夕焼け

2019年4月 自選短歌

雪が降る予報で街をゆく人が少し大きく丸くなる朝

晴れという理由で走る地図上にいびつに描くすこやかな円

本の背に手のあとがありあたたかく指をそわせて読む「細雪」

おっぱいのエコー検査を受けながら思い出しても恋は恋でしょ

たくましくまだ生きていく二回目の断髪式を終えた豆苗

屋根という屋根を真っ赤に染めてゆくハートの女王みたいな夕陽

交叉点は知らないひとの波だから向こう岸までただただ泳ぐ

往来を歩道橋から眺めをり十七歳のまなざし借りて

髪の毛に花びらつけたまま歩く君を見つめる理由ができる

愛し方いつもまちがう止めどなくどんどんふえるワカメを見てる

※主にうたの日投稿歌ですが、いろいろ詰め合わせです。

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