家族会議の議事録がご都合主義だった。

巻き込み事故

家族が増えてきたことで
トラブルや心配事が増えたらしい。

でもそれって、私達家族世帯に何の責任もない。
受け入れたのは、運営側なんだから。

実際、延長するときも
「短期滞在の予定でしたが延長可能ですか?」
とこちらは聞いている。

無理と判断すれば、無理だ、と断ればいい話なのに
むこうは延長に問題はない。と言っていた。

でも結局
子供たちが大人に迷惑かけるかもしれないことを共有したいから書いて」という事態を招いた。

突然の招集

ある日、シェアハウスのコミュニティマネージャーから
「今度家族世帯で集まってMTGしたいんだけれど、この日どうかな」
という連絡があった。

私は快諾したが、その後矢継ぎ早にアンケートが二度も送られてきた。
アンケートの質問には
「家族会議の時間みんなとどんなふうになりたいですか」
とあったので
「みんなが笑顔になれる結論が出るといい」
と送ったら

アンケートに回答したら、その回答に不満だったのか
代表から
「質問足らずでごめんね、家族会議の時間みんなとどんなことが話せたらいいなとかありますか?」
と届いた。

わたしは、そもそも家族世帯で集まることに意味はないし
どんなことが話せたらいいもなにも、こちらから望んでいる会議ではないし
なんでこちらが仕事に育児に追われているなか
運営の実力不足に巻き込まれないといけないんだろう。

という気持ちが過ったけれど、きちんと
「家族世帯ばかりが伝えているので単身者の気持ちが知りたい」
ということを伝えた。

そこで迎えた家族会議は、まぁまぁひどいものだった。

見てない人がいう「気のせい」

共有リビングで過ごしているとき、わたしには見過ごせないことがどうしてもあった。

共有リビングはいくつかの区画に分かれていて
それぞれが半個室のようになっていた。

もちろん、どの部屋も子供も使っていい。使っていいはずだ。

それなのに
大人たちが談笑しているところに子供が行こうとすると
ぬいぐるみやらクッションやらを入口に立てて、「バリケード」を作った。
無言で。

「いま大事な話しているからあとでね」でもない。
「ここ危ないから来ちゃだめだよ」でもない。

無言で、子供を拒絶したのだ。
どうして。家族を受け入れてくれるはずのシェアハウスで、
ほかの場所でもあるような拒否をするんだろう。

同じようなことを、外国人や大人たちにするんだろうか。
子供だから、傷つかないとでも思うんだろうか。

私は、リビングも子供たちにとっての居場所であるはずだ、ということを
確認したくてこの件を伝えた。

そしたらその現場を見ていない代表から
そういうふうに見えただけ。気のせい」と言われた。

実際に見た人の話を、あっさりと一蹴する。
そんなことを言ってのける人と、共同生活できるだろうか。
彼女の衝撃発言はこれにとどまらなかった。

ひとりっ子しかいないシェアハウス

会議では、主に家族それぞれが
どんなスタンスで向き合っていきたいかを発言し、
その後不安面について共有した。

子供が病気になった時とかどうしていいかわからない。
熱や風邪をうつしたくない、という人もいた。

ここで気づいたのだけれど
シェアハウスにいる家族世帯で兄弟がいるのはうちだけだった。
(ほかに一人いたけれど、入居時は子供はひとりだった)

あとはみんなこどもが一人なので、複数の子供と暮らす共同生活では
風邪や伝染病のうつし合いっこが仕方ない、という環境を知らないんだろうなぁ。と思ったし、きっと「それはしかたがない」と言っても
聞く耳持たないんだろうなぁ。と思った。

つまり、ここにいる誰もが、複数の子と暮らした経験を持たない人だった。
それは、代表家族も同じ。

そして子供がひとり、というだけでなく
子供を同世代の子供と遊ばせている経験も少ないことが見えてきた。

シェアハウスにいると、いろんな大人たちが、相手をしてくれる。
子供も満足しているので、わざわざ出かけて子供同士で遊ばせる必要もないのだろう。

でも、年の近い子と遊ばせることが、どれだけ子供達自身が学びになっているか。保育園に通わせていても、現場は見ていない。
だから彼らは、子供同士が遊び合うことを極端に不安がっているのかな、とも思った。

