20190929_オンラインサロンって

『オンラインサロン』って稼げるの? byキンコン西野

このnoteは2019年9月29日のvoicyの内容を文字起こししたものです。

おはようございます。
キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をやったり、絵本を書いたり、
国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今朝はですね、「『オンラインサロン』って稼げるの?」というテーマでお話ししたいと思います。

この番組は、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の提供でお送りしております。

オンラインサロンって稼げるの?

さて、先日の『ダウンタウンなう』でも、
このオンラインサロンのことが取り上げられてですね。

で、僕のオンラインサロンでいうと、月額1,000円ですかね。

今はもう、そのサロンメンバーが3万人を超えたんですね。
(注:voicy収録時。 2020年2月現在、3万8,000人)

そうすると、やっぱりすごく計算されてしまうんですけれど、
「じゃあ月に3,000万円、年間3億6,000万円稼いでるの!?いいね〜!」みたいなことを結構言われるんですね。

『ボクらの時代』というフジテレビの番組でも、
オンラインサロンのことを話していて、「いいね、いいね」みたいな。

やっぱり結構、この声ってどんどん大きくなっていくだろうなと思うんですね。

実際、オンラインサロンという言葉は、
ここ半年、1年でよく聞くようになりましたし、
何かこう、盛り上がってるイメージはあるんですけれど、

今日のテーマである『「オンラインサロン」って稼げるの?』っていうところで、先に結論を言うと、

これは無理で。

オンラインサロンで稼ぐっていうのは、基本的に無理です。

100パーセント無理ではないんですけど、
「オンラインサロンって稼げるの?」っていう質問って 、

なんだろうな・・
「読売巨人軍の4番になったら稼げるの?」っていうような感じでですね。

そりゃそうなんだけど、読売巨人軍の4番を務めたら、
それは年間たくさんのお金をいただくことはできるんですけれど、
そもそも読売巨人軍の4番にはなれないっていう。

これは本当に難しいところで。

誰でも始められるんですよ、
オンラインサロンは別に始めようと思ったら。

既存のプラットフォームを使ってもいいし、
オリジナルで、DIYで、自分で決済の仕組みと、入会の手続きの仕組みさえ作ってしまえば、自分のオンラインサロンみたいなのは作ることができるから、
基本的には誰でも始めることができるんですね。

なので、結構始めている人が多いかもしれないですね、最近。
だから、オンライサロンってすごい盛り上がっているみたいなイメージがあるんですけど、
プラットフォームを見たら、すごくこれは顕著に出ていて。

実は、オンラインサロンのオーナーは増えているんですけど、
そのオーナーが抱えているサロンメンバーの数って減っているんですね。

減っているんですよ。別に右肩上がりではなくて。

誰でもいいですけど、どのサロンでもいいですけど、
見ていくと大体減ってるんですよ。

つまり、サロン運営というものが極めて難しいっていうことですね。
これだけみんながオンライサロンというものに興味を示していて、
「やってみようかな、入ってみようかな」っていう数が増えているのにも関わらず、
サロンの会員数は、毎日毎日減っていってる。

で、ここは受け止めなきゃいけなくて、サロン運営って本当に難しくて。

何がそんなに難しいかって言うと・・
例えば、「このサロンに入るとお金を稼げるようになります」みたいな名目で、
お客さんを集めているサロンがあったとしますよね。

「お金稼げるようになりますよ」みたいな。

すると、サロンに入って半年たっても、1年たってもお金を稼げない人は、
「何だよ、お金稼げないじゃないか」って言って退会するし。

一方で、もう1ヶ月、2ヶ月でお金を稼げるようになったら、
「ありがとうございます!お金を稼げるようになりました!じゃあやめます!」
って言って、退会してしまう。

つまり、どっちにしたって退会されてしまうんですね。

情報を売ってる限りは、絶対に人数が増えていかないっていうことです。

サロンオーナーが売らなきゃいけないものは、
結論、情報ではないっていうことですね。

ここが難しいんですね。

『情報』ではなく『ストーリー』を売る

オンライサロンって、イメージで不労所得のように捉えられているんだけど。
何もしなくてもお金がどんどんどんどん増えていくみたいな。

だからみんな目の色変えて、
「え?お金稼げるの?オンラインサロンやるやる」ってなるんですけど、そんな甘い話じゃなくて。

やっぱり、サロンオーナーはむちゃくちゃ動かなきゃいけないし、
売る物は『情報』じゃなくて、どちらかというと『ストーリー』ですね。

この『ストーリー』っていうのは、一昨日放送しました『感情のN字曲線を描け』という話ね。

サロンオーナーが次に何をするのか。

つまり、少年漫画の連載にすごく近いですね。

ワンピースのルフィが、ずっと最初から最後まで自分の戦い方をこんこんこんこんと説明する漫画だったら、そんなに人気は出ないと思うんですね。
やっぱり、ルフィが勝ったり、負けたりとかして。

