安倍さんのこと

僕は、安倍さんの言っていることが好きだった。
僕は、もう50のおっさんだ。
日本は、戦争に負け、爺さんの代が国を復興させ、僕らは、幼いころのんびりと暮らせた。

しかし、敗戦国として、いじけた風潮があった。
爺さんの世代が大東亜戦争の手柄話をし、それを幼いころワクワクして聞いていると、右翼の烙印を押されるようで、結局家庭でしか本当の話ができない状況だった。
もう少し大きくなって近代史を学校で習うと戦争突入の契機となったのは、たぶん、未熟な民主主義が生んだ集団ヒステリーである衆愚政治なんだけど、よくわからない軍部の台頭という言葉で主に陸軍が悪者だと習った。ほかにもたくさんあるけれども、本当に大日本帝国を自虐的な目で見る風潮の中で僕は、大きくなった。

安倍さんは、僕よりも約20年上の世代だ。親父さんの晋太郎さんは、滋賀海軍航空隊に飛行機乗りになるために入られた、1945年春には、特攻に志願されている。安倍さんは、一度死ぬことを覚悟されたご経験がある親父さんに育てられた。だからなのか?安倍さんの言う日本には、自虐的なところを感じなかった。僕は、その弁舌が好きだった。

一方で、その弁舌にどこまで真実味があったのか?これは、僕が疑り深いせいなのではあるけれども、僕の中では、疑問だった。
口先だけなら人は何でも言えるからだ。
第1次安倍内閣を放り出したように見えた時、僕は、まだ潰瘍性大腸炎の大変さを知らなかった。だから、腹は痛いくらいで政権を放り投げたと憤慨した。
その後、知人におなっじ病気で闘病しながら仕事をしている人に出会い、そのつらさを知った。
おそらく、安倍さんは、無念だったと思う。

第2次安倍内閣の前、民主党政権は、末期的な状況だった。政権交代の契機になった野田さんとの討論は迫力があった。

あと、国葬の時の菅さんの弔辞。焼き鳥屋で3時間口説いて自民党の総裁選挙に出て、政治家として死んだはずの人が再起した。本当に輝いていた。再チャレンジできることを日本にまず示したと思う。

一方で、いろいろ悪く言われていた。
まず、官有地の払い下げについては、おそらく佐川さんの答弁につじつまを合わせるために文書の偽造を苦にノンキャリアの官僚の方が自殺する羽目になった。
買い手が、ユニークな人で安倍晋三小学校を作るとか言っていて、悪目立ちをしてしまった。
まだ安倍さんが元気でいらっしゃっても安倍さんを追い詰める決定打には、ならないものだと思う。

加計学園の獣医学部の問題も、問題なのか?疑問だ。規制緩和の行政改革の結果にすぎない。また、今文科省は逆行した規制強化を行っている。
本来、学校は、自由競争の範囲内でどんどん作ったらいいと思う。日本薬科大学みたいに偏差値がそう高くない薬学部中心の学校があってもいいし、慶応みたいなブランドの大学があってもいいと思う。
安定した経営基盤があれば、あとは、自由にいろんな学部を新設できるようにしたらいい。
加計さんと安倍さんが友人だからと悪魔の証明を求める報道は、行き過ぎだったように思う。

桜を見る会っていうのもあった。秘書のミスを大ごとにした報道機関のマジックだったように思う。

結局、安倍さんのスキャンダルめいたもののほとんどは、マスコミの中にいる反安倍の方たちの想像力の産物だったように思う。

しかし、一つだけ酷かったのは、TBSの記者による野心あふれる若いマスコミ志望の女性の強姦事件への中村さんの現場介入の件だ。
ちょうど逮捕状が出ていざ、逮捕っていう段階で、逮捕するな!となった。
しかし、これが本当に官邸の安倍さんからの指示だったのか?は、疑問だ。
政治部記者とかについて、警察を含む役所は相当な遠慮があるからだ。
この件は、犯人とされた中年男性が、真実を語っているのか?被害者と自称する女性が嘘を言っているのか?わからない。
しかし、想像するに、女性があとから嫌だったと言ったらば、たいていの男は負けだ。
仮に女性が口淫したり、積極的だったとしても、酒で記憶が飛んでた。不同意であるといえば、強制性交で男は、逮捕されるかもしれない。
なお、この時逮捕を逃れた中年男性は、民事では、本件については、敗訴している。
いっぽうで、この男性が安倍さんの友人だったから中村さんが介入したという説には疑問が残る。
この中年男性は、安倍さんが遭難されたときに、まだ死亡が報じられる前に自分のFBでスクープとして安倍さんの死亡を報じた。
ジャーナリストの使命なのかわからない。しかし、本当に友人であるならば、そういう話を拡散しないと思う。
おそらく、安倍さんの本を書いた親し気な知り合いといった関係性がこの男性と安倍さんの間柄なんだと思う。
安倍さんが、彼のために一肌脱いだとは考えにくい状況証拠の一つとして上記の安倍さんの遭難後の彼の動きがあると思う。

