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新発意誕生。

去る15日、友人のお寺で得度式がありました。
なんと6人の新発意の誕生です。
朝から爽やかな天気、素晴らしい出発の日でした。

剃髪した髪はこの人生が終わるまで大切に保存しておきます。

さとりを求めて修行の生活に入る、それが得度。
生まれた家を出て父母眷属に別れを告げ、
世俗の社会を出て出世間の世界に入ります。

ここ亀峰山平成院は平成14年に建立されたまだ新しいお寺です。
こういう街中のお寺で一度に6人も得度するというのは
なかなか珍しいこと。

その会い難い機会に得度式をお手伝いさせていただけることに
なりました。

前日から現場入りして、前日は道場の確認や最終の準備、
授ける側の次第の最終確認を行いました。
僧侶ももちろんですが、ご家族も何かとお気遣いいただき
なかなかに大変です。ありがとうございます(^人^)

翌日もあることなので早めに休もうね!と言っていましたが、
ご住職はやはり気が気でないご様子で、日付が変わっても
いろいろなさっていたようです。

翌日の朝はご本尊の如意輪観音さまに供養法と理趣経の読誦を
お勤めさせていただき、このよき日を迎えられたことをご報告して
当日の無魔成満、またこの日得度・授戒する方の吉祥成就をお祈りします。

幸い当日は良いお天気に恵まれ、さほど寒くもなくて
ちょうどいいお日和。
得度式は11時から。


お地蔵さまに見守られて得度式を待ちます。

少し早めに集まって式次第の確認。
得度者もいろいろやることがあります。

道場の荘厳は事前に抜かりなく。

法螺の音と共にいよいよ入堂です。

得度者は俗服を脱ぎ白衣で入堂します。
これは世俗の世界に別れを告げ、新しく生まれ変わることを
示しています。

まずは本日の法会の趣旨をご本尊にお伝えします。

得度者は改めて阿闍梨さまに得度する決意を伝え、
それを受けて阿闍梨さまは得度者に親と国王と氏神に別れの挨拶を促し、
今後は世俗から離れて出家し、仏道の修行者となることを告げます。

阿闍梨さまは出家者の頭に水を濯ぎ、剃髪します。

その間、唄士は出家唄という唄を引きます。
この曲はこの時だけ行われる厳粛な声明です。

ここで出家者は黒衣をつけ、次に念珠と袈裟と法名とを授かります。

一人一人阿闍梨さまから親しく授けていただきます。

袈裟をつけ、改めて出家者として三宝に帰依し、
戒を授かります。

今回は出家者は沙弥の十戒を、
生前戒名を授かる方は八斎戒を授かりました。

沙弥の十戒というのは、初心の出家修行者が守る10の戒律。
不殺生、不偸盗、不淫、不妄語、不飲酒、
不塗飾香鬘戒(アクセサリーをつけたり良い香りの油を体に塗ったりしない)、
不歌舞観聴戒(歌舞音曲したり見に行ったりしない)、
不坐高広大牀戒(高くて広い快適な床に寝たり座ったりしない)、
不非時食戒(正午から翌日の日の出まで固形物を食さない)、
不蓄金銀宝戒(金銀財宝を蓄えない)
がその内容。
これらの戒をしっかり守ります!という約束をします。

次に阿闍梨さまから五鈷杵を授かり、真言宗の密教の修行者としての
誓いを行います。

そして神仏に加護を賜るようお願いし、この功徳を法界に回向して
得度式は終了。

これからは阿闍梨さまを法の父とし、弟子として礼を尽くしながら
長い仏道修行の道を共に進んでいきます。

ここから沙弥としての第一歩を踏み出します。

この日の出家者の皆さまには、誠におめでとうございます。
皆さまの行く道が吉祥で満ちていることをお祈りいたします。
仏さまとお大師さまの光が常に皆さまを導いてくださいますように。

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