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恨む時間の減らし方 byキンコン西野

このnoteは2020年10月18日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:毎日横でしゃべってくれていると勘違いして聴いている ひらおかきよし さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「恨む時間の減らし方」
というテーマでお話しします。


いつも、「一筆書きで喋っている」と言いますか、終わりどころとか何も考えずに、フラッと喋っているので、喋っている自分に気づかされることが時々あります。

それこそ、昨日、「嫌いな人がいない」と言ったんですが、そういえば、僕、本当に嫌いな人がいないんです。
嫌いな行動はいくつかありますよ。
なので、「人としてできている」というわけではないです。ヤリチンだし。


喋ってみて、「あれ? なんで僕は嫌いな人がいないんだっけ?」と、そこで初めて考え出すわけですが、昨日の場合だと、『「意見」と「人格」を分けて考えているから』ということで片付くんですね。

あとは、そこそこ忙しいから、わざわざ「嫌いな人」を作って、そこに時間を割くのが面倒だと思っているのかもしれません。

「映画『えんとつ町のプペル』の公開まで、あと2ヶ月」というタイミングで、不倫をした有名人に時間と感情を割いている場合じゃないじゃないですか。

心の底からどうでもいいんで。

なので、ツイッターとかで有名人の不倫に対して、怒りのツイートとかしている人がいたら、ソッコーでフォローを外します。

他人の不倫なんて、僕の人生において、1秒も必要がない時間なので。
バシバシと(笑)


で、「嫌い」繋がりでいうと、そういえば僕は何かを「恨む」みたいなこともないんです。

ここはハッキリしておきたいのですが、僕は、たとえば当時のクラウドファンディングをした時とか、絵本を無料公開した時とか、「ひな段」以外に活躍の場所を求めた時とか、「何か新しい挑戦をした時にはその都度、日本中から批判された」ということをよく言います。

これは批判してきた人を攻撃しているわけでも、恨んでいるわけでもなくて、「皆、『正しいか正しくないか』で判断していなくて、『知らないもの』を脊髄反射的に批判する傾向があって、それは、巡り巡って皆の首を絞めることになるから、批判をするのならば、キチンと咀嚼した上で、批判しようね」という注意喚起です。

とにかく僕は話を前に進めたいヤツなんです。
そこに下心なんて一切ない。
皆と面白いことをしたいだけです。


「いやいや、本当は金儲けでしょ」とか言われるのですが、そんなものには一切興味がない。

僕の生活費と、僕がエンタメに投資している額および、被災地や貧困国に支援している額の比率を聞いたら、ドン引きすると思います(笑)。
ちなみに僕のレギュラーの生活費は貧乏大学生とさして変わりません。

嘘だと思うのなら、僕の近しいスタッフに聞いてみてください。
贅沢なんかには、興味がないんです。
世の中には、そういうやつがいるんです。僕です。

話を戻します。

「恨む」って、かなり長い時間を奪われるじゃないですか?

そう考えると、なるべく恨まない方がいいですよね?

となると、ちょっとややこしいですが、自分の人生において「恨む確率」を減らした方がいいと思うんですね。

その時、「避けることができない恨み」と「避けることができる恨み」を分けた方がいいと思っています。

たとえば、「大切な家族が被害者になってしまった」ということで発生する恨みは、なかなか避けられないと思うんですね。

ここはもう諦める。

じゃあ、「避けることができる恨み」って何なんだ? と考えた時に、結論、「代替案を作ることができる問題」だと僕は思っています。

たとえば、映画『えんとつ町のプペル』のプロモーションとして、もともと全国の映画館をまわって、映画『えんとつ町のプペル』のストーリーを全部喋るイベントを開催しようとしていたんです。

で、各映画館をおさえて、スケジュールも組んで、「じゃあ、始めるぞ!」となったタイミングで、コロナが来ちゃって、全部白紙になったんですね。

そこで、どこだけブーブー言おうが、コロナがフッと消えることはないので、「じゃあ、オンラインに切りけるか?」となって、白紙になった3日後にはクラウドファンディングを立ち上げて、そのリターンで「映画の宣伝を兼ねたオンライン講演会」とか、「それこそストーリーを全部喋る会のオンライン版」を出したんです。

一回の講演会で1万人を超える人が集まって、結果、オフラインで全国を回るよりも多くの人に届けることができたので、「ああ、これはこれで、良かったね〜」となった。

でも、それって、僕が「クラウドファンディング」という選択肢を持っていたからだし、オンラインイベントも慣れまくっていたから、「じゃあ、こっちに舵を切ろうか」となったわけで、そんなものを一切持っていなくて、そんな選択肢があることを知らなかったら、コロナに全部持っていかれたわけだから、「コロナが憎い」となったと思うんです。

代替案がなければ、奪われちゃうんですね。
だから、奪った人や現象を恨んでしまう。


つまり、「恨み」というのは、知識不足が生んでいる。

物事を知らなければ知らないほど、「恨む確率」が上がっちゃう。
否定ばっかりしている人って、新しい知識を入れていなくて、選択肢が極端に減っているから、恨む頻度が増えて、恨みに割いている時間が増えちゃう。

健康に気を使って80歳まで長生きしたところで、恨んでいる時間が10年ぐらいあったら、実質、稼働しているのは70年なわけで、健康に気を使うのなら、それと同じモチベーションで、ちゃんと知識を入れて、恨む確率を下げた方がいいと思います。


今日は【恨む時間の減らし方】について、お話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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