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029.醍醐味

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アルゼンチン首都ブエノスアイレス1日目。
何よりも空腹の印象が濃いこの夜、私は奇跡的に、偶然見つけた日本(一部中華)食の飯店に入ることに成功しました。

カリフォルニアロールを数人前、味噌汁、炒飯、肉うどんらしきもの、そしてスープ。

この旅で1番食べた夜のはずです。最高の時間を過ごせた。
1人旅にありがちの、周囲の視線が気になるということはこの時期にはほとんど消えていました。とにかく1日を必死に、楽しめていたのではないかと思います。


その夜、2月の蒸し暑い熱帯夜でも、貸切状態のドミトリールームの中私は熟睡できました。
当時の日記を読み返すと、チェックイン時にとりあえず3泊分を支払い、チェックアウトを気にせず午後まで泥のように寝ていたようです。

起きた時にはすっかり元気、ペルーのクスコから続いた3,000m以上の高山生活も完全におわったからか、かすかな偏頭痛もありませんでした。


そして私は長期の旅に醍醐味でもある「休息」を、この街で取ることにしました。街から出ず、無計画に日々を過ごしました。
回線の早いネットカフェを見つけて国内線の飛行機を探したり、
1日中歩き回り美味しくて安いケバブにありつけたり。

幸運だったのが、安宿にいた国内旅行をたのしんでいた男性陣とサッカー観戦に行けたことでした。
サッカーは素人ですが、熱狂がとにかくすごい。
気づいたときにはサンダルを失くし、はだしで宿まで帰っていました。


各大陸で1度はあった旅の休息には、思い出がたくさんあります。
旅の醍醐味は、その最中にある「旅を止める事」かもしれないと、当時21歳の青二才は感じていました。


前列の若人が終始絶叫していました


写真が残っていないのですが滞在中、ブラジル国境沿いのイグアスの滝にも行くことができました。
アマゾンではないエリアですが、殆どの昆虫や動物の身体が想像以上。滝の壮大さと宿内にいた虫たちは非常にインパクトに残っています。


結局8日程この街にいましたが、目立った犯罪もなく穏やかな滞在となりました。

ここから、南米最南端のパタゴニアへ移動します。


旅は、終盤に近付いています。

つづく。

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