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同じ話をすることを恐れるなbyキンコン西野

このnoteは2020年8月17日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:マウスピースに命を燃やす歯科医師 いがらしとしひで さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「同じ話をすることを恐れるな」
というテーマでお話しします。

昨日、東宝MOVIEチャンネルにアップされている映画『えんとつ町のプペル』の特報を見たら、もう30万回も再生されていました。

30秒のCMをわざわざ観に来てくださった方がこんなにもいて、本当に感謝してもしきれません。

ありがとうございます。必ず結果で返します。

一人でも多くの人に観ていただく為にも、ここから年末にかけて、映画『えんとつ町のプペル』の取材が増えてくると思うんですけど、僕、取材を受ける時に一つ絶対に決めていることがあります。

それは、「何回目の取材であろうと、1回目の取材として受ける」です。


取材の日というのは文字通り「分刻みのスケジュール」で、入れ替わり立ち替わり、いろんな媒体さんとお話しさせていただくんです。

当然、質問もかぶってくるのですが、質問がかぶっていることを知っているのは僕だけで、お相手の方からすると一回目じゃないですか?

そこで「また、この質問かよ」という感じを出してしまうのはルール違反だと僕は思っています。


媒体さんも忙しい中、足を運んでくださっているわけだし、それこそライターさんでいうと、事前に予習までしてきてくださっている。

「興味を持つ」もしくは「興味を持っているように話を聞く」というのは、すごく体力のいる仕事で、それをしてくださっている方のリクエストには、やっぱり全力で答えたい。

つらいのが、それを一部始終を横で見ているマネージャーの存在ですね(笑)
僕、まったく同じ話をして、ファーストリアクションを何度もしているので、それを見られるのが恥かしいんです。
「また同じリアクションしてやがる」と思われている中、同じリアクションをしなきゃいけないわけじゃないですか(笑)

「そこは空気を読んで席を外してくれよ」と思うわけですが、取材を見張るのも仕事なんですかね?
なんか、ずっと同席しやがるんです。
あれ、メチャクチャ恥ずかしい。

さて。
この「同じ話をする」ということを今日は、もう少し掘り下げてお話ししたいと思います。


僕は、「同じ話をする場所」と「新しい話をどんどんしていく場所」というのは、発信者側は勿論のこと、お客さん側も、キチンと棲み分けて認識しておいた方がいいと思っています。


たとえば「オンラインサロンの記事」

今日の記事を読んでくださっているサロンメンバーさんは基本、昨日の記事も読んでくださっているし、一昨日の記事も読んでくださっている。
だから今日の記事はイチから説明しなくても良い。
むしろ、サロンメンバーさんからするとイチから説明された方がストレスになりますよね。

「何回、同じ話をするんだよ」という。

一方で、取材記事や、ブログといった「公の場所」は、今日はじめて西野の発信に触れられる方もいる。

昨日の西野の発信なんて知らないし、一年前は「西野の存在すら知らなかった」という方も混じっている。

もちろん、その人は無視できないですよね?
なので、僕はイチから話します。

これまで何百回、何千回話した話であろうと、まるで初めて話すようにに話します。
公の場所って、そういうところなので。

昔、フジテレビの27時間テレビで、さんまサンと紳助さんがトークをして、メチャクチャ盛り上がって「さすが、天才は違う!」みたいになったことがあったのですが(覚えてます?)、昔から見ているファンからすると、あれって、もう何十回もこすられている鉄板エピソードなんです。
それを、さも、あの現場で思いついたかのように話されていたわけですが、それがプロじゃないですか。

実際、それによって視聴者は沸いたわけだから。


その時のお二人に、「何回、同じ話をするんだよ」というツッコミって、ルール違反だと思いません?

マクドナルドに入って、店員に「またハンバーガーを出すのかよ」とクレーム言っているようなもので、「いやいや、どこで、何を言うてんの?」という話じゃないですか。

でも、実際、その棲み分けができないお客さんって、少なくないんです。
公の場での発信に対して、「また、その話かよ」と言っちゃう人が少なくない。


なので、そんなことを言われたくない発信者側は、公の場で、なるべく新しいネタを放り込もうとするわけですが、ここで犠牲になっているのは、その日、初めて参加したお客さんです。
そして、話についていけないから、離れてしまうんです。

だから発信者の応援者は、いつまで経っても増えていかない。


僕、クラウドファンディングの説明って、8年前か始めて、これまで4000回ぐらいしていると思います。

当然、「何回同じ話をするんだよ」というご意見をいただくのですが、裏を返すとですね、【4000回説明し続けて、クラウドファンディングが一般化したのが、ようやく今年】です。

一応、日本のクラウドファンディングのプレイヤーとしては、個人では僕が一番、認知拡大に貢献させてもらったと思うのですが、最初は「新興宗教」のように捉えられていた状態からのスタートだったのですが、当然、100回や200回の説明じゃ話にならないんです。

同じ話を何千回もしないと、時代は前に進まないんです。

ただ、先ほども申し上げましたが、オンラインサロンの中ではクラウドファンディングの説明なんて、しないですよ。
あそこでは「同じ話」はしない。

「同じ話をする場所」と「新しい話をどんどんしていく場所」というのは、発信者側は勿論のこと、お客さん側も、キチンと棲み分けて認識しておいた方がいいというのが今日のお話です。


発信者は公の場所で同じ話をすることを恐れちゃいけないし、
お客さんは公の場所で割り切って同じ話をしている発信者に対して、「また同じ話をするな」とクレームを出すのは勝手だけど、一つ自覚しておいておいた方がいいのは、「同じ話をするな」というクレームを出している貴方がその話を初めて知ったのは、発信者の100回目の発信だったりする。

「その発信者の一回目の発信に立ち会っていたか?」と訊かれたら、立ち会ってないハズ。
「自分のことを棚にあげちゃダメだよ」という話です。

僕は公の場では、歩みを遅めて「同じ話」をします。
そしてオンラインサロンでは、トップスピードで、誰よりも前を走ります。

参考にしていただけると嬉しいです。

というわけで、
「同じ話をすることを恐れるな」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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