椎の実を食べてみた
椎の実を食べてみたい
どんぐりは、私たちの最も身近にありながら、省みられない木の実である。
かつてどんぐりを拾い集めた子どもたちも、やがて気にもとめなくなっていく。
そんなどんぐりについて、植物図鑑を見てみると、
「どんぐりの多くは渋くて食べられないが、椎の実は食べられる」
そう書いてあった。
食べられるとなればどんな味がするのだろうか。気になるのが人情である。
そう思って昨年実際に椎の実を食べてみた。
ちょうどどんぐりの季節なので、このレポートを本投稿第一弾としたい。
椎の実の入手
どんぐりの木は公園に生えていることが多いので、まず近所の公園に行ってみた。
予想通り、公園にはどんぐりの木はあった。
しかし、そこに落ちていたのは丸い帽子の樫の実。
別の公園ならどうか。
しかし、ここに生えているのも樫の木。
近所の神社にも行ってみたが、こちらも樫の木。
人の手が多く入っている場所には、椎の木はないのだろうか。
それならば、山ならどうか。
家から徒歩30分の小さな山。
その登山口に行くと、
いきなり椎の木だ!(写真奥の大きい木)
椎の木には何種類かあるようだが、今回見つけたのは「スダジイ」の木であった。
早速椎の実を拾う。
成人男性が黙々とどんぐりを拾うのはかなり怪しい光景であるような気もするが、100個ほど椎の実を収穫した。
椎の実の選別
家に帰るとまず椎の実を水に浸す。
虫食いがあるなどの理由で中身が傷んでいるものは水に浮くので、これを取り除く。
残った実をザルにあげ、水気を取った状態が下の写真である。
お尻の部分が丸いのが椎の実の特徴だ。
椎の実を食べる
その1 生食
まずは何も手を加えず、殻をむいて生のままかじってみた。
一応生でも毒はないらしいが、不安なのでほんの少しだけ。
ほのかな甘味を感じるが、何も味付けをしていないのでさすがに味気ない。
香りはほとんどなく、食感は固いわりに弾力があり、やや粉っぽい。
正直言って、あまりおいしいものではない。
味 ★
香り ★
食感 ★
手軽さ ★★★
その2 銀杏式調理
生食での味は残念だったが、調理してはじめておいしくなる食材だってたくさんある。
気にせず次の食べ方を試すことにした。
椎の実は小さいわりに殻が硬く、殻をむくのが面倒である。
そこで、銀杏のように封筒にいれ、電子レンジによる調理を試みた。
椎の実が爆ぜる派手な音とともに封筒が膨れていった。
さて気になる中身は…
加熱により、香ばしい香りが加わり、味付けをしなくてもひまわりの種を思わせる味わいが出て、生の時よりも格段においしくなった。
一方で、爆ぜた時に中身がバラバラになってしまい食べにくく、小さな破片は加熱でカラカラに乾いてしまった。
味 ★★
香り ★★★
食感 ★★
手軽さ ★★
その3 バター炒め
ここまでの経験から、椎の実はナッツとしては油脂が少なく、加熱すると硬くなりやすいことがわかったので、調理過程で油分を加えることにした。
この時点で残っているすべての椎の実の殻をむき、バターで炒めた。
電子レンジ調理と比較するとより香ばしさが増し、バターによるしっとり感も加わって申し分のない美味しさ。
お好みで醤油をかけてもよいだろう。
バターで炒めればだいたいのものが美味くなることを割り引いても、これまでの食べ方の中で一番美味しかった。
しかし、殻をむくのはとても骨の折れる作業であった。もうやりたくない。
味 ★★★
香り ★★★
食感 ★★★
手軽さ ★
まとめ
椎の実の食べ方としては「カラカラにならないようマイクロ波加減に注意して電子レンジ調理」が美味しさと手軽さのバランスがとれているように思われる。
皆様も一度足元に目を向けて、椎の実を探してみてはいかがだろうか。
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