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これから皆がやりそうだけど、絶対にやめた方がいいコトbyキンコン西野

このnoteは2020年4月1日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:榊原 敏満 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
「これから皆がやりそうだけど、絶対にやめた方がいいコト」
というテーマでお話したいと思います。

○○だけはするな!

世界中に大打撃を与えている新型コロナウイルス、いよいよあのバケモノの輪郭が少しずつ見えてきたと思うんですね。

当初は、感染したところでほとんどの人は症状が軽いから、そこまでおびえる必要はないとみんな言っていたと思うんですけれども、これがむしろ逆で。

症状が軽い人がほとんどだったため、コロナに感染している自覚がない人たちが誰かに感染させてしまっているという、この最悪の連鎖が起きていたことに気が付いたっていうのが、今ですよね。

100人が100人、重い症状が出ていれば、ここまでの感染爆発は起きなかった。

そういった点では、症状を表に出さないっていうのは、ウイルス側の生き残り戦略としては、めちゃくちゃ正しかった。

なかなかクレバーな相手だなということを思います。

僕はウイルス研究者じゃないので勝手なことは言えないのですが、ただ、去年『チックタック 約束の時計台』っていう本を出したのですが、この絵本の主人公の女の子が、飛沫感染する奇病にかかった物語なんですね。

なので実は、『チックタック 約束の時計台』を書くときに、感染症のことをずっと、まとめて勉強しました。

そのときに、「あぁちょっとこれこわいなー」と思ったのが、鳥インフルエンザウイルスだったんですね。

当時、テレビでも報道されていたと思いますが、「H5亜型」という毒性のウイルスですね。

これはずっと、鳥から鳥へと感染していたんです。
100万羽とか、処分されたニュースが結構あったと思います。あれですね。

ずっと鳥から鳥へと感染していたのですが、ところが、ごくごく稀に鳥から人へ感染ってしまうことがあった。

これが結構なニュースで、大変だ大変だってなったのですが、それでも人から人への感染ではなかったんですね。

鳥からの感染はありましたが、それをもらっちゃった人が別の人にうつすっていうことは確認されなかったんですね。

これ、なんで無かったかって言うとですね、

ウイルスの増殖に適した温度っていうのがあって、鳥インフルエンザウイルスは鳥の体温に近い、だいたい42~43度ぐらいで増殖するんですよ。

なので、仮に一人の人間に感染したとしても人の体温では鳥インフルエンザウイルスは増殖しませんから、他の人に感染しにくかったんですね。

毎年流行っているインフルエンザは、人の体温で増殖するインフルエンザで、42度で増殖する鳥インフルエンザとはまた別モンなんですね。

ところが、ちょっとやっかいなことがありました。

鳥と人のちょうど中間の体温を持つ豚が、時々、人のインフルエンザと鳥のインフルエンザの両方にかかってしまうということがわかったんですね。

これが繰り返されると、豚の体内で両方の遺伝子が混ざってしまって、人の体温に適用する新型ウイルスを産んじゃう可能性がめちゃくちゃ高かったんです。

で、これまで体温の壁でウイルスをブロックしていたのが、ウイルスも、あの手この手でそれを超えてくるんですね。

あいつらものすごい勢いで進化するんですよ。

なので、当時から、今日のようなパンデミックが近い将来100%起きるってこともわかっていて、それがいつかっていう話だったんですよ。

で、ここからが本題です。

ウイルスの種類っていうのは当然、山ほどあるわけじゃないですか。星の数ほどあるわけじゃないですか。

体温の壁を越えてきた鉄砲玉が、新型コロナウイルスだったというだけで、今回で終わりじゃないぞという話です。

今回の新型コロナウイルスだけでもそれなりに長期戦になるだろうし、それが終わってもまた新しい奴がやってくる可能性はゼロじゃないっていうことですね。

死に物狂いでラディッツを倒したらベジータが来て、全員野球でベジータを倒したら今度はフリーザが出てきて、みたいな時代に僕らは生きているって考えた方がいいと思います。

で、昨日のブログにも書いたんですけどね、

僕らはコロナを感染症として捉えるのではなくて、一つの「時代」として捉えた方がよくて。

インターネットが世に出てきた時のように、スマートフォンが世に出てきたときのように、僕らは今、生き方改革、働き方改革を求められていて。

要するに変わらなきゃダメだし、攻めなきゃダメなんですよ。

まぁいつかは、いまの状況ては過ぎ去るものではあるのだが、どうせまた別の奴が来るんで。

この状況を耐えしのぎながら、戦える体を作っておかなくちゃいけないんですね。

その時に、本当に気をつけた方がいいのが、誤った節約、間違ったコストカットです。

みなさんもそうだと思いますが、経済活動が止まっちゃうと、お金に追い込まれるので、当然いろんな経費をカットしていこうって考えると思います。

でも、なんでもかんでもカットしちゃダメで、戦うための情報や武器や食料はしっかり確保しておく必要がある。

特に情報です。まずは。

情報を絶って籠城を決め込んでしまうと、それこそ防戦一方になってしまって、体力が削られていくだけの生活になるから。

で、いつか終わりが来ちゃうから、それだと身を守るには、自分の身もそうだし、家族の身もそうだし、スタッフの身もそうだし、たくさんの人を守るには、

「城を出て北に半日歩いたところに、実がなっているリンゴの木があるよ」っていう、そういった情報を逐一仕入れておかなくちゃいけない。

そして、そのリンゴを取りに行く際の歩き方や戦い方を身につけておかなくちゃいけない。

手持ちの資金が減っていくと、あれやこれやとカットしたくなる気持ちって、もうめちゃくちゃわかります。

だって怖いじゃないですか。

貯金残高が減っていくんだから。

で、しかも、今のこの病がいつ治るかもわかんないけど、減るスピードをゆるめたいじゃないですか。

だからコストカットしたくなる気持ちはめちゃくちゃわかるし、コストカットすることは正しい判断だとは思うんですが、

売上を作るためのコストは、絶対にカットしちゃいけない。

これ投資だと思ってくださいっていう話ですね。
昨日の夕方ぐらいに、僕らが展開しているウェブサービスの、追加の機能を提案しました。

「こういうの足しませんか」っていうのをスタッフさんに提案したんですね。

もちろん、新たにそこはちょっといじるわけですから、開発コストはかかるのですが、ここは売上を作るためのコストなので、これをカットしちゃダメなんです。

攻めのためのリソースなので。

当たり前ですが、試合は点を取らないと勝てないので、きちんと守りを固めつつ、これは非常に重要なことですが、攻めることも忘れちゃダメだよっていう話ですね。

昨日スタッフさんに提案したウェブサービスは、既存のサービスにちょっと付け加えるものですが、まぁそこまで複雑なものじゃないと思うので、早ければ一週間くらいで形にできると思います。

僕にはサロンメンバーが4万2000人(2020年6月現在は6万人超)いるのですが、この4万2000人のサロンメンバーに「守る」とか言っちゃってるんで。

その中でも今回は、メンバーの飲食店の売り上げに、少し助けになるようなサービスです。

これは開発の目処が立てば、サロン内で共有したいと思います。

というわけで、まとめると、

今日のテーマの答えは、「誤った節約」です。

間違ったコストカット、これだけは絶対やっちゃダメ。売り上げを作るためのコストだけは絶対削っちゃダメです。

もうその時点でも負けが決定してしまうから。

ちょっと痛いかもしれないけど、確保しておかなくちゃいけないですよっていう話でした。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。



※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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