すごくうまくいっている時は、やっぱり落とさなきゃいけないし。
多分、なんだろな、これは人としてはなかなか受け入れがたいことかもしれない。

成功したいから、みんな。
うまくいっている時は、もっとうまく行きたいと思うんだけれども、
やっぱり、読み物として引きつけるためには、この上げ下げが必要だということですよね。
自ら死にに行かなきゃいけないという。
多分ほとんどの人が、まずこれができないっていうところですね。

もっともっといい暮らしがしたいし、
もっともっとチヤホヤされたいし、
もっともっといい思いしたいっていうのが、どうしても勝っちゃって、
失敗っていうことから逃げてしまう。

失敗から逃げるっていうのは、すごく今っぽくなくてですね。

ストーリーに価値がある時代だから。

これどういうことかというと、
例えばダイヤモンドって、すごく価値があるじゃないですか。
あれは何で価値があるかっていうと、綺麗だから価値があるのではなくて、
数が少ないから価値がある。

難しい言い方すると、ダイヤモンドは需要の多さに反して、
生産数が少ないから価値があるっていうことですね。

ダイヤモンドが道端にゴロゴロと転がっていったら、
どれだけ綺麗なダイヤモンドであろうと何の価値もないと。

でね。

今あなたの手元にあるスマホを使えば
時間も教えてくれるし、道も教えてくれるし、料理のレシピだって教えてくれる。

つまり、インターネットが普及した現代は、正解がゴロゴロ転がっている。
昔に比べたら、正解の価値がぐんと下がっているってことだよね。

このことを踏まえておかなくちゃいけなくて。

となると、正解や情報みたいなものには何の価値もないんだよね。

「こうなったらうまくいきますよ」みたいなものには、何の価値もない。

細かく言うと、どんどんどんどん価値がなくなっていっているってことですね。

だから、オンラインサロンオーナーが絶対に見誤っちゃいけないのは、
自分の持っている情報を切り売りするっていうことですよね。

あなたの持っている情報には、もう何の価値もないんだって。
あなたの持っている情報は、ネットで調べれば出てくるんだって。

じゃあ、サロンオーナーが提供しなきゃいけないものは何なんだ、
となってきた時に、結局『ストーリー』になってくる。
で、当然『ストーリー』っていうのは、成功も失敗も含めですから。

なので、もっと言うと、魅力のあるストーリーっていうのは、
失敗する可能性が極めて高いところにはってる。

やっぱりね、映画でも、ドラマでも、漫画でも、
「どうせうまく行くんでしょ」っていうものには、
「この主人公どうせうまく行くんでしょ」っていうものには、
多分誰も反応しないと思うんですね。

「どうなるどうなる」ってハラハラする。
そういったところに、やっぱり視聴率みたいなものが反応すると思うんです。

『問題を開発』する

なので、そのために結局サロンオーナーに必要な能力は何かっていうと。

もう問題を解決することはさ、もう誰だって問題解決できるわけでしょ。
正解を出せる訳だから。
だから、もう今の世の中には問題があんまりないと。

サロンオーナーがやらなきゃいけないことはひとつで、
サロンオーナーが持っておかなきゃいけない能力はひとつで、

『問題を解く方法を教える力』ではなくて、
どっちかっていうと『問題を開発する能力』です。

誰も解いたことがない『問題を開発』しなきゃいけない。

僕の場合で言うと、
『みんなで美術館を作る』だとか、
僕のサロンでやっている『みんなで街を作る』だとか。

『ディズニーを越える』とか。

「え、これどうすんの?」っていう。
「どうやってディズニーを、この弱小人間が越えられるの?」って。

ここにすべてのリソースを割かなきゃいけないということですね。
時間もそうだし、お金もそうだし。

なので、自分のサロンとかでは、月3,000万円、年間3億6,000万、
当然、そこから税金は引かれる訳ですけれど、
その税金を引いて残ったお金は、全額サロンのコンテンツにぶち込むっていう。
それでようやく読み物として耐え得るものになるっていうことですね。

