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成功が続かない原因を説明しますbyキングコング西野

このnoteは2019年12月21日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:愛知県のはせがわあやこ さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
成功が続かない原因を説明します
というテーマでお話したいと思います。

「成功の副作用」を知れ!

自分はですね、ブログとか、オンラインサロンとか、voicyとか、YouTubeとか、いろんな形で発信しているんですが、それぞれどういう整理をつけているかっていうと。

ブログは日記。

今日こんなことがありました〜とか、こんなことボンヤリ考えてま〜すみたいな。

オンラインサロンはビジネス記事の投稿。

毎日2000文字、3000文字ぐらい記事を投稿していて、最新ビジネスのこと、最新エンタメのことについて、僕が抱えている課題、その改善方法、次に仕掛けるビジネスの話。そして検証結果など。どこよりも早い最新ビジネス、最新エンタメの話をお届けしている。

そして、このvoicyと、voicyにあげてる音源をYouTubeにアップしてる。

ここで語ることは、基本的には古典ビジネス。古いということでなくて、昔から言われていること、先人が築き上げた知恵を、僕なりの解釈でみなさんにお届けしている。

ざっとこんな整理になっています。

今日はですね、成功が続かない原因を説明します。
これは僕が考えた答えではなくて、すでに先人が説明していてですね。

クレイトン・クリステンセンって方が提唱した「イノベーションのジレンマ」というものがあって、これが成功者が落ちていく大きな原因です。

「イノベーションのジレンマ」って一体なんなんだ?っていうとですね、成功した企業とか人が、つぎのイノベーションに遅れて失敗すること、失敗を招くことを指します。

そもそも成功した企業や人がイノベーションに遅れてしまう理由は、技術がお客さんの需要を上回っているのにまだ技術を追い求めてしまったり、新しい技術への関心が低かったりすることですね。

こういうことは芸能の世界でも多々あって、わかりやすいところでいうと、テレビタレントがテレビ芸を追求している間に、ユーチューバーが覇権をとっちゃったっていうのもそうかもしれないですね。

芸人だったら、ひな壇でこういう風に振る舞ったらいいとか言われるけど、お客さんはそこまで求めていなかったりする。もうちょっとゆっくり話聞きたいってなったときにYouTubeがズバッとでてきた。

テレビマンは最初YouTubeのこと完全になめてましたよね。
「あれは素人がするもんだろう」って。

だから、テレビマンやテレビタレントはそこに対して時間の投資をしなかったんだけど、その間にスパッといかれちゃったって感じですね。

じつはテレビがはやる前の映画も同じ現象が起きていたんですね。

映画の人たちは「テレビなんて素人がでるもんでしょ」「スクリーンにでてはじめてスターだ」って。

テレビはもともと、5、6年前くらいのYouTubeみたいな扱いだったんですよ。

常にそういうことが起こっているんですね。
これを「イノベーションのジレンマ」っていうんです。

最近オンラインサロン内で、専門知識交換会っていうのを開催してるんです。その道の専門家であるっていう方に名乗り出て頂いて、7名限定で。

不動産の人、金融の人、広告の人、いろんな人がきて、それぞれ持ってる知識を10分ずつ話をするんです。それぞれの業界の本読むよりも、知識を交換したほうが早いよねってことで。

この会を不定期で行っているんですが、このあいだ「イノベーションのジレンマ」の話がパッとあがって。そこにいらっしゃる方は「イノベーションのジレンマ」のことは知っていたんだけど、料理のハウツーの王者の移り変わりを「イノベーションのジレンマ」を軸にわかりやすくお話しして下さった方がいて。

すごくおもしろかったので、今日はその話をしたいと思います。

大昔、料理のハウツーの王者はキューピー3分クッキングだった。
これがクックパッドになり、クラシルになった。

それぞれお客さんは誰か?発信方法は何か?先生は誰か?
を整理していくと、おもしろい答えにたどり着いたんです。

お客さんは

キューピー3分クッキング
→料理をしなきゃいけない人。主婦。

クックパッド
→料理をあまりしたくない人。だけどしなきゃいけない人。

クラシル
→料理ができない人。

こういう風に流れてきている。

つぎに、それぞれの発信方法。

キューピー3分クッキング
→テレビ。

クックパッド
→画像とテキスト。

クラシル
→動画。

先生はだれか?

キューピー3分クッキング
→プロ。

クックパッド
→素人。

クラシル
→プロ。セミプロ。

こうやってみていくと、ぜんぶちがうんですね。
お客さんの対象が変わってたりだとか。

キューピー3分クッキングっていうのは、料理をしないといけない人向けにずっとやっていたから、次の時代にやってきた「料理をしたくない人」の需要があるなんてとっても思わなかったんですよ。

テレビですごく成功したし、そのときはいまみたくネットはないから。画像テキストが料理のハウツーの王者になるなんて、とても思えなかった。

もっと言うと、キューピー3分クッキングはプロが教えるわけですけど、その何年後かにやってくる「素人が素人に教えあう時代」なんてやってくると思わなかったから、先生の対象として素人をみてなかったんですね。教えるのはプロだろって思っていたんです。

成功すると、次の時代のやり方をちょっと低く見積もってしまうし、価値があまりないように思ってしまう。

クックパッドからしたら、料理ができない人がお客さんになると思わなかったし、動画がハウツーになるなんて思ってなかった。当時は動画って重かったからね。

次の時代の選択肢を低く見積もってしまうっていうのが「イノベーションのジレンマ」なんです。

総じて、圧倒的な成功体験がジャマをしているということですね。

成功し続けるためには、成功したときの副作用を知っておくことが非常に重要だというお話でした。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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