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満願成就。

今月の地蔵会のおつとめ、無事終了しました!
今月もありがとうございました。
今年はとても涼しくて、おつとめするのにも爽やかでした。

あんまり無理せずいろいろやる方なんですが、
一日何座か拝むというのはそれなりに体力とか気力を
使いますので、気候がいいのは本当にありがたいです。

辛いばかりが修行じゃないですしね(笑)

地蔵会も24日の当日だけでなく、
その前後3日づつの計7日間修法しているのですが、
このように一定の期間にわたって供養法を行なった時は
最後の座で結願の作法というのを行ないます。

何日かにわたって修法を行うというのは、
ご本尊を供養して何かお願いをしたりする場合が
多いのですけど、おかげさまで今日まで無事おつとめさせて
いただいてありがとうございました、ということを
最後にお伝えするわけです。

たいていのご祈願というのは
昔から何日間か日限を決めて行なって
それを終えたらお礼を申し上げて結果を待つ、
というのが作法でした。

長谷寺の観音さまは縁結びなどの
ご祈願を叶えてくださるので有名な観音さま。

古来から深い崇敬を集め、菅原孝標女や藤原道綱母なども
お参りして日記にそのことを書いていますし、源氏物語や
枕草子にも出てきます。

当時は何か叶えたいことがある時は、観音さまに
お参りをして何日か参籠して祈り、祈願が叶うのを待ちました。

以前「神社やお寺参りはお告げを受けるのを目的にしてはいない」
ということを書きましたけれども。

以前お師僧さまにおみくじについて
「自分でがんばってがんばって
  人事を尽くしたけどどうしようもない、
  神さまや仏さまに導いていただくしかない
  というときにだけ引くものですよ」
と教えていただいたように、
これはもう人事は尽くしちゃったので天命を待つしかない、
というときには、こういった願掛けを行うのも一つの方法です。

参籠するのは夢のお告げを受けるためでもあり、
長谷寺はそれを受けにいくお寺としても有名でした。

これはもちろん、長谷寺の観音さまを深く信仰している人が
悩みに悩んで訪れるから夢でお告げを受けることができるわけです。

何日か参籠している間に、夢のお告げを受けることができれば
そのことを行なったりして願いが叶うようにするのですが、
更級日記の菅原孝標女はそれを実行しなかったことを
悔やむ文章を残してたりします。

せっかく夢のお告げを受けても、実行しない人も当時から
いたわけですね。

きちんと決めた日数ご祈願できること自体が
素晴らしいことなので、そのことについてお礼を申し上げ、
その願いが叶ったらやはり叶えていただいたことに
お礼を申し上げます。

そして神仏から何かお伝えいただいたら、それは実行すること。

満願成就というのは、願いが叶うことだけでなく、
決められた日数や巡礼を全て行うということもさします。

両方の意味で成就したいと思ったら、
感謝とともに実際に行動することが早道のようです。

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