3日目 カウボーイビバップ

見る前は、いかにもハードボイルドで渋い大人向けアニメという印象があったが、実際見てみると回によっていろんなテイストの話があり、そこがまず意外だった。雰囲気はちょっと銀魂とかと近い感じがする。あれも主人公の過去がメインにあるっぽいし(最後まで読んでないけど)。

各話おおむね楽しめて見れたものの、ラストの展開は個人的にはあまり好きになれなかった。ラスト2話(だったかな)は主人公スパイクが過去に愛した女ジュリアの死をきっかけに、ビバップ号を抜けて過去の因縁に決着をつけに行くというものだったが、視聴者の立場からすると、いきなり出てきたよく知らん女のためにすべてを捨てて敵地に赴くこの行動には、「じゃあいままでおれが見てきたのは何だったんだよ」という感想を抱いてしまう。なんというか、スパイクは結局おれが今まで見ていたビバップ号の日常よりも、過去の因縁のほうを選んだんだなという感じ。

特にそれを印象的に感じるのはフェイがスパイクを引き留めるシーン。過去のないフェイ、ようやく居場所のできたフェイの行動に相対してもスパイクは自分の行動を変えない。スパイクは、この数話前でエドとアインがいなくなった経験からも、残されたフェイとジェットがどういう風に感じるかはわかっているはず。結局スパイクにとっては自分の思いや決意 > ビバップ号だと感じさせるこの展開は、もしかしたらこれこそが所謂ハードボイルドということなのかもしれないが、おれには受け入れがたかった。

このラストエピソードのスパイクの行動は今までの飄々とした態度からは想像しがたいもので、それを「秘められた一面がみれてカッコいい」と思う向きもあるだろうが、やはりおれとしては最後まで飄々としたスパイクを見ていたかった気がする。おれがいままで好きだった「カウボーイビバップ」はそういう話だったから。

流石に目の前で愛する人が殺されてるのにそれは酷かもしれないが、しかし視聴者の立場のおれからするとその「愛」というのがあまりピンとこないのだ。名シーンとされている「100万回いきたねこ」の例えもあまり刺さらなかった。

総評としては、「好きだけど終わり方が気に入らない」という感じだろうか。すべてが台無し、とは言わないがやはりラストの展開は好きになれない。

以下、悪いところばかり書いてもあれなので好きなエピソード。

ヘヴィ・メタル・クイーン…意外にこういうテイストの話は少ない気がするが、まさにスペースオペラという感じ。ラストのセリフ回しがかなりカッコいい。一番お気に入りかも。

ハード・ラック・ウーマン…特に好きなシーンはエドとアインが旅立ったあとのビバップ号での食事シーン。二人の皿に山盛りに盛られた卵が切ない。何度も言って申し訳ないが、改めて、やはりこの話の後のスパイクの行動がああなのはおれは好きではないなあ。

印象深かったのは上の2つ。wikipediaの各話リストを見てあげてみたのだが、見たのだいぶ前だから結構タイトルを見ても思い出せない話が多かった。いずれまた見直したら詳しく感想を書き直すかもしれない。

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