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シアターコクーン配信「プレイタイム」感想

2020/7/12(日)19:30~ シアターコクーンによる有料配信の演劇があった。

「プレイタイム」
構成・演出:梅田哲也
演出・美術:杉原邦生
出演:森山未來 黒木華 北尾亘
原作:岸田國士『恋愛恐怖病』ほか

眠っていた劇場が生き返るような、再始動するような作品をというスタート地点から始まったプロジェクト。

1週間のアーカイブがあるもののチケットの販売が終了しているので、本編を観ることができない人はティザーがもうカッコいいので是非見て欲しい。(※オンデマンド配信の予定はあるらしい)

私はこの配信についてまったく知らなかった。配信が終わった日曜の夜に評判を聞きつけて滑り込みでチケットを購入した。リアルタイム視聴は逃したが、アーカイブ配信を観て心揺さぶられたので書いておこう。

正直、1時間半(本編約1時間)の配信に2,500円ってちょっと高いよなと思った。しかし大満足だ。1週間何回も観られるし。

シアターコクーンの舞台裏、つまりは舞台の下やそでや何から何まで隠さずに映し出す。全体が舞台装置。私たちがお芝居を観に劇場に行って目にすることができる舞台上が人間の表面だとすれば、ステージを支える柱や機材は骨や筋肉で、それらをいきいきと映すこの作品はまさに眠っていた劇場の再始動をみせてくれた。裏方と言われるスタッフ達もそのまま映す。彼らが働くほどに舞台に血が通っていった。淡々とした撤収作業にジーンとした。舞台の余韻。

お芝居本編は短い会話劇で、森山未來さんと黒木華さんの共演。2人からは舞台の上に立つ事の緊張と喜びが伝わってきた。開演前に移動する姿、幕が下りた後に声を掛け合う姿を含めて作品であり、それがみられるのが配信ならでは。華ちゃんが白いドレスを着て客前に立った時、シアターの女神様みたいにみえた。

演目は岸田國士『恋愛恐怖病』と岸田氏の他の作品から少し。劇場の再始動で現代演劇の父と言われる岸田國士の戯曲を使うのは象徴的。直木賞受賞作は読むけど直木三十五は知らん的なあれで、岸田戯曲賞の戯曲を読んだことはあっても岸田國士の戯曲は読んだことが無かった。『恋愛恐怖病』『チロルの秋』『チロルの旅』『妻の日記(随筆)』絶対に読む。

「プレイタイム」のプレイは play なのか pray なのか。

play:劇
pray:祈り

冒頭に祈りについての語りがあったので play なのか pray なのかそれともダブルミーニングでカタカナなのかしばし思いを巡らせたが、公式サイトのURLにplaytime と入っていたので解決した。 ”play” の方らしい。

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コロナ禍で出会ったお気に入りの配信コンテンツ。

・「私は劇場 | The Theater is You」
・アマヤドリさんのストレッチ動画配信
・「プレイタイム」

なぜかコロナ前よりも舞台、演劇を身近に感じている。(※アマヤドリさんはダンサー)。絶対に絶対に劇場に足を運んで、ダンスでも演劇でもミュージカルでもなんだって観てやるんだ。最近そう思っている。

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「プレイタイム」twitterで創作日誌も発信している。企画立ち上げからのスピード感に驚く。


「私は劇場 | The Theater is You」もう少し配信を続けるみたい。でもそろそろ終わりかしら。毎回ちょっと空気が違うので私の紹介記事はあてにならないかも。


アマヤドリさんはnoteも書いてらっしゃる。配信はyoutubeで。


なんの記事かわからなくなってきたけれど、「プレイタイム」よかったです。

2020/7/23 追記。「プレイタイム」で使用されている岸田作品をまとめました。↓


にっこにこ