【こども用】とっても大切な「お金」の話byキンコン西野
このnoteは2020年3月5日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:松村 光 さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
【こども用】とっても大切な「お金」の話
というテーマでお話したいと思います。
ご家族で聴いてください
僕はあまり好きではない表現ですが、「こども用」と年齢で区別することで、お父さんお母さんが、今日のお話をお子さんに聞かせてくれるきっかけになるかなと思い、あえて使わせていただきました。
今日は、学校では教えてくれない、とっても大切なお金の話です。
たとえば、この先、このラジオを聴いてる君が、何か大きな目標や夢を持ったとします。
で、それを叶えるために必要なものっていくつかあると思います。
健康な体だったり、知識だったり、誰にも負けない想いだったり、立ち向かう覚悟や勇気だったり、努力だったり。
きっとそういったものは、お父さんお母さん、学校の先生とか友達やライバルが教えてくれると思います。
でもそれだけでは君の夢は叶わない。
君が夢をかなえるために持っておかなくちゃいけないものが実はもう一つだけあります。
それが「お金の知識」です。
ちなみに、「お金の話」に対して、どんなイメージを持っていますか?
このラジオをお聴きの方はどうなのかわかりませんが、たとえば「振り込め詐欺」とか「成金」などのイメージが前に出てきてしまって、多くの日本人はお金に対して「汚い」とか「下品」とか「銭ゲバ」だとか、そういったイメージを持っていると思います。
この国では、こうしてお金について発信すると、そういった言葉がたくさん飛んでくるんですね。
でも、どうですか。
たとえば、「包丁」って料理にも使われるし、場合によっては強盗の武器としても使われますが、包丁自体は汚くないですよね。
包丁を使う人に、キレイな人と汚い人がいるだけで。
で、お金も同じで、お金自体は道具でしかないから、包丁同様に、キレイも汚いもないんです。「お金を使う人」にキレイな使い方をする人と、汚い使い方をする人がいるというだけです。
まずはここを整理しておきたいと思います。
次に、「どうして僕らはお金に対してネガティブなイメージを持ってしまい、こうして考え、議論することを放棄してしまっているのか?」ということを説明すると、
これには諸説ありますが、よく言われているのは江戸時代の名残ということです。
当時、「士農工商」という身分制度があって、お金を扱う商人が一番下だったんです。
お国は、商人を「お金を扱う浅ましい存在」という風に、国民を先導していました。
じゃあお国はなぜそうしたか?というと、国民にお金の知識を持たれてしまうと、国民に力を持たれてしまって、国をコントロールできなくなってしまうからです。
場合によっては、一揆とかをされてしまう。
そうなるとまずいので、国は国民全員をうっすら貧乏にして、歯向かう体力を奪ったということです。
お金を稼ぐことを浅ましい行為として、国民全員がうっすら貧乏になってもらった方が、国を支配しやすかったというわけですね。
これが、名残として言われていることです。
なので、国は国民にお金の教育は絶対にしない。
残念ながら、小学校に入っても中学校に入っても高校に入っても、学校ではお金の授業は1時間もありません。
君がお金の知識を持たない大人になってくれた方が、国にとって都合が良いのです。
もっとも最近は「士農工商」自体、そもそも無かったのではないかという説もありますから、由来の部分は一つの可能性、ぐらいに思っておいていただきたいのですが、過程がどうであれ、一つ確かなことがあります。
それは、君がお金の知識を持たない大人になってくれたほうが、国にとっては都合が良いということです。
おそらく、君のお父さんやお母さんおじいちゃんおばあちゃんは、「お金を銀行に預けなさい」と言うと思う。
なぜか。
ちなみに、銀行にお金を預けると「利息」っていうのがもらえます。昔はたくさんもらえたのですが、今は、100万円を1年間銀行に預けてもらえるのは、だいたい10円ぐらいですね。
100万円を1年間預けて10円もらえるぐらいで、コンビニのATMでお金を引き出す時に払わなきゃいけない手数料が100円とか200円とかするんです。
銀行にお金を預けたことで、それを取り出した結果、お金が減ってたりする。
お金の勉強している人たちはその辺りのことをよく知っているので、銀行にお金を預けずに、投資をしたり、海外に自分の資産を移転させたりして「資産運用」をしています。
でも、この資産運用も、あんまりやられてしまうと困る人たちが出てきます。
それは誰か。
答えは国ですね。
国を運営しようと思ったら、お金がいりますが、今、日本にはそんなお金がありません。
日本はあまり調子が良くないのです。仕方がないから、国はお金を借りるのですが、どこから借りるかというと銀行です。
つまり、君のお父さんお母さんや、おじいちゃんおばあちゃんが、銀行に預けたお金が、国に使われているんです。
国は君のお父さんやお母さんおじいちゃんおばあちゃんから、借金してるっていう状態ですね。
なので、何にも考えずに「お金は銀行に預けるものだ」って信じて疑わない人たちが一定数いてくれないと国にとっては困るんです。
たぶん、君のおじいちゃんおばあちゃんは「理由はよくわからないけど、お金は銀行に預けるものだ」と、そういうふうに思っているかもしれないけど、これはほぼ洗脳に違いです。
ちなみに君もその予備軍です。
だから学校ではお金の勉強は絶対に教えてもらえない。
とりあえず今日は、2つ。
「僕らはお金のことを汚いと思わされている」ということと、「学校ではお金の勉強を教えてもらえない」ということを覚えておいてください。
それにはこんな理由や背景がありますという、そういうお話でした。
たぶん、君のおじいちゃんおばあちゃんくらいの世代は、それでも人生がうまくいっていました。
そういうことを考えなくても国が調子良かったから、考えなくて良かったんです。
でも、少なくとも、きみの世代は、もう絶対に無理です。
その会社に身を委ねたら老後まで幸せに暮らさせてくれるっていうことはもう絶対にないです。
今は、一人ひとりが、ちゃんとお金の勉強をしないといけなくなりました。
でも、これは学校では絶対に教えてもらえないので、自分で情報を取りに行くしかありません。この勉強をするかしないかで、すごく差が出てくると思います。
自分でお金の情報を取りに行った子と、身をゆだねてお金音痴のまま社会に出てしまった子で、貧富の差がすっごく出てしまうから、絶対に子供のうちからちゃんとお金の勉強はしておいた方がいいと思います。
というわけで、
【こども用】とっても大切な「お金」の話
というテーマでお話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
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