稼ぎたい人はサロンオーナーには向いていない

むちゃくちゃ難しい世界ですよね、それって。

入ってきたお金を全部そのコンテンツにぶちこんじゃうわけだから。
それでようやくトントンという世界なので。

だから、基本的には稼げないっていう。
もっと言うと、稼ぎたい人は向いてないっていうことですね。
そこに尽きるかもしれない。

お金を稼ぐことに興味がある人は、もっともっと他の方法がある。

でも絶対に見誤っちゃいけないのは・・
今やっているお仕事があるでしょ?
お豆腐屋さんでも、英会話教室でも。

「これの収益がちょっと不足しているから、
オンラインサロンをやって、ちょっとその収益を補填しよう」みたいな、
これはもう絶対に無理で、
オンラインサロンをやるんだったら、オンラインサロンに全部投資しないと。

いわば「豆腐屋の売り上げがちょっと最近よくないから、巨人軍の4番になろうかな」って言ってるようなもので。
巨人軍の4番になろうと思ったら、野球に全部そそがないとなれないよ、ということですね。

ここがすごい大変なところだと思います。

あともうひとつ言うと、やめどきが難しいっていうのがありますね。

例えばサロンをスタートするでしょ。
で、サロンメンバーが最初50人になりました。「やった、やった」って。

で、その50人に相手に喜んでもらおうと思ってあれやこれやとやっているうちに、
サロンメンバーがどんどんどんどん減っていって、5人になりました。

じゃあ5人になったからと言ってさ、このリソースをちょっと減らすのか?
サロンメンバーにこれまで送っていたコンテンツを減らすのか?って。

それはできないですよね。

やっぱり5人であろうと受け取る方は自分ひとりだから。

やっぱり発信する方は、50人分のものを相変わらずやらなきゃいけないですね。
その時に、「あれ?これ何してるのかな?」って絶対になっちゃう。

「あれ?僕は何のためにこんな時間とお金を割いているんだろう」
っていうことに絶対になっちゃうんですけど、
多くの人がやめどきを見つけるのがあまり上手じゃなくて。

すごく時間を持っていかれるっていう。
ここが本当に難しいとこだから。

サロンオーナーをやるなとは言わないですよ、もちろん。
そういう挑戦は全然いいとは思うんですけど、
あまりおすすめはできないっていうところが本音ですかね。

だけど、絶対に無理っていうことはないと思います。
ちゃんと覚悟を決めてやってしまえば、抜け道とか方法はあると思うんですけど、極めて難しいっていうところですね。
お金を稼ぎたいのであれば、もっといい方法があるという。
オンラインサロンじゃないですよ。

場を作りたい人には、場は作れない

もうひとつ言うと、「私はクリエイターの場を作りたいんだ」っていう人が結構いらっしゃるんですけど。
「クリエイターが活躍する場を作りたい」って。

場を作りたい人には、場は作れない。

基本的に人は、ハードとソフトでいうと、ソフトに集まってくるから。

例えばスーパーマリオとファミリーコンピューターで言ったら、
あれはスーパーマリオっていうものがあったから、
ファミリーコンピューターがプラットフォームになったというだけの話で。

いきなり何のソフトもないままファミリーコンピューターというものをぼんっと作って、
「さあ皆さん!ソフトを作ってください!」って言ったところで、
ソフトを作る人が、そこに参加するメリットが1個もないから。

なので、サロンオーナーに必要なのは、圧倒的な『クリエイターの能力』ですね。
作品を作れない人はもう無理だっていう。

だから、今しゃべった中でも、
色々と作品は作らなきゃ無理だし、
お金を稼ぐことに興味がある人は無理だし、みたいな。

色々な条件があるので、基本的にちょっと難しいと思いますよという話です。

だけど抜け道はあると思うので、やめておけとは言わないですけど、
あまりお勧めはしませんっていうところです。

何となく見えてきたでしょうか。

というわけで、今日は「『オンラインサロン』って稼げるの?」というテーマで、お話させていただきました。

それでは素敵な一日をお過ごしください。

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