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①.金沢の変貌に驚き ②.「本屋大賞19&20」を読み比べ

#本と珈琲とときどきバイク #バイクと出逢うための本屋 #バイク乗りと繋がりたい #バイクと一般人とを繋げたい #本屋大賞 #そしてバトンは渡された #52ヘルツのクジラたち

①.金沢の変貌に驚き
たった2年ぶりの地元金沢。なのにもう完全にアウェー感。見たことある風景に懐かしさを感じつつも、新しいところ&閉店した店のボリュームが増えていくにつれ、地元なのに知らない街へ来た感覚が強くなっていくような、、、今回はノスタルジー感強めの帰省となりました。10年ぶりとなる友人とも会えましたし、歳とったなぁとしみじみ感じてしまいます。
タイトルの写真は私の住むエリアから目と鼻の先、金沢港にできた新施設「金沢港クルーズターミナル」から撮った港の風景です。幼少時代はここに元々あった金沢港の旧施設によくじいちゃんと散歩に行った思い出があります。この新施設は正直「ただ広いだけで何もない」です。本当に広いだけ。でもそれがよくて、かえって自分にとっては、幼少時代の旧施設を思い出す不思議な感覚を味わうことができました。心を落ち着かせるには本当に良い場所です。
子供だったこともあるでしょうが、昔は「あれもできない、これもできない」という葛藤ばかりを抱え、過ごしてきた金沢での青春時代が、今となっては良いところばかりが見えてきます。外から見る金沢は魅力に溢れている。今まで気づかなかったところも多く、社会人になって周囲の人に金沢のことを聞かれてもうまく答えられず、自分は金沢のこと何も知らないんだと思い知りました。それくらい太平洋側では金沢出身の人に会うことが本当に少ない。激レアです。が故に新幹線が通り、これだけメジャーになったのだから、いつでも観光案内できるよう掛川から、励みたいと思っています。
ただし、
人にはお勧めできるのに、かといって戻って住みたいかと聞かれると、お断りするという矛盾、、、私の感覚では金沢は住むところではなく、訪れるところといった印象なのでした。

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10年ぶりに再会した友人と小さなカフェにて一枚撮りました。今は小さな素敵なお店が本当に増えましたね。

本屋大賞19&20

②.「本屋大賞19&20」を読み比べ
そんな金沢時間を使いながら2冊の本を読みました。昨年と今年の本屋大賞受賞作です。この2冊は真逆の内容とも言ってもよい。共通しているのは家庭環境の複雑さ。「そして、バトンは渡された」のほうは事情があって親がコロコロと変わるも楽しく生きる娘が主人公。「52ヘルツのクジラたち」は親の愛情を受けずに虐待的に孤独に育った環境の女性が主人公。
正直「そして、バトンは渡された」は近年私が読んだ本の中ではイチオシに入るほど感動した本です。どのような環境であれ、前向きに生きる姿勢はもちろんですが(主人公は慣れてるし、半ば諦めてる感はある)、コロコロ変わる親が親らしくないし、かと言って冷たい環境でもない、まるで歳上の友人感覚で暮らしている様子は、「かわいそう」とかいう周囲の同情の目はあれど、主人公自身は幸せに感じていて、ときに甘えたり、ときにドライに対応したりと、不器用な子供ながら、自分の感情に上手に周囲と付き合っている暮らしぶりに元気をもらいます。この調子で淡々と進むのかと思いきや、最後に報われたのが、コロコロ変わっていった親たち側だったという流れに涙が溢れてきました。大事な部分なので詳しくはネタバレを語りませんが、ぜひ読んで欲しい一冊ですね。本のタイトルの意味も「そういうことかぁ」となります。ズバリ言うなら「世間的には辛い環境と言える中で生きる明るいストーリー」ですかね。こんな稚拙なまとめ方は恥ずかしいですが、感情を震わすほど心打たれたのは事実です。
かたや「52ヘルツのクジラたち」は重たい話です。モロに虐待されて育ち生きるのが不器用になった、いわば社会的マイノリティ側の少しだけ救われる話。マイノリティ同士が助け合い、打ちのめされたり、また闘おうとしたり、少しでも前向きに生きようとする様を描いた物語。前者と違い、ネガティブ8に対してポジティブ2ほど。かなり暗く繊細な話。先日朝井リョウさんの「正欲」を読了したときも思ったのですが、現代は多様性が認められたイイ時代とも言えるけれど、まだまだ影に潜むスーパーマイノリティの声は全く浸透せず、虐げられているという状況にフォーカスを当てていました。
著者の町田さんも「虐げられる人々の声なき声をすくう」と仰るほどマイノリティ側の話をこの物語でストレートに伝えたかったのだと思います。その著者の気持ちは読めば間違いなく伝わります。ですがこの感想を述べるのはとても難しい。自分に何ができるというわけでもないのですが、そういう状況の人たちもいるんだという認識を養うことができました。今後そんな状況に手を差し伸べる力を少しでも身につけ、もしその時がきたなら、支えになれる人になろうと思いました。

今回紹介した2作は、マイノリティ側の主人公視点であっても180度違う内容です。ポジティブに生きるか、ネガティブに生きるか。ただどちらも生き続けることがポジティブという全体思想を持っている気がします。物語の切り口の違いこそあれ、深いメッセージを両作からヒシヒシと感じました。私の器では全部受け取れるようになるのに、何十年かかるやら。精進します。

ちなみに、孤独にはバイクに乗るといいという話もあります。1人だと言葉は発しなくとも目に見える景色、匂い、肌の感覚などの感受性は、時に言葉を凌駕し、一皮も二皮も前へ向ける何かがあるはずです。マイノリティの方々にもぜひバイクをお勧めしますよ。そして我がお店に語りに来て下さい。お話お聞きしたくてたまりません。

本日はこの辺で。

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