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NO MORE RULES〜KATEとLavshucaの思い出

大好きだったカネボウ化粧品の2ブランドについての覚え書きです。


KATE


黒く縁取られた強い印象の瞳、肌の色に近くヌーディーな唇、細く角度のつけられた眉。マットでつるんとした質感の肌。
00年代のKATEは、中学生の私にとって"少しオトナ"で憧れだった。


2006年、映画『NANA2』が公開された。
私はこれを友人に誘われて映画館へ見に行った。映画館のある街へは電車に乗らないと行けないので、少しだけオシャレをして浮き足立っていたのを覚えている。
映画の内容は正直あまり分からなかった。何しろ1も原作漫画も見ていないので、主人公ふたりくらいしか知らなかったのである。(余談だが2しか見ていないので、NANAと言えばGLAMOROUS SKYではなく一色だと思っているし未だにカラオケでもよく歌う。)

ただ、主役の中島美嘉さんの浮世離れした、2次元から抜け出してきたようなビジュアルに強く惹かれた。
おでこを出した黒いショートヘアに全体的にハッキリとした色合いのメイク、露出度が高くロックな服装。
薄ぼんやりとした服装しかしていなかった田舎学生の私には衝撃的で、脳裏に強く刻まれた。

その中島美嘉さんがブランドミューズをしていたのがKATEだった。NANAそのままのような強く印象的なメイクの中島美嘉さんが売り場に大きく飾られていて。リーフレットをもらうだけでワクワクした。

当時のリーフレット、取っておいたと思っていたのに
見つからなかったため画像検索で失礼します



当時のKATEのアイシャドウはモノトーンの物が多く、カラフルなアイシャドウばかり見ていた私にとって大人びて見えた。実際当時の雑誌でも、少し年上のギャルが愛用品として紹介していた記憶がある。
パレット自体も直線的でモードっぽく都会的。
その中で特に気になったのが『ディープトラップアイズ』だった。

小さな三角の濃いグレーはほぼ黒
白は他のアイシャドウを使うときも塗っていた


スモーキーな色ばかりが集められたパレット。5色入っているのも"大人はこんなにたくさんの色でグラデーションするんだ!"と思っていた。…当然使いこなせませんでしたが。笑

ドキドキしながら塗ってみる。ブラウンでグラデーションを作り、目の際を黒に近い濃いグレーで縁取る。
最近パーソナルカラー診断を受けたところイエベ春・ブルベ夏の中間、つまり濃い色や暗い色がNGだったのでどう考えても似合っていなかったのですが、当時は一気に大人になったような気分だったな。
唇はセザンヌの真っ赤なリップグロスで派手派手にするか、ヘビーローテーションのリップコンシーラーで赤みを消しあえてヌーディーにすることもあった。

それから1人で出掛ける時は、KATEで強めメイクをすることが多くなった。強くなれた気がして、行動範囲が広がった。このメイクでオンバト+の観覧も行ったな…(テレビに一瞬映った記憶)。田舎者の自分にとって、渋谷を歩く時はこのメイクがお守り代わりだった。


Lavshuca


それと同時期に、同じカネボウ化粧品からLavshuca(ラヴーシュカ)というブランドも発売されていた。
こちらは濃い目のえんじ色や淡いピンクが主体の、少しレトロで優美なパッケージ。
ブランドミューズはPUFFYのふたりで、普段とは違ったクールでアンニュイな表情がすごく可愛くて…。

ラヴーシュカはアイシャドウも可愛かったけれど、特にリップが大好きだった。
印象的だったのは『モイストメルティングバー』。カチカチ…と音の鳴るダイヤルを回し、ほんの少しだけくり出して使う。リップはリップクリームくらい柔らかくて、唇の上でとろける。グロスほどテカテカせず、口紅より遥かに潤う。その唯一無二の使い方・発色が大好きだった。
これ以降同じような口紅には出会えていません。

左:ドラマティックメモリールージュ
右:モイストメルティングバー

ドラマティックメモリールージュ』は透明感ある蓋がとにかくかわいくて…。

本体色がピンクゴールド系で上品可愛い


画像引用元:週刊粧業
https://www.syogyo.jp/news/2010/11/post_000375

こちらは友達や家族と出掛ける時、テンションを上げるコスメとして使っていました。ポーチから取り出すだけで鼻高々だったし、柔らかな色合いで大人可愛くなれた気がした。
当時プチプラでこういった質感とカラーリングのコスメはほとんど見かけなかった(今もないように思う)。リーフレットも新商品が出る度に集めた。


その後

しかし、大好きな2ブランドは全く別の道を辿ることになる。


KATEは何度かミューズを変え、雰囲気をマイナーチェンジしつつも黒の似合うブランドとして今日まで継続している。
リップモンスターが大バズりしたのは記憶に新しいし、コスプレイヤーを起用したり時代にうまく合わせている印象。ちなみに私はリプモンを10本くらい持っています。


一方のLavshucaは2012年頃から方向性を大幅に転換した。シックな上品系路線から、明るいピンクや赤が主体のガーリー系路線へ。

今見ると韓国コスメに雰囲気が似ている

それが正解だったのか失敗だったのかは分からないけれど、個人的には結構なショックだった。好きだったあの頃のLavshucaはもうないのだと思い、自然と離れていってしまった。
そして、ブランド自体がクローズしてしまった。Wikipediaによると2015年末くらいだったよう。


今はプチプラコスメも多様化し、驚くほど機能性の高い商品をゴロゴロ見かける。私も有り難く恩恵に預かっている。
ただ、この頃のコンセプトが強いコスメも大好きでした(今は中華コスメが近いのかな…?)。
記憶が薄れる前に書き留めておきました。