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その声は楽器となって煙とアルコールの漂いを引き裂いていた

職場で仲良かった人が、
ジ ミッシェルガンエレファント
(以後ミッシェル)
というバンドが好きで、
えんどぅさんも好きそう
と、ライヴに誘ってくれた。

ミッシェルは知っていたけど、
ゴリゴリのロックのお兄さんたち
という印象だったので、
若干敬遠。
なんか怖そう。

その頃の自分のファッションといえば、
ボディーピアスを耳に並べつくし、
シルバーアクセを装備。
ダメージ加工の服に安全ピン。
ベルトは総スタッズやチェーン。
ブーツはゴツめ。
好きそうと言われても仕方ない。

めっちゃ、カッコいいから!
怖くないから、行こう!
と、心配を拭ってくれ、
会場で会えたら良いね!
というスタンスで、行ってみる事にした。

はじめてのライヴ会場だったのもあり、開演に遅れた。
待ち合わせしなくてセーフと思い会場へ入ると、
すでに熱気で熱くなっていて、
爆音が襲ってきた。
ドラムとベースが身体に響いて気持ちが良い。
知ってる曲も少ない上に、
新譜も聞かずに来てしまったので、
とりあえず、ノリでどうにか、、、
と聞いていたら、

あ、楽しい。

とスイッチが入る。
前列に行きたくなる輩だったので、
モッシュアンドダイヴの要領で、
お客さんの上をまたぎ、ブロックを越えていく。
かなり厚い人壁までは辿り着いて、目にしたのが、
ドラムのモヒカンの人。
かっけー!!
安定のビートで、本人も口ざみながら叩いている。
惚れ惚れした。
メンバーの気迫が殺意に似ていて、
何百人殺ったら、こんな風になるの?
ヤベー
が、ファーストインパクトだった。

本編が終わり、
アンコールどうしようかなぁと思い後ろに下がってみたら、
アルコールが売ってる!
汗かいたあとのビール、最高かよ!
と、休憩してると、
喫煙スペースもあって、
イカツ目お兄さんたちが、モクモクしている。
やっぱ、こえーな、早めに帰ろうと思ってるうちに、
メンバーがアンコールで戻ってきていた。

電車に乗り遅れても嫌だし、
このまま後ろでもいっかー
と思って聴いていたら、
ウッドベース?
男前すぎると思って始まった曲が、
サイコウだった。

落とされた。
歌ってるモヒカンに。
ソレしかないシャウトに。
人を殺してるだろうギターのカッティングに。
ズ太いベースに。
これが、バンドか。

帰りの電車の中も、耳から離れない。
ヴィジュアルもフラッシュバックする。
タバコ吸ってアルコール呑んでるお兄さんお姉さんに。
雰囲気も含めて、刺激的だった。
これが大人の世界!?
しばらくは、他の音楽が入ってこなかった。
その頃の自分にとっては、
とてもヘヴィーだったのだ。

ドラムのモヒカンの人は、
北海道出身と教えてもらい、
同郷といった親近感を感じる。
キューちゃん
という愛称もギャップがあって良い。
気になっていたヴォーカルは、
チバユウスケさん。
通称、チバ。
音源をCDで聞いても、かっこ良いんだけど、
ライヴで現時点の声を聴いてしまうと、
物足りなさを感じ、ライヴに行きたくなる。

次も、行こう。
また、聴きたい。

結果、ファンクラブに入会する事になった。
そして、解散まで一緒に転がっていきました。
ミッシェルとチバ中毒のはじまり。
こんなキッカケだった。

泣きたくなってしまう大好きな1曲。


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