病気のほかに、乳児を守るために、大人も接し方に気をつけなければいけない話もでた。
もっとも話題の中心となったのは「危険」についてだった。

まさかの「家族のためのシェアハウスじゃない」発言

18時~20時の時間帯が会社員も帰ってくるし
子供たちも集まっていて、いちばん興奮しやすい。
どうやったら迷惑をかけないか。静かにできるか。
という内容だった。

リビングは走り回るものじゃない。
子供同士集まると追いかけっこが始まる。
ぶつかったときにケガするのが心配……

どの懸念も
それ、兄弟いたらぜんぶあたりまえですけど・・・?
という話ばかりで、呆気にとられた。

ぶつかってケガして、痛みを知ったら、次気をつけようと思える。
子供同士集まるといろんな遊びがあるから、想像力が育まれる。

それを、大人はみて見ぬふりして見守る、ということを
この人たちは知らないんだ…と思ったし
どうやらそれを尊重するよりクレームを恐れてしまうようだった。

「18時~20時は大人も帰ってくるし子供も集まる。
危ないからなんとかしなくちゃいけない。どんな方法がある?」

運営側からの質問。だけど、彼らは答えない。
運営も、入居者なんですよね。
だったら、入居者として意見すればいいのに。

というか、それこそ子供の問題ではなく設備面の問題では?
なんでいちいち、私たちの責任になるのか、わからなかった。

シアタールームで運動する。
キッズルームで片づけをする。
いろんな案が出たけれど、各家庭ごとに食事やお風呂の進み具合は異なる。
どの提案も結果的に「だれが見なくちゃいけないのか」になるので
話は進まない。

し、そんなこと、わたしたちの問題じゃない。

ここは「家族と暮らすシェアハウス」と言っているんだから
子供たちにも子供たちが思う過ごし方をしていいはずだ。

だから私は説明した。
こどもたちは「見立て遊び」をする。

ソファが、ライオンキングの崖になり、またあるときはアナ雪のお城になる。
テーブルの下が、宇宙の秘密基地になる。
それを、大人が温かく見守る。五感を使って、危険のギリギリまで見守る。

子育てって、そういうことでしょう。と。

いろんな提案をしたあと、すべてを台無しにするひとことが代表から放たれた。

「ここは、家族のためのシェアハウスじゃないから」

…まじか。
代表が、それ言うのか。

代表は、おそらく「家族のためだけのシェアハウスではない」と言いたかったのかもしれない。

でも、家族会議の内容をみても
明らかに単身者を尊重しているのは見て取れた。

だって、家族会議の内容が
18時~20時の時間帯の子供を、どう静かにさせるか
なんだもの。

子供の行動をコントロールしようとしていることにも無自覚で
「ただ私たちは子供たちの安全を考えているんです」
と堂々と言えることに言葉を失った。

もともと、ここに入居したいと思ったのは
「週に数回こどものための学び場が無料で開催される(要約)」と
HPに書いてあったのも理由の一つだった。
 
だったら、その18時~20時に「学び場」を開催すればいいんじゃないか。
(当時、コロナの影響で休止だと思っていたのだけれどコロナで休止になったのは大人の学び場で、こどものための学び場は、もう初期の頃にはなかったそう)

なんで、運営側が入居者から提供してもらってる立場なんだろう?
と思ったし

なにより「家族のためのシェアハウスじゃない」という言葉をきいて
もう私の頭には「出るしかない」ということしかなかった。

信頼関係を築けない人と入居する必要はないし
なにより、お金を払う価値がないんだもの。

会議の翌日に
なんの前触れもなく公開された議事録には、
見立て遊びのことも、ほかの人も発言も、記録されていなかった。

ただ、「危ないから考えよう」という単身者が納得しそうな内容ばかり
書き残されていた。

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