなメリットがあるの?」と取り分が確認できるまで動かない人というのは、資本力が無いくせに大資本の戦い方をしちゃってるんです。厳しいです。

タレントがYouTubeを始めることは、そりゃ簡単ですよ。

当然、今からでも始められる。

始めるのは簡単ですけど、「始めたところで、どの枠を取るの?」という話です。

家族を前面に打ち出すのはカジサックがやっているし、教育はオリラジの中田君がやっているし、時事を斬るのはホリエモンやDaiGoさんがやっている。

当然、企画モノに関しては、はじめしゃちょーさんや、ヒカルさんや、ラファエルさんが押さえている。

ここから、まくるのはなかなか大変ですよ。

(※可能性はゼロではないと思います。ロザンさんのYouTubeおもろい)

つまり、YouTubeが強固な橋であることは分かっているんだけれども、橋を渡った先はもう土地が余っていない。

こうして「取り分が確認できてから動いちゃう人」は負けていく。

この話をした当時、「先行者利益は確実にありますよ」という話をさせていただきました。

先行者は「土地を押さえられる」というのは勿論のこと、誰よりも早くその地に飛び込んでいった人間は「迫害を受けたことがある」というファンの結束力をいただけます。

それが強い。

その力は、後から来た大資本がお金で買える力でなないので。

キングコング西野を分解した時に、「日本中から夢を笑われた」というのは、やっぱり一つのブランドになっていて、今現在挑戦をして、笑われ、叩かれている人の精神的な支えになることができる。

「いや、俺もシンドイけど、西野さんは国中から叩かれているのに、それでも前に進んだんだもんな。頑張ろう」という。

実は僕には、「はい。準備が整ったので、今日から日本中をひっくり返しますね」と狼煙をあげた日が明確にあって、2016年の9月7日のLINEブログで「反撃ですよ」というタイトルで記事を書いているのですが、そこで書いている内容ってシンプルなんです。

「キングコング西野を叩いていた日本中の皆様、残念ですが、あなた方の負けです」っていう(笑)

恐ろしい記事ですね(笑)

それは、『えんとつ町のプペル』という絵本が完成したタイミングですね。

で、ちょうどその時の自分の心境と戦略を綴った「革命のファンファーレ」というビジネス書があるんですけど、今から4年前の本ですが、実は、今なお重版され続けているんです。

肌感でいうと「半年前にでた本」ぐらいのペースで、ず〜っと重版され続けているんです。

(※先週も重版が決まり、さらに今日も重版が決まりました)
https://www.amazon.co.jp/dp/4344031555/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_jkddFb8CPDMN8

『革命のファンファーレ』は「迫害を受けながらも挑戦する人のバイブル」になっているということです。

これこそが「先行者利益」です。

で、今回、お話ししたいことはココからです。

それは、「商品と物語、どっちの方が利益を出すんだ?」という問題です。

ちなみに僕は今、まったく違うやり方で新しい絵本を作っています。

スクリーンショット 2020-08-05 14.42.59

著者印税が10%だとして、1500円の絵本が1万部売れたら、著者に入ってくるお金は150万円です。

ちなみに、絵本で「1万部売れる」なんて、なかなか無いですよ。

で、僕は、その裏でオンラインサロンをやってます。

ここでは、僕の最新ビジネスに関する仮説・検証・レポートが毎日投稿されているわけですが、現在68000人の会員がいて、月額1000円なので、単純計算すると月の収益は6800万円ですよね。

これを日数で割ると、一日の記事(一記事)の売り上げは約220万円。

この記事というのは、商品ができるまでの物語を書いています。

勿論、こんな大金を僕は懐には入れませんよ。

次の制作費に回したり、被災地や国内外の子供達に寄付させていただいたりしています。

ここで、お話ししたいのは、「商品よりも物語の方が利益を出している」ということです。

僕のオンラインサロンは大きくなっているので、そのまま参考にすることはできないとは思いますが、この時一つ確かなことは、「石橋を叩いて渡っていたら物語は生まれない」ということです。

僕が実験を続けているから、僕のオンラインサロンは読み物として成立しているけれど、皆が結果を知っていること書いても読み物にならないんですね。

つまり、石橋を叩くことによって、もっとも利益率が高い商品を手放すことになる。

石橋を叩く際に、ここは天秤にかけて、判断された方がいいと思います。

というわけで、
「商品を売るか、物語を売るか」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
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