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①.全身で春を感じて ②.「クララとお日さま」を読んで

#本と珈琲とときどきバイク #バイクと出逢うための本屋 #バイク乗りと繋がりたい #バイクと一般人とを繋げたい #モーニングラジラ   #オートバイブックス #クララとお日さま #早川書房

①.全身で春を感じて
昨日片道1時間程度のところへショート花見ツーリングに行ってきました。
場所は静岡県にあります、大井川鐵道沿線沿い、川根町エリアの家山の桜という静岡県でもかなり有名な桜スポットです。平日ということで、人は空いていながらも、子供たちや学生たちは春休みなので、ファミリーやカップル等々がそれなりにピクニックしていました。それくらい今が満開の桜ベストシーズンでございやす。特にこの日は完璧な桜日和だったかもしれません。ただし、目が痒いことを除いて。
普段、バイクのことを呟きながらも自分のバイクの写真はアップしてなかったので、この機会に桜と愛車のショットを撮ろうと試行錯誤。まぁそれなりといった感じでしょうか。もっとこだわってもよかったかもしれません。

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あと本日の朝のラジオ、ズミさんの「モーニングラジラ」のマスタートークのコーナーで、オートバイブックスの武田さんが出演されてましたね!最近僕は武田さんと知り合ったのですが、身近な人の活躍を聞くのは嬉しい限りです。おそらく武田さんと世代も近いであろうズミさん、お互い盛り上がっていたのを聞いて、やはりバイクに乗っていようが乗っていまいが、バイクのことを好きな人は意外と多いことを知るよい機会でした。バイクに想いを馳せる、それだけで素敵なことだと僕も思いました。

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②.「クララとお日さま」を読んで
続いては、前回の投稿に続いて本の感想です。2冊目に選んだのは「クララとお日さま」。カズオ・イシグロのノーベル文学賞受賞後の第1作目になります。イシグロさんは英語で執筆されているので、オリジナルの文ではなく、訳された文になります。
全編クララというメイドロボットの視点で描かれる話。本編はAI技術が進んでロボットが一般化されつつもまだ高価で、それなりの家柄の人しか買えない、近未来の時代設定だと思われます。それでも家柄とかステータスとかを気にする描写がありますが、時代が進もうとも人間の本質は変わらない。
そんな人間のお世話をするロボットであるクララが、主人となる幼い子供ジョジーに買われ、日々の心の触れ合いを描く物語。お日さまにも意味があるのですが、ここでは触れないでおこうと思います。
本編ではクララに感情があるかどうかの話はほとんどありません。あるようにプログラミングされたともとれるし、クララ自身の個性ともとれる。全編クララ視点だから、どっちにもとれるわけです。
これがなんとも切なくもあり、儚くもあり、クララのジョジーへの献身の気持ちとジョジーのクララへの家族同然に扱う気持ちが、次第に人間とロボットの境目なんてないと感じさせてしまいます。
やがてジョジーは大人になり、クララとしては役目を全うし、家から必要でなくなる時が来てしまう。その瞬間にやはりクララは人間ではなく、ロボットなんだなと感じてしまいました。結局モノとして廃棄されるわけですが、クララとしても幸せだったという感情だけがやはりそこにはあり、切なさと儚さを感じずにはいられませんでした。
心にジワーッと染み渡り、考えさせられる素敵な本と出会いました。こんな稚拙な感想では足りず、まだまだ本編の内容は深く多岐に渡って描かれていますので、ぜひその目で一度読んでみて頂きたいですね。

よくバイク乗りはバイクのことを「相棒」と呼び、バイクの調子が悪ければ「拗ねてる」とか「ヘソを曲げてる」とか言って人間のように扱うシーンをよく見かけますが、この「クララとお日さま」は「バイクとお日さま」と言い換えて読んでみても発見があると思いました。「モノには命が宿る」という言葉は僕が好きな言葉。ただし、愛されて永く使い続けてこそ命が宿ります。もしかしたら、クララにもジョジーと出会い日々を過ごすことで、プログラミングの感情と本当の感情との境目に気づいていたのかもしれません。


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