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文殊菩薩というお方。

もう過ぎちゃいましたけど。
25日は文殊菩薩のご縁日です。

この日は天満宮のご縁日でもあります。
6月25日は菅原道真公のお誕生日でもあるようです。

受験に強そうな文殊さんと天神さんの縁日が同じというのは
面白いですね。

ちなみに今日26日は愛染明王のご縁日ですよ。

「3人寄れば文殊の知恵」といわれるように、文殊菩薩は
智慧の菩薩として有名です。
卯年の守り本尊です。

単体でも信仰されますが、釈迦如来の脇侍として普賢菩薩とともに
お釈迦さまの隣に控えていることも多い方。
これは、お釈迦さまのさとりを支える智慧と精進をそれぞれ
文殊菩薩と普賢菩薩がつかさどる、あるいは象徴していると
されているためです。

以前樒の話の時にちらっと書きました。


文殊菩薩の持ち物は利剣と梵筺の乗った青蓮華。
利剣は魔障や煩悩を打ち砕く智慧を示し、
梵筺の乗った青蓮華は経典の教える智慧の徳と
蓮華の示す慈悲の徳を持つ仏さまであることを示しています。

文殊菩薩の三摩耶形もこの利剣・青蓮華・梵筺です。

お大師さまの著作、「般若心経秘鍵」は
「文殊の利剣は諸戯を断つ」と始まります。

文殊菩薩の智慧の利剣をもってあらゆる無益な議論を断ち、
仏法によって正しい道に導く道を示すということ。
この「般若心経秘鍵」は、それまでも読誦されてきた
般若心経をお大師さまが密教的に解説したものです。

京都大覚寺には文殊菩薩の三昧に入りこの経典を説く
「秘鍵大師」のお像があります。

弘仁九(818)年、お大師さまに勧められて
嵯峨天皇は自ら般若心経を書写し、民の幸せを祈られました。
この時は大飢饉だったとも、疫病が流行ったとも言われています。

そのお写経は今も大覚寺にあり、勅封されており
戊戌の年に開封することになっています。
最近のご開封は平成30年。

私もお参りして拝見しましたが、
友人がたまたま秋篠宮殿下がお参りの時に居合わせたそうです。
展示されているお経を書かれた方の子孫である方が
今ここでご覧になっている、と思うと
すごく感動して歴史に思いを馳せた、と語ってくれました。

文殊菩薩が登場するお経としては維摩経、華厳経が有名ですが、
理趣経にも出てこられる場面がありますよ。

密教での文殊菩薩さまは若々しい童子の姿で表され、
髪を結う髻の数によって一字・五字・六字・八字の別があります。
童子のように無我で執着がないことを示し、
お釈迦さまの法を継いで途絶えさせないことから法王子とも呼ばれます。

文殊菩薩の住処は清涼山とされていますが、
中国ではそれは五台山であるとして聖地になっています。
また、もともと竜種の生まれで海の中の竜の世界を教化し、
龍種上尊王仏と言われることもあります。
いろんな世界で修行したからこその智慧なのかもしれませんね。

若々しく切れ味の良い智慧の持ち主の文殊さまは
事相教相兼修を旨とする真言宗の僧侶としては
やはり大事に拝みたいお方。

修法させていただいて感じるのは、
文殊菩薩さまは「勇猛不退転」という言葉が
ぴったりのように思われるお方。
しっかりと拝ませていただこうと思います。

もちろん、試験突破や学業成就はお得意そうですよ。
でも、努力してないとあんまり気乗りしなさそうな感じなので
しっかり勉強してから文殊さまにお願いしてくださいね。


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