国葬について。手続き違反を言う方々がいた。しかし、与党自民党は、衆参の過半数を動かせる。仮に国会の議決を経ても国葬になっていた。
少数の声のでかい人の意見として国葬反対といっても、意味に乏しかったと思う。

統一協会について。安倍さんの遭難の犯人が、この教団の被害者だった生い立ちがあるからと言って、殺人は正当化されない。
また、統一協会=悪っていう人が結構いるけれども、僕はそうは思わない。
統一協会=謎。っていう感じだ。で、人は、本能的に知らないものを怖がる。知らないから怖がり、嫌い、もう調べない。
実際に、今回の安倍さんの遭難という国難で安倍さんやその家族以外に最大の迷惑を受けたのは、統一協会だと思う。
どこまで、霊感商法や異常な献金をやめているのか?はわからないけれども教団の人は、もうやってないと言っている。
たぶん、本当にここ10年くらいは、無茶はしていないのだと思う。
しかも、昔の悪事も不法行為の損害賠償の民事の事項はとっくに過ぎているんじゃないかと思う。
統一協会=アンタッチャブルみたいな傾向も含め、学校で一人のターゲットを無視するいじめや、昔の村八分みたいな、よくわからない者への制裁に近いものを感じる。
統一協会の創業者の文さんは、朝鮮が日本だった時に、早稲田の専門学校を出た後、今の鹿島建設で技師をしていたそうだ。
彼が、学んだキリスト教は、旦那さんが浮気をして、悩んでいた金聖道さんが、一種神がかって(ひょっとしたら統合失調症を発症)、手かざしをしたり、神あるいはキリストの言葉が聞こえたと言って始めた宗派らしい。
その前、韓国独自のキリスト教だと、アメリカのメソジスト派の学校の学生だった柳寛順さんの反日抵抗運動、獄死が、李承晩政権の時に、掘り起こされ、いろいろ脚色されている。
その前の朝鮮は、おそらく、文武両道の両班とそれ以外は、圧倒的な身分さがあり、支配される側からは、平等を求める意向が強かった風土だと思う。
そこから、日清戦争の原因になった東学党の乱などが起きた。その後、李王朝に歯向かう形で開国すべしという宗教者やシャーマニズムふくむオカルト的な人たちと李王朝を維持したまま、平等を目指す人たちなど入り乱れ、1910年、大韓帝国は、大日本帝国と一緒になった。
文さんのキリスト教のもとは、おそらく、伝統キリスト教からは、異端扱いされる一種のオカルトを含む新しいキリスト教だ。
日本が敗戦後、李承晩さんが油断して、北朝鮮に攻め込まれた。
文さんはそこで共産主義の怖さを知った。結果、共産主義に勝つための社会運動を始めた。
日本国内でも、安保反対、ソビエトへの抑留者がなかなか帰ってこない、過激派対策など、すこし丸くなる前の共産主義者の横暴に手を焼いていた。
政権を取る気のない社会党に支えられ、日本を復活させないといけない自民党は、統一協会の下部組織の勝共連合などと敵の敵は味方という形でときに協力し合うのは、自然なことだったと思う。
その名残を、今断ち切っていいのか?
これが最後に疑問に思う。
過激な共産主義を否定するというのは、自由に生活するにあたって必要なことだと思う。今の共産党もまだ、敵の出方次第では武装闘争を辞さない考えであるとするならば、時に恐ろしい社会の敵になりうる。
考えたくないけれども実は、統一教会の方が社会の味方になるかもしれない場面も場合によっては、想定しうる。
ただ、統一協会だからと言って、非難し、忌避するのは、いじめに近い気がする。もっとよく連中を調べ、理解を超える部分があるのは、超自然的なものを信じる宗教の特質で、それを信じる自由が憲法の人権の中でも大事なやつであることをかんがえると、宗教弾圧みたいなやり方は避けるべきと思う。
一方で、鈴木エイトさんや紀藤弁護士がいまの統一協会の悪事をどんどん暴くのであれば、宗教法人の法人格を否定すれば足りると思う。あと場合によって犯罪を構成することをしてるならば、それを警察が取り締まったらいい。
しかし、信じてる人の信じる自由もまた人権なんで、それを邪魔したり、信じてる人の平穏な日常生活をコロアキ氏みたいに乱すのは、実は意地が悪いと思う。

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