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飢えている者には豊かな恵みを、そして…

こんにちは、えんぴちです。
先日、ちょっと大きな地震がありましたね。
我が家も少しですが、ぐわんぐわんゆっくり揺れました。
大きな地震の前震でなければいいのですが…。

夕食での嬉しいサプライズ

金曜夜は、主人と夕飯を食べに行きました。
今週、お互い忙しい1週間だったようで労いました。
すると、まさかのこんなサプライズが…!

ケーキ・アイス・フルーツの盛り合わせ

主人が今月誕生日の私に、バースデープレートを用意してくれていました。
もう誕生日は約1週間経過しましたが、今でも度々嬉しい気遣いをしてくれます。食事も急遽決まったものだったのに、物凄いスピードでセッティングしたものです。
ありがとう、ありがとう。いやぁ、驚いた(笑)

実はスプーン型のプレート
…でもって、なかなか大きなスプーン型!!!

2人で美味しくいただきました。お腹も心もいっぱいになりました。
たまたまこの前の用事後に、主人にささやかなお土産を買っていたので、近いうちに改めて一緒に楽しもうと思います。


飢えている者には豊かな恵みを、そして…

主人にもこの時に話したのですが、この大きなスプーンで思い出した話があります。
ご存知の方はどれ位いるでしょうか。私達の親世代以上の方だったら、もしかしたら知っているかもしれません。

それは、昭和版のムーミンのとあるお話で、食べ物を生み出すスプーンのお話です。折角ですのでご紹介させてください。

※自分の記憶を頼りに書いています。誤りがあるかもしれません。
その点、ご了承いただければと思います。


ふしぎなスプーン

ムーミン家の家宝

ある日、ムーミンはママが作ってくれた料理を、嫌いだからとほとんど食べずに残してしまいます。そこでパパが、ムーミン家の家宝の話をしてくれました。それが、自分達の身の丈以上はある大きな大きな銀色のスプーンでした。

このスプーンは、飢えている者には豊かな恵みを与え、そうでない者には罰を与える、といわれていました。

ムーミン家の者が食べ物に困ることが無いように、と代々大切に受け継いでいる家宝である、ということでした。
世界には食べたくても食べられない人達もいる、だから嫌いなものも残さず食べなさい、とパパやママはムーミンを諭すのでした。

そんな折、ムーミンはお腹を空かせたスティンキーに会います。スティンキーは、一生に一度はお腹いっぱい美味しいものを食べてみたいとムーミンに打ち明けます。
そこでムーミンは、家宝の大きなスプーンをこっそりスティンキーにしばらく貸すことにしました。ムーミンはこのスプーンがあると、嫌いなものも残さず食べなさい、とパパやママに言われるので、少しの間だけでも邪魔なスプーンを手放したかったのです。スプーンにあやかりたいと、スティンキーは大喜びでした。

飢えている者には豊かな恵みを

飢えている者には豊かな恵みを与えるスプーン、それはなんと本当のことでした。

お腹を空かせたスティンキーがスプーンを掲げると、瞬く間に、なんとも美味しそうな食べ物がスプーンにてんこ盛りで現れたのです(まさに先程の画像のように)おかげでスティンキーは美味しいものを好きなだけ食べられるようになりました。

その頃、ムーミン家は大変です。なんせ、家宝であるスプーンが消えてしまったのですから。罰が悪くなったムーミンは、すぐスティンキーからスプーンを返してもらおうと、スティンキーが住んでいるおさびし山にこっそり向かいました。しかし、スティンキーに声をかけようとしたその時、ムーミンは足を滑らせてしまい、雪に埋もれて身動きが取れなくなってしまいました。

スプーンからの罰

ムーミン谷一番の大食漢でもあるスティンキー、何度もスプーンで食べ物を出しては一日中貪り食っていました。そんなスティンキーもスプーンのおかげで、いよいよお腹がいっぱいになりました。それでもスティンキーは食べ物を望みます。しかし、満腹になったスティンキーにスプーンが出したのは、石ころの山でした。さすがのスティンキーでも石ころは食べられません。

何度食べ物を出すように言っても、一向に石ころしか出さないスプーンに怒ったスティンキーは、スプーンを思い切り蹴飛ばしました。すると、スプーンはその大きな銀の胴体でスティンキーに体当たりしたり、石ころをマシンガンのようにぶつけてきました。

そこへスナフキンが颯爽と駆けつけ、暴れるスプーンを蹴り倒し大人しくさせたのです。もうスプーンは暴れたりしませんでした。

その少し前、スナフキンはたまたま雪に埋もれていたムーミンを見つけ出し、掘り起こすことに成功していました。
雪に埋もれている間にお腹を空かせてぐったりしていたムーミン。そんなムーミンにスプーンは美味しそうな食べ物を出してくれました。しかしスナフキンに促されても、ムーミンはその食べ物を口にはしませんでした(スティンキーが代わりに食べていました)

