見出し画像

キンコン西野は「我が子」をどう育てるのか?

このnoteは2020年4月12日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供: しみずようすけ さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「キンコン西野は「我が子」をどう育てるのか?」
というテーマでお話しします。

問題はお金の勉強不足だ

新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自粛が続いているこの期間、
僕はほぼ毎日、 Youtube の生配信をしています。


そこで、視聴者さんからの相談に乗っているのですが、よく「西野さんが親だったら、子どもをどう育てますか」という質問をいただくんです。

僕は独身で、ヤリチンで、あまり結婚願望もないので、「子育て」は、今の自分から少し遠い活動ではありますが、社員とかインターンの子を育てないといけない立場ではあるので、正解・不正解ではなく、「僕だったらこうやって育てるかなぁ」という前提でお答えさせていただきます。

これには、僕なりの明確な答えがあります。

まず結論から申し上げると、人生がうまくいっていない大人にありがちな傾向は、「誤った清貧主義」を持ってしまっていることです。

「清貧」は、私欲を捨てて、行いが正しい、貧しく、生活が質素であることを指す言葉ですが、特に、日本人に多いのが、「稼いでる奴=悪」みたいに誤って翻訳してしまうことで、ついには、「お金の話をする奴は銭ゲバだ、叩け」というところまで考えてしまう人がいます。

むしろ、お金というものに対して、めちゃくちゃ下品な向き合い方をしてしまう人がいるじゃないですか。皆さんもときどき目にすると思います。

ZOZOの前澤さんをアンチする人に多いと思うのですが、稼いでいることと清貧は、全く関係がなく、お金の使い方に上品下品が在るだけの話です。

そこの区別がつけられずに、「稼ぐやつは悪だ」とか、「貧乏は正義だ」みたいに区分けしてしまう大人になってしまうと、けっこう人生が詰んでしまう。

あとは、他人のお金の使い方に口を挟み始めるのもよくないです。

「そういうお金の使い方はよくないと思います」と、口出しをする人が一部いますが、「いやいや、お金はその人が世の中に提供した価値の対価だから、お前はマジで関係ねぇ」というところです。

このように、頼まれてもないのに「お金の風紀委員」のようになってしまう人は、どんどん周りから人が離れていくイメージがあります。

そういうことを踏まえると、少なくとも我が子には、そういう大人になってほしくないじゃないですか。

じゃあ、そういう大人が出来上がってしまうもとには何があるかを逆算して考えると、もう皆さがお察しの通り、それは「お金の勉強不足、知識不足」です。

子どもとお金の勉強をする方法

学校教育では、お金のことは教えてもらえなくて、耳に入ってくるお金のニュースといえば、「詐欺」や「強盗」ばかりです。

つまり、「お金というのは悪い人が扱っている代物」として意識に刷り込まれてしまう。これが問題だと言えるでしょう。

アメリカなどでは、ちゃんと子供の頃からそういった教育をしているし、それこそ、お金を持ってる人はヒーローとして扱われます。

たくさんの価値を生んでくれるうえに、たくさんの税金を払ってくれて、有事の際は、ひっくり返るような額の寄付をしてくれたり、行動を起こしてくれたりします。

イーロンマスクにしても、ザッカーバーグにしても、ビルゲイツにしても、レディーガガにしても、海外では「ノブレス・オブリージュ」と呼ばれる「貴族の義務」のようなものがあって、金銭的に余裕がある人が、困っている人を助けるのは、ごくごく当たり前なんです。

ところが、日本でそれをやると、「偽善ですか?」とか「売名ですか?」という声があがって、困っている人を助けると損をする社会になっています。

この「困っている人を助ける人が損をする社会」をつくっているのは、他ならぬお金の知識がない人たちです。

その結果、自分たちの首を絞めることになっている。

すごく当たり前の話ですが、お金持ちには「この国に税金を納めたい」、「この国の人たちをもっと助けたい」と思ってもらった方がいいじゃないですか。

「国民を助けたところで叩かれるのなら助けるのをやめよう」となってしまうよりも、「この国の人たちを助けたい」、「この国に税金をもっと収めたい」と思ってもらった方が、いいわけです。

なので、お金持ちをヒーローのようにおだてる社会は、結果的にみんなが助かるので、合理的なんです。僕は、日本の教育の最大の罪は、そういうことを教えないところにあると考えています。

しかしながら、学校批判を繰り返したところで、今すぐに小学校のカリキュラムが変わるわけではないので、僕だったら、学校にお金教育を任せるのは、もう諦めて、家の中で親子で一緒に勉強します。

具体的にどう勉強していくかですが、例えば僕なら、予算として毎月500円を渡して、「この500円を増やしてみろ」と言います。

「増やした分はどれだけ好きに使ってもいいから、この500円を増やしてみろ」と言うでしょう。

その瞬間、子どもの頭の中には、その500円を何も考えずに使うのか、500円を増やすために500円を使うのかの二択が迫られるわけじゃないですか。

これを大人の経済活動に置き換えると、浪費するか投資するかの二択です。

「うまい棒」を買ったところで、お金が増えないことを覚えるわけで、「これは浪費だ」ということを体で覚えるわけです。

この時、親が子供に出してあげるべき唯一のヒントは、「お金を増やしたければ困っている人を探せ」ということです。

「困っている人を探して、その問題を解決してあげろ」ということ。

もし、親が毎日、100円のボールペンを使っているのであれば、親の代わりに文房具屋さんに買いに走って、予算の500円を全部そのボールペンの購入代金に充てる。

そして、そのボールペンを1本につき、プラス50円の150円で5本を親に売れば、月に250円の利益が出ます。
つまり、月に25本「うまい棒」食べ放題です。予算の500円が減らずに、25本うまい棒が食べられます。

この時、親は値段交渉に応じながら買ってあげるということが大切だと思います。「プラス50円ちょっと高くない?プラス30円じゃない?」と言いながら買ってあげることが非常に大切です。

そうやって、子供と一緒に投資、価値、仕事の創造、そしてプレゼンの勉強をにしていく。

「こうやればお金って増えるんだ」、「こうやれば困ってる人を助けられるんだ」、「ここに価値っていうものが埋まってるんだ」、「ここに仕事というものが眠っているんだ」ということを、一緒に学んでいくということです。

これを小学校のうちからしている子と、社会に出てから手探りで始める子では、大きく差が開くでしょう。
僕が子育てするのであれば、子どものうちからこういった勉強を一緒にしていきます。

そして、こういうことは、お父さんお母さんが勉強することが本当に本当に大事です。

とはいえ、お父さんお母さんもお忙しいと思うので、なるべくスキマ時間やお仕事をしながら勉強ができるように、引き続き、Voicyのような音声コンテンツを届けていきます。

というわけで、
「キンコン西野は『我が子』をどう育てるのか?」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
興味がある方はコチラ↓



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?