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なぜ、挨拶をしなければならないのか?byキンコン西野

このnoteは2020年1月5日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:外山 哲史 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
なぜ、挨拶をしなければならないのか?
というちょっとおじさんくさいテーマでお話したいと思います。

挨拶で手を抜くヤツは、本当にバカ

だいぶ外側から喋っていくんですが、いま僕が運営しているオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』のメンバーは3万4000人くらい(2020年5月現在は5万3000人)なんですね。

ここが僕の活動母体になっているわけですが、3万4000人っていうと、規模でいうと大企業くらいの人数ですよね。

今年は9月あたりにニューヨークで一発しかけて、10月後半にカリフォルニアのほうでもう一発しかけるんです。サロン内のみで公開しているので、何かはちょっと言えないんですが。

年末には映画『えんとつ町のプペル』が入っていて、あと、それなりに世界戦が始まっていたりします。

スラム街の支援だとか、ラオスの小学校建設も引き続きやっています。

ここ何年かで活動がスケールアップしたと思うんですが、こうなってくると以前まではすごい魅力的にみえていた「斬新なアイデア」みたいなものが小賢しくみえてくるんですよね。

世界をみたときに、Googleは検索をおさえているし、Amazonは流通をおさえた上でエンタメをしかけているし。彼らの柱となっているのは、検索とか流通といった普遍的なものであると。ここにアイデアだとか時代のテクノロジーがのっかっていたりするわけです。

サロンメンバーに最近言ってることなんですが、アイデアで世間の想像をぶっちぎることは結構簡単なんです。世間はずっと朝から晩までアイデアを練っているわけではないので。

会社で働いている間に、こっちはそのあいだずっと「なんか新しいことないかな」って考えてるんだから、アイデア勝負で世間の想像をぶっちぎることは簡単なんです。

だけど、そんなことをしたってコアなファン以外で誰が興奮するの?って話で。

大切なのは、世間が理解できる範囲で世間をぶっちぎること。

それをやっているのがGoogleだったりAmazonだったり、ディズニーだったり、サグラダファミリアだったり。

サクラダファミリアがすげぇ!っていうのは理解できるじゃないですか。
だけど、ぶっちぎってるじゃないですか。

ああいうようなことをしなきゃいけないなぁってここんとこずっと考えてて。

アイデアって小賢しいよねって僕が思っちゃってる理由は、今度だす本にも書こうと思ってるんですけど、「アイデアの価値がさがってる」ってことも関係してると思うんですよ。

大勢の人間が抱える問題があって、はじめて問題を解くアイデアに価値が出てくるから。

いまはみんなが困ってる問題がそんなにないから、やっぱりアイデアの価値は下がってる。

とはいえ、アイデアってかっこいいからさ。

ここに時間と気持ちをとられちゃうのはすごい理解できるんだけど、いまの大学生とかがそっちに走っちゃうと、その子は負けると思います。

アイデアはそれほど求められていないので。

僕の話に戻りますが、アイデアに興味が薄れた代わりに何に興味が出てきたかっていうと、さっき言った普遍的なものなんですね。

それこそ最近、100年以上続いてる老舗のお菓子屋さんとかに足繁く通ったりするんですよ。そういうお店をみつけたら必ず入るようにしてるんですね。

気になるのは、激動の時代になぜ100年も生き残ることができたんだろう?っていう点ですね。

生き残っている会社だとかお店の共通点はなんなんだろう?っていうのを探すんですけど、そういう老舗みたいなところで残っているところ、強いところで目の当たりにする彼らの最大の魅力、能力は「品」なんですね。

挨拶が気持ちいいとか、お辞儀がきれいとか。

でね、今日のテーマが「なぜ、挨拶をしなければならないのか?」というところなんですけど、これに対して「挨拶はするもんだ!」とか説教くさく言ってもあんまりピンとこないじゃないですか。

ここでは、挨拶するメリットを言語化したほうがいいと思うんですね。

僕は学生時代は帽子をとって挨拶しなかったら暴力振るわれたくらいのゴリゴリの運動部出身で、そのあと軍隊ばりに厳しい芸能界に入ったから、もう挨拶が染み付いてるんですね。

朝とか「おはようございまーす!」ってちゃんと言うんですよ。

「おざっす」みたいなのはぜんぜん無理で。
「おはようございます!」が染み付いてるんですよ。

オンラインサロンのイベントとか行って「おつかれさまでーす!」って挨拶したら「あ、はい」みたいなかんじで返してくるサロンメンバーいるんですよ。

「挨拶しねぇな、この人」と思って。そういう方は少なくはない。

当然ね、そんなことされると僕はその人には話しかけないわけじゃないですか。だって、つぎ話しかけてもまたそんな感じで返されるかもしれないから。

挨拶をしない人に話しかけるってリスクが高い。
恐怖でしかないんですよね。

つまり、挨拶をしない人って話しかけられる回数が少ないから外部から入ってくる情報の量が少ない。

じゃあ、その人はどうやって情報を仕入れてるかっていうと、自分でとりにいくしかないですよね。結果、情報が非常に偏ってる。

でね、挨拶って結局のところ、「あなたのことを受け入れますよ」って合図じゃないですか。それを積極的にやっている老舗のお菓子屋さんとかね。それこそ、舞妓さんとか。周囲の情報がどんどん入ってきて、どこかインターネット的で、思考の選択肢の幅が広い。

挨拶をしない人は性格が悪いとかそういうことじゃなくて、シンプルに頭が悪いなって思ってます。もの知らないなって。偏った情報しかない。

ボケーっとみてたときに「この人、生きづらそうだなぁ」と思って。

でも、そりゃそうだよな。情報がはいる大元の入り口を自分でシャットアウトしてしまってるから。

今日のテーマに対する僕の結論は、挨拶しなかったら話しかけられる回数が減って、情報が偏ってアホになるから、挨拶しといたほうがいいんじゃないのっていうところですね。

こいつアホやなぁと思ってしまうのは、挨拶せずに人と距離ができるじゃないですか。それで好かれようと思って技術とかをがんばって「僕、こんなことできますよ」って距離を縮めていこうとする。むちゃくちゃコスパ悪いなって。

まずは情報がはいってくる人間になったほうがいいと思うんで、挨拶は絶対しておいたほうがいい。

ちなみに自分のまわりの優秀な人たち、みんな挨拶してるし、全員もの知り。

なので、挨拶はしましょう。

以上、西野でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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