無事に帰路へ

スナフキンに背負われ帰路につくムーミン、隣にはスプーンを抱えたスティンキー。そんな一行がムーミン家へ戻り、パパやママは今日何があったかを知ることになったのでした。
お腹が空いていたムーミンは、ママの手料理を物凄いスピードで平らげます。でもそれは、昼間食べたムーミンの嫌いな料理でした。空腹がスパイスになったのでしょうか。スプーンが出す料理より、やっぱりママの手料理がよかったのでしょう。無事にスプーンもムーミン家に戻り、穏やかな時間が戻ってきました。

楽しそうな笑い声を後に、その場を去るスナフキン。
気付いたパパが追いかけ、感謝の言葉と共に声をかけます。

「私の言ったことは間違っていたのだろうか…?」と。

「嫌いなものでも残さず食べなさい。」

自分が伝えたこの言葉がきっかけで、大切なムーミンが危険な目に合ってしまったことを、パパは後悔していたようです。

そんなパパに、スナフキンはこう声をかけました。
「人の好みは千差万別だと思います。例えば、他の人が自分と同じものを食べ、同じように感じていたら…ボクは、そんな世界はとてもつまらないものだと思います。」

そして、おやすみなさいの挨拶と共に、スナフキンは夜の闇に消えたのでした。

~ふしぎなスプーン・完~


とても懐かしいです。
このお話は、1972年に放送されました。
ムーミンは、時に『怪優』とも称される岸田今日子さん。後に、映画 学校の怪談2でろくろっ首校長役で出てきた時は、映画館で内心とても驚きました(笑)
EDの1つを、ルパン三世の峰不二子で有名な増山江威子さんが歌っていらっしゃいましたね。

私は、幼少期に母が録り貯めておいてくれた、この昭和版ムーミンシリーズを観て育ちました。
これより以前のシリーズも存在していて、今では手に入らないであろう最初期のシリーズの映像も母は大量に残しておいてくれました。聞いた話ですと、生まれて病院から帰ってすぐ見せ始めたそうです。はやい(笑)だから生後2週間くらいでムーミンアニメデビューということになります(笑)

当時、それだけの映像を残すことは相当大変だったと思います。ビデオデッキが発売されてさほど経っていないんじゃないでしょうか。
このムーミンシリーズは、私の人格形成に大きく影響を及ぼしたと思います。今でもセリフとアニメーションを覚えています。他にもたくさん面白いお話があるのです。今思い返しても、なかなか哲学的な話も多い気がします。ムーミンシリーズには、とても思い入れがあり、映像をたくさん残してくれた母にはとても感謝しています。
幼稚園で好きなアニメを答える時に、どう考えても世代じゃない私が「ムーミン!!!」と答えたことに先生達が面食らった話は、今でも実家の語り種です。

今回の『ふしぎなスプーン』のお話は、とても印象に残っていて、幼い自分が食べ物に対して疑問を持った最初のきっかけなのでは、と思います。
嫌いな物でも残さず食べないといけないのか?
現在ではNGとされている考えですね。当時の映像の中には、当時の価値観が色濃く反映されています。
スプーンが戻ってめでたし、めでたしにするのではなく、パパを通して視聴者に疑問を投げかけています。
その問いに対するスナフキンの回答も、明確な答えを出さずに終わっています。人によっては微妙な結末かもしれませんね。でも、私はこの回答がとても好きです。人の好みは千差万別、それでいいのだと。

このお話を通して、目の前に食べ物があり、日々美味しくいただけていることは、とても有難いことであると感じていました。そして、その食べ物が食卓に届くまでを考えるきっかけになったお話でもありました。
現代に立ち返って、美味しい食べ物を大切な人と楽しめている、そのことに心から感謝します。

そして、未だにこのお話から得た大きな学びのひとつに、
自分の食べられる量を把握する、ということがあります。
言い方を変えれば、無駄に残さない、ともいえますね。

飢えている者には豊かな恵みを与え、そうでない者には罰を与える。

あの銀色のスプーンは、今でも私の中で輝いています。


ふとした時に、以前観た作品や印象的な言葉を思い出すことがあります。
今回もあの大きなスプーンのバースデープレートが出てきた時に、ムーミンのふしぎなスプーンの話を思い出していました。
そして、バースデーに関する大切なことだからこそ、自分の思考に多大な影響を与えたこのお話のことをnoteに残しておこうと思ったのでした。

これからも食べ物は美味しくいただきましょう♪

懐かしさパワーで筆は進みましたが、だいぶ長くなっちゃいましたね。
ここまで読んでくださった方、心よりありがとうございます。
それでは